日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」

日本のガソリン価格は世界と比べて安い?高い?中東情勢を踏まえた燃料油の「緊急的激変緩和措置」

2025年にガソリンの「当分の間税率」(いわゆる暫定税率)が廃止されたことによって、日本のガソリン価格は下がっていましたが、中東情勢の緊迫化によりガソリンを含む燃料価格が急騰しました。この事態を踏まえて、3月19日より燃料油に対する支援策「緊急的激変緩和措置」を実施しています。その結果、日本のガソリン価格がどのように変化しているか、ご紹介します。

中東情勢を踏まえた燃料油の緊急的激変緩和措置

中東情勢の緊迫化により、原油価格は世界的に高騰しており、3月上旬には、北米市場の代表的な指標原油であるWTI原油の価格が、一時1バレル120ドル近くに迫りました。

日本では、原油の中東依存度が9割を超えているため、中東情勢により、生活や経済活動にさまざまな影響が及ぶおそれがあります。そのひとつが、ガソリンを始めとする燃料油の価格高騰です。

ガソリンなどの燃料油の価格は、食料品や日用品などの価格にも影響します。たとえば、原材料を運ぶトラックや飛行機、果物のビニールハウス栽培や、米や大豆のトラクター、魚を捕るための漁船など、食料品や日用品をつくるにはガソリンなどの燃料油がさまざまな形で使われています。そのため、燃料油価格の上昇は食品や日用品価格のさらなる値上がりにつながり、物価高騰を加速させるおそれがあるのです。

こうした状況を受け、政府は3月11日、燃料油(ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料)を対象にした「緊急的激変緩和措置」の実施を決めました。これは、燃料油価格の急激な上昇を抑え、国民の生活や経済活動を守ることを目的として、ガソリンの小売価格を全国平均で170円程度に抑制するとともに、軽油、重油、灯油などについても同様の措置を講じるものです。

措置を開始した後のガソリン価格は?他国と比べてみると……

緊急的激変緩和措置は3月11日に正式決定され、3月19日から支援がスタートしました。その結果、日本のガソリン価格はどうなったか見てみましょう。 

措置が始まる直前の3月16日時点では、ガソリンの全国平均小売価格は1リットルあたり190.8円でしたが、6月1日時点では169.5円と、当初の目標である170円程度に抑えられています。軽油、灯油もそれぞれ159円程度、140円程度の水準に低下しています。

ガソリン・軽油・灯油の全国平均価格推移
日本のガソリン・軽油・灯油の全国平均価格推移のグラフ

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欧米などと比較しても、日本のガソリン価格は低く抑えられています。5月25日時点の他国の一般的なガソリン価格を日本円に換算すると、ドイツは380.0円、フランスは395.7円、英国は346.2円、韓国は220.0円、米国は189.6円。日本のガソリン価格は、ドイツ、フランス、英国など欧州の半額以下、また韓国や世界有数の産油国である米国よりも安い水準に抑制できている状況です。

日米欧ガソリン価格比較 (5月25日時点)
日米欧のガソリン価格を比較したグラフ

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具体的にどのような措置を講じているの?

今回の緊急的激変緩和措置は、ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料を対象としたものです。ガソリンについては、全国平均小売価格が170円程度を超える見込みとなった場合には、170円を超える部分について補助金を支給して価格を引き下げます。 軽油、重油、灯油はガソリンと同額の補助を行い、航空機燃料についてはガソリンの4割相当の補助を行います。

原油価格の変動に対応するため、補助金の支給額は基本的に週単位で設定されます。たとえば2026年6月1日を含む1週間(5月28日~6月3日)では、ガソリン、軽油、重油、灯油の補助金の支給額は1リットルあたり37.2円、航空機燃料は14.8円でした。

補助金は、燃料油の元売り事業者(石油精製事業者、石油輸入業者)に卸価格を抑制するための原資として支給されます。これを受けて、元売り事業者は販売事業者(ガソリンスタンド、ホームセンターなど)への卸価格を引き下げ、その結果、小売価格が抑制されるというしくみです。

同時期に国家備蓄原油の放出もスタート

緊急的激変緩和措置が始まった3月、政府は「石油の備蓄の確保等に関する法律(石油備蓄法)」に基づいて、「国家備蓄原油」を放出することを決めました。国家備蓄とは、石油備蓄法にさだめられた、国として石油を備蓄する事業のこと。2026年1月末時点では、約8カ月分(7,289万キロリットル)の石油が備蓄されており、そのうち1カ月分(約850万キロリットル)を3月26日以降に順次放出しています。さらに5月1日からは、新たに約20日分の放出を始めています。

また、民間備蓄についても3月に備蓄義務が15日分引き下げられ(従来の義務は70日分)、備蓄されていた原油や製品の活用も開始されています。

政府として、日本全体で必要となる量を確保していくとともに、緊急的激変緩和措置で燃料油の高騰を抑え、国民の皆様の命と暮らし、経済活動に支障が生じないように取り組んでいくこととしています。

中東情勢は、いまだに予断を許さない状況が続いています。今後も中東情勢の動向やそれを受けた原油価格の水準も見極めながら、事態が長期化した場合には支援の在り方を柔軟に検討していきます。

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2026/5/25に公開した記事の一部を2026年6月8日付けのデータに更新しました。(2026/6/10)

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