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2018年12月、温暖化対策を話し合う国際会議「COP24」がポーランドで開催されました。会議のメインテーマは、なんといっても、パリ協定を実施するためのルールづくり。2015年にパリ協定が採択されて以来、世界のあらゆる国が会議に参加して、実施ルールを交渉してきました。今回、どのようなことが決まったのか、詳しく見てみましょう。
地球温暖化問題の原因となっている温室効果ガス。そこで、その削減などにさまざまな国が取り組もうと、取り組みの原則などをさだめた国際的な環境条約「気候変動に関する国際連合枠組条約」が、1994年に発効しました。この条約を批准している「締約国」は、2018年現在で約200ヵ国となっています。「COP」とは、この締約国が集まって温暖化対策を協議する会議、つまり「締約国会議(Conference of the Parties)」のことを指しています。第24回の締約国会議、「COP24」は、ポーランドのカトヴィツェで2018年12月2日から15日まで開催されました。気候変動への取り組みは幅広い分野におよぶことから、日本からは環境大臣を筆頭に、環境省・外務省・経済産業省・財務省・文部科学省・農林水産省・国土交通省の関係者が出席しました。会議では、世界中から参加した約2万8000人による、活発な協議がおこなわれました。
皆さんもニュースなどでよく耳にする「パリ協定」は、2015年に開催されたCOP21で採択されたものです(2016年11月4日に発効)。また、2016年11月におこなわれたCOP22では、2018年中に、このパリ協定の実施指針を策定することが合意されていました。そのため、COP24では実施ルールの合意可否が焦点となりました。
“実施ルール”とひとくちで言っても、パリ協定は先進国を対象とした京都議定書(1997年採択)とは異なり、途上国も含むすべての国を対象としていることや、温室効果ガスの削減だけではなく、気候変動への適応、資金支援などの幅広いテーマを含んでいることから、その交渉は一筋縄ではいきません。実際に会議の中では、先進国と途上国に同じルールを当てはめることが可能なのか、可能ではない場合どの程度の差をもうけるか、途上国への資金支援の将来見通しを各国がどの程度まで詳細に約束する必要があるのかといった点が激しい議論となりました。しかし、最終的には、すべての国を対象とした統一ルールが採択されました。実施ルールの中には、途上国に配慮した内容もあります。たとえば、温室効果ガスの排出量報告について、報告するための能力に制約がある途上国には、一部緩和されたルールが適用されます。ただし、その際には、「なぜ満たせないのかという理由を説明し、基準を満たすための行動計画を提示する」という義務が課されることとなりました。ほかにも、さまざまな分野の実施ルールについて合意が得られ、合計100ページを超えるものとなりました。
一方、外国で削減した排出量を自国の削減目標に計上する仕組み、「市場メカニズム」の実施ルールについては、合意が得られませんでした。市場メカニズムの例として、日本は、CO2を削減するプロジェクトを支援することにより、削減量の一部を移転する取り組み(二国間クレジット制度/Joint Credit Mechanism: JCM)を実施しています(「『二国間クレジット制度』は日本にも途上国にも地球にもうれしい温暖化対策」参照)。各国間のこうした協力が、統一されたルールの下でおこなわれるよう、議論はCOP25まで持ち越すこととなりました。
次回のCOPは、2019年12月、チリで開催される予定です。
経済産業省 産業技術環境局 地球環境対策室
長官官房 総務課 調査広報室
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