ガソリンの暫定税率(当分の間税率)の廃止でガソリン代はどうなるの?よくいただく質問に、資源エネルギー庁がお答えします!
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ガソリンと軽油にかかる税金のひとつである「当分の間税率(以下、「暫定税率」とします)」が、廃止されます。ガソリンと軽油の価格がいつから下がるのか、どのようにおこなわれるのか、Q&A方式でご紹介します。
A. ガソリンの揮発油税・軽油引取税に含まれる税金の一部です。ガソリンにはさまざまな税金が課されています。暫定税率は、1974年に道路整備を進めるための財源として導入されたのが始まりです。ガソリンの販売時に課される揮発油税など(「揮発油税」および「地方揮発油税」のことを指します)に含まれるもので、1リットル当たり25.1円です。軽油の場合は、「軽油引取税」に含まれ、1リットル当たり17.1円です。ガソリンの暫定税率は2025年(令和7年)12月31日、軽油の暫定税率は2026年(令和8年)4月1日に廃止される方向で検討されています。
A. 暫定税率の廃止当日に、ガソリンの価格が25.1円下がるわけではありません。2025年5月から、資源エネルギー庁では、ガソリンなどの燃料油価格について、定額を補助する支援を実施しています。この補助金を、2025年11月中旬から段階的に拡充していきます。これによって、ガソリンは12月中旬頃から、軽油は11月下旬頃から、順次、暫定税率を廃止するのと同じ水準の価格引き下げ効果が実現される見込みです。ガソリンの暫定税率が廃止された時点で揮発油税などの税率は引き下げられますが、上記のような補助金による効果によって、暫定税率と同水準の価格引き下げがすでに実現されていることとなります。そのため、暫定税率の廃止当日になってガソリンの価格が一気に大きく下がるわけではありません。
A. 急激な価格変動による買い控えなどの流通の混乱を抑制するためです。ガソリン価格が一気に大きく下がると買い控えが起こったり、その反動で急に需要が増えたりするなどして、流通の現場に混乱をまねいてしまうことがあります。給油待ちの渋滞や行列がおこってしまったり、ガソリンスタンドが一時的な在庫切れになったりすれば、ガソリンを必要とする人がかえって不便なことになりかねません。そこで、流通の混乱を抑制するため、ガソリン・軽油に対する補助金を段階的に増やしていくことで、価格が少しずつ下がるようにしていきます。
価格の変動でガソリンスタンドの在庫切れが起こった例は過去にも(写真は2008年の暫定税率失効時)
A. 1回当たりの変動幅を最大5円程度に抑えながら、補助金の支給単価を引き上げていきます。2025年11月13日から2週間ごとに5円ずつ補助金を拡充します。最終的には、暫定税率による上乗せ分と同じ水準にまで補助金を引き上げます。具体的には、ガソリンについては11月13日に現行の補助金10円に5円が増額され、15円の補助金が支給されます。11月27日には20円の補助金が支給され、12月11日には、ガソリンの補助金は暫定税率による上乗せ分と同水準の25.1円になります。
2025年11月以降のガソリン小売価格のイメージ
軽油についても、11月13日に、現行の補助金10円に5円が増額されて15円の補助金が支給されます。11月27日には、軽油の補助金は暫定税率による上乗せ分と同水準の17.1円となります。
2025年11月以降の補助金の拡充額
※その他の油種については、従前どおり(重油・灯油:5円/L、航空機燃料:4円/L)
A. 補助金の効果は11月中旬以降、しだいに小売価格に反映されていきます。各ガソリンスタンドには、補助金が増える前のガソリンの在庫があるため、補助金の効果が小売価格に反映されるには、一定の時間がかかると考えられます。このため、ガソリンの価格は、暫定税率廃止に向けて、順次値下がりしていくことになります。なお、ガソリンの価格は原油価格や為替の動向などの影響も受けるため、必ずしも補助金価格がそのまま店頭価格に反映されるわけではありません。ガソリンの全国平均小売価格がどれくらいになっているかについては、資源エネルギー庁が毎週調査をおこない、その結果を公表しています。最新の情報は、以下のリンクから確認できます。
A. 暫定税率廃止まで待たずに、「もしも」の事態に備えて普段通りの給油を心がけましょう。ガソリン価格の引き下げを見込んで、それまで給油を控えておこう、と考える人もいるかもしれません。ですが、災害はいつ起こるかわかりません。東日本大震災、熊本地震、北海道胆振東部地震、さらに2024年1月の能登半島地震などでは、災害発生直後に、ガソリンスタンドでガソリンや灯油などを買い求める「パニック・バイ(恐怖や不安によって衝動的な買いだめに走る行動)」がたびたび起こりました。いざというときに備えて、普段から、満タンを心がけましょう。
災害などで急激にニーズが高まると、給油待ちの行列をつくってしまうことも(写真は2024年の能登半島地震)
ちなみに、ガソリン車を満タンにしておくと、55リットルの車であれば約2日間、車内で過ごせるというデータもあります(車種や条件により異なります)。車の燃料メーターが半分程度になったら満タンにするなど、災害発生時の安心のためにも普段から備えることが重要です。ガソリンの価格は、暫定税率廃止に向けて、順次値下がりしていきます。いつものペースで、普段通りの給油を心がけましょう。
資源・燃料部 燃料流通政策室
長官官房 総務課 調査広報室
※掲載内容は公開日時点のものであり、時間経過などにともなって状況が異なっている場合もございます。あらかじめご了承ください。
2025年5月22日より、新たな燃料油価格支援策をおこなうことが決まりました。今回の支援策について、Q&A方式でご紹介します。