屋根スペースを再エネに活かす!「屋根設置太陽光発電」の新たな報告制度とは
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2050年カーボンニュートラルの実現に向けて非化石エネルギーへの転換を進めるにあたり、既存のインフラを活かす方法として、屋根に設置する太陽光発電が注目されています。そうした中、「省エネ・非化石転換法」に基づき、一定規模以上のエネルギーを使用する事業者に対して、2027年度から、屋根への太陽光発電設備の設置余地に関する「報告」が新たに義務となります。この記事では、制度の背景からポイントまでをわかりやすくお伝えします。
2025年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2050年カーボンニュートラルに向けて、エネルギーの安定供給と脱炭素を両立する観点から、再生可能エネルギーを主力電源として最大限導入するとともに、特定の電源や燃料源に過度に依存しないようバランスのとれた電源構成を目指す方針を示しています。 再生可能エネルギーの使用拡大に向けて、事業者にとって比較的導入しやすい手段が太陽光発電です。実際に、2023年度に提出された中長期計画書のうち、3割超の事業者が、非化石転換に向けた取り組みとして「太陽光発電の導入」を計画していました。 また、近年、大規模な太陽光発電(メガソーラー)に対して、自然環境、安全、景観などの面から懸念の声が上がり、2025年12月に、政府は「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」(PDF形式)を決定しました。一方で、建物の屋根に設置する太陽光発電は、このような懸念を比較的抑えられます。既存の建物の屋根を活用するため新たな土地は不要で、環境・景観への影響も比較的小さいため、地域共生がしやすく、事業者にとって導入しやすい再生可能エネルギーとして注目されています。 以上を踏まえ、事業者が自らの屋根設置太陽光発電の導入ポテンシャルを把握し、検討のきっかけを得ることで、その導入を後押しする制度を開始しました。具体的には、多くのエネルギーを使用する事業者に提出義務がある中長期計画書及び定期報告書※に、屋根設置太陽光発電に特化した項目を新設しました。 ※「省エネ・非化石転換法」では、年度のエネルギー使用量が原油換算1,500キロリットル以上の「特定事業者」を対象に、省エネ・非化石転換目標やその達成に向けた計画を記した「中長期計画書」と、毎年度のエネルギーの使用状況などを記した「定期報告書」の提出が、義務付けられています。特定事業者には、企業だけでなく規模によっては地方公共団体や学校、病院等も含まれます。
中長期計画書では、エネルギーの使用の合理化に関する計画や非化石エネルギーへの転換に関する目標・計画を作成する必要があります。また、定期報告書では、毎年度のエネルギー使用量やエネルギー効率(エネルギー消費原単位)等が報告対象です。いずれも、毎年7月までに提出する必要があります。 今回の改正で変わるのは、大きく2点です。第一に、2026年度以降に提出される「中長期計画書」に、屋根設置太陽光発電の設置に関する定性的な目標の記載を追加しました。第二に、2027年度以降に提出される「定期報告書」に、屋根設置太陽光発電を設置できる屋根の面積(※)や、すでに設置済みの面積などの記載を追加しました。 ※ 設置権限がない屋根や他の法令で設置が禁じられている場所、避難場所などすでに別の用途で使われており、使用用途を変更しなければ太陽光発電を設置できない場所は、含みません。現実的に活用できる屋根面積だけを対象としています。
新制度で新たに求められること
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省エネ・非化石転換法に基づく中長期計画及び定期報告の概要
「屋根への太陽光パネルの設置を検討したいものの、建物が古くて重いパネルを載せられない」——そんな声も聞かれます。現在普及している「シリコン太陽電池」と呼ばれる太陽電池は、耐久性に優れ、変換効率(照射された太陽光のエネルギーを電力に変換できる割合)も高いものの、耐久性を持たせるためのガラスの重量があるため、設置場所が限られるという課題があります。積載荷重(屋根が支えられる重さの上限)が厳しい場所では設置を断念せざるを得ないケースもありました。 こうした課題に対して期待されているのが、次世代型の太陽電池である「ペロブスカイト太陽電池」です。「フィルム型」のペロブスカイト太陽電池は、薄くて軽く、柔軟性もあるため、積載荷重が厳しい屋根など、従来の太陽電池の設置が難しい箇所に設置できる新たな可能性があります。さまざまな国内企業も独自の製造技術を活かして開発を加速しており、注目度が高まっています(「日本の再エネ拡大の切り札、ペロブスカイト太陽電池とは?(前編)~今までの太陽電池とどう違う?」参照)。
屋根設置太陽光発電設備の導入を検討・実施しやすくするための支援制度として、「FIT/FIP制度」や、専門家が省エネ改善提案(太陽光導入余地提案含む)をおこなう「省エネ診断」も活用可能です。
※申請対象者は、中小企業基本法に定める中小企業者(年間エネルギー使用量(原油換算値)が1,500キロリットル以上の事業所の場合、みなし大企業は除く)などになります。詳細はリンク先ページをご確認ください。 屋根は、これまで活用されてこなかった「眠れる発電ポテンシャル」です。まず自社の屋根にどのくらいの余地があるかを把握するところから、再エネ活用への第一歩を始めてみましょう。
▼制度の詳細はこちら 定期報告書、中長期計画書の作成とベンチマーク制度 省エネ・非化石転換法に基づく屋根設置太陽光発電設備の設置余地の報告について(PDF形式)
省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課
長官官房 総務課 調査広報室
※掲載内容は公開日時点のものであり、時間経過などにともなって状況が異なっている場合もございます。あらかじめご了承ください。
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