柏崎刈羽原発6号機が再稼働―運転再開の重要性とその背景(後編)
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(出典)東京電力HP
2026年4月16日、東京電力・柏崎刈羽原子力発電所(柏崎刈羽原発)6号機が営業運転を開始しました。福島第一原子力発電所(福島第一原発)の事故後、安全性確認などの問題から停止が続いていた14年間に、国や東京電力は、関係自治体・機関などとともに、原子力災害対策の充実・強化や情報発信などを進めてきました。その取り組み内容をご紹介した前編柏崎刈羽原子力発電所6号機が再稼働―運転再開への道のり(前編)に続き、後編では、再稼働の意義やその背景などについて説明します。
エネルギーは私たちの生活や経済を支えるために欠かせないものですが、日本のエネルギーをめぐる状況はとても厳しく、その構造も万全ではありません。国土を山と深い海に囲まれ、すぐに使える資源にも乏しいため、エネルギー自給率は16.3%(2024年度)にとどまります。これはOECD加盟国の中でも2番目に低い水準です(2023年度)。
日本のエネルギー自給率
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(出典)IEA「World Energy Balances 2025」の2023年推計値、日本のみ資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」の2023年度確報値 ※表内の順位はOECD38カ国中の順位
エネルギー自給率が低いということは、国民生活や経済活動に必要な一次エネルギーの多くを海外に依存しているということを意味します。そのため、国際情勢の影響を受けやすく、エネルギーの安定供給に対するリスクが大きくなります。たとえば、2022年のロシアによるウクライナ侵略の後は、世界の国々がロシアから輸入していた化石燃料をほかの国から輸入することになりました。このため、資源価格が高騰し、LNG(液化天然ガス)のアジア価格(JKM)は2019年と比較すると2022年は平均で約6倍以上になりました。 燃料価格の上昇は、電気料金の高騰にも影響します。日本の発電電力量は、火力発電への依存度が68%(2024年度)と高く、火力発電は輸入した化石燃料を使用するためです。
電気料金とLNG輸入価格の推移
(出典)発受電月報、各電力会社決算資料、貿易統計(財務省)などを基に作成(令和7年7月15日時点) ※電気料金は消費税を含んでいない ※2022、23、24年度は、電気料金支援の効果も含まれている
また、日本は自動車や半導体などの高付加価値製品を輸出して外貨を稼いでいますが、国産エネルギーに乏しいことから、鉱物性燃料の輸入で海外から稼いだ国富の大半が海外に流出しているのです。 こうした状況を考えると、今後は、火力発電への高い依存といった課題を克服し、化石燃料の輸入を抑えていくことが必要になります。 さらに、現在、データセンターや半導体工場といった大量の電力を必要とする施設が増えており、今後も電力需要が増えると見込まれています。これは日本だけでなく、世界的な傾向です。電力需要の増加に対応しながら、安定供給と脱炭素を両立するためには、特定の電源や燃料に依存しないようバランスの取れた電源構成を目指すことに加え、再生可能エネルギー(再エネ)や原子力発電といった、エネルギー安全保障にも寄与する脱炭素電源をともに最大限活用する必要があります。特に、発電容量が大きく、脱炭素効果の高い原発の再稼働はきわめて重要です。
日本の需要電力量の見通し
(出典)電力広域的運営推進機関 2026年度 全国及び供給区域ごとの需要想定などを基に資源エネルギー庁作成
東北電力ネットワーク管内と東京電力パワーグリッド管内からなる東日本エリアは、電力供給の約8割を、火力発電に依存しています。全国的にみると火力発電への依存度は約7割ほどですので、東日本はそれを上回る水準となります。
東京・東北エリアの電源構成
(出典)電力広域的運営推進機関「2025年度供給計画の取りまとめ」エリア別発電電力量(送電端)を基に資源エネルギー庁作成
このうち、約9割の火力発電所が東京湾岸や太平洋沿岸に集中しており、自然災害に対して脆弱な構造にあります。 実際、2022年3月には福島県沖地震により約650万㎾の火力発電所が被害を受けた後、真冬並みの寒さによって電力の需要が急増し、初めて需給ひっ迫警報が発令されました。また2025年8月には、一部発電所の計画外停止(故障やトラブルの発生などで、発電所が予期せず運転を停止すること)により、需給ひっ迫の恐れが生じたため、一時的に電力需給が厳しい状況となりました。
東京湾岸・太平洋沿岸の火力発電所の立地
(出典)電力広域的運営推進機関提供資料を基に資源エネルギー庁作成
こうした状況は、またいつ起こるかわかりません。東京湾岸や太平洋沿岸の大きな火力発電所が地震などの自然災害で停止したり、東日本で異常な暑さや寒さなどにより電力需要が急増したりした場合、必要な対策を実施しても状況が改善できないときは、大規模な停電を防ぐために、節電要請などをお願いすることで国民の皆様にご負担をおかけする可能性もあります。こうした状況が起こらないよう、日本国内で電力が融通されていますが、大規模で安定的な電源が日本海沿岸にもあるということは、災害時のリスクを分散させる点でも大きな意義があります。 また、原発の再稼働は、燃料費削減、電気料金抑制に大きな効果があります。東日本大震災後、複数の原発の再稼働が進んだ西日本に比べ、東日本ではエリアによって電気料金が2〜3割高い傾向にあります。東日本でも再稼働が進めば、電気料金の高騰を抑えることができ、それによって国民の負担が軽減されると同時に、国内の産業競争力を高めることにつながります。
エリア別の電気料金(2024年度)
(出典)電力取引報、2025年度供給計画の取りまとめ(電力広域的運営推進機関)を基に資源エネルギー庁作成
そうした観点からも、柏崎刈羽原発の再稼働は非常に重要です。
2025年2月、日本のエネルギー政策の方向性を示す「第7次エネルギー基本計画」が策定されました。このなかでも、「東日本の電力供給構造の脆弱性、電気料金の東西の格差などの観点から、柏崎刈羽原子力発電所の再稼働への理解が進むよう原子力関係閣僚会議で示された方針に従って政府を挙げて対応を進める」と明記されています。柏崎刈羽原発の再稼働は、日本のエネルギー政策の中で重要と位置づけられ、それに向けて政府もひとつひとつ取り組みを重ねてきました。
現在も、中東情勢の不安定化などによって、エネルギーをとりまく状況はますます厳しくなっています。このような状況下で安定供給と脱炭素の両立を実現していくためには、再エネとともに、原子力についても、地域の御理解を得ながら安全性の確保を大前提に最大限活用していく必要があります。 今後も、地域をはじめとする国民の不安や意見を受け止めながら、原子力防災の充実・強化や、説明・情報発信の強化などの取り組みをしっかりと進めていきます。
電力・ガス事業部 原子力政策課 電力・ガス事業部 原子力立地政策室・原子力広報室
長官官房 総務課 調査広報室
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