エネルギーの消費量が増加する夏直前、いま知っておきたい省エネメニューと省エネ支援策
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2025—日本が抱えているエネルギー問題(前編)
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夏は冷房などの使用が増え、エネルギー消費が高まりやすい季節です。エネルギー利用の効率化は、エネルギー安定供給の確保や2050年カーボンニュートラルの実現に向けて重要な取り組みであると同時に、家庭や事業者の光熱費の削減にも繋がります。国では、企業や家庭において、国民経済や生活に支障がない範囲で取り組みをおこなってもらえるように、夏にできる省エネメニューを示し、光熱費や燃料費の具体的な削減効果も紹介しながら、呼びかけを行っています。また、事業者や家庭の省エネ設備の切り替えを促進するため、さまざまな支援策が強化され、パッケージ化されています。この記事では、家庭や企業で手軽に実践できる夏季の省エネメニューをご紹介するとともに、省エネ設備への切り替えに向けた支援策を分かりやすく解説します。
日々の暮らしや経済活動の中でも、少しの工夫で省エネを進め、光熱費や燃料費の削減につなげることができます。毎年、夏のエネルギー需要が増大する時期に呼びかけを実施している「夏季の省エネルギーの取組について」では、事業者と家庭それぞれが事業活動や生活に支障がない範囲で取り組める夏季の省エネメニューを、具体的な省エネ効果も交えながら紹介しています。たとえば、エコドライブのうち、「ふんわりアクセル(発進時に、ゆるやかに加速)」をしっかり実践すると、約10%の燃費改善効果が期待できます。1世帯あたりの年間のガソリン代は全国平均で約6万円ですので、年間6千円のガソリン代のメリットが期待できます。車の利用が多い地域では2人以上世帯の平均消費が年間10万円を超えることもあるため、こうしたケースではより大きな効果が期待できます。また、モデルケースとして試算した結果によると、ご家庭において空調を使用するときに、適切な温度に設定すると約5%、目詰まりフィルターをしっかり清掃することで約2%の省エネが期待されます。入浴は間隔を空けずに入っていただくと、給湯器のエネルギーを約6%削減することができます。1世帯当たりの電気代は年間約13万円、ガス代は年間5万円ですので、こうした省エネを、熱中症などにも気をつけていただきながら、生活等に支障がない範囲でひとつひとつ実施することで、ご家庭や事業所における光熱費の削減に繋げることができます。パンフレットやリーフレットで、詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
家庭(左)と事業者(右)の夏季の省エネメニュー
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日本では、石油危機を契機として、徹底した省エネルギーに取り組んできました。その結果、エネルギー効率は世界的にも高い水準になっています。日本の強みとなった省エネを更に加速することで、エネルギー価格の高騰や地政学リスクにも強靭なエネルギー需給構造に転換することができます。令和7年度12月に成立した補正予算では、経済対策として数千億円規模の予算が措置され、こうした予算を最大限活用しながら、事業者の省エネ設備投資や家庭の省エネ機器の導入等の加速に取り組んでいます。事業者と家庭の皆様が活用できる具体的な省エネ支援策についてご紹介します。
「省エネ・非化石転換補助金」は、工場やオフィスなどにおいて、省エネ性能の高い設備を導入する際に、その費用の一部を支援する補助金です。例えば、「省エネ設備リストから選択して省エネ設備へ更新」する場合には、最大で1億円、1/3の補助などを受けることが可能です。また、「電化や非化石転換を進めるための設備更新」の場合は、最大で3億円、1/2の補助等を受けることが可能です。「省エネ設備を組み合わせるなどして大幅な省エネを図る取組」に対しては、最大で15億円、1/2(大企業の場合は1/3)の補助などを受けることができます。工場に老朽化した設備がある場合には、省エネ性能の高い設備に更新すれば、補助金により初期費用を押さえられるとともに、光熱費の削減効果により経営力の強化にもつながります。工場やオフィスなどに老朽化した照明、空調、給湯、ボイラー、産業用モーター、冷凍冷蔵設備、工業炉、工作機械などがないか、ぜひ探してください。令和8年度の第2次公募は6月1日(月)~7月9日(木)まで実施しています。第3次公募は今後決まり次第執行団体の一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)のホームページに掲載予定です。
省エネの重要性は分かっていても、「具体的に何をすれば省エネにつながるのかが分からない」という中小企業の声も多く聞かれます。そんな中小企業が活用できる支援策が「省エネ診断」です。専門家が各社工場やオフィスを訪問して設備の管理状況を診断し、エネルギーの無駄遣いや省エネにつながるヒントを見つけ、コスト削減の提案をおこないます。加えて、省エネ診断を踏まえ、実際の設備更新や運用改善につなげる際には、専門家が省エネ改善の実施をサポートするメニュー(伴走支援)も用意しています。省エネ診断については、国が費用の9割を負担する仕組みとなっており、中小企業が比較的少ない負担で活用できる支援策です。ぜひ積極的な活用をご検討ください。
省エネ・非化石転換補助金・省エネ診断のリーフレット
次に、家庭向けの支援策をご紹介します。実は、給湯器は家庭のエネルギー消費の大きな割合(約3割)を占めており、給湯機は家庭の省エネの鍵です。そのため、「給湯省エネ2026事業」において、高効率給湯器の導入支援をおこなっています。具体的な対象は、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、ハイブリッド給湯機、家庭用燃料電池(エネファーム)の3種類です。これらの高効率給湯機を導入する場合、10万円~17万円の補助金が受けられます。また、蓄熱暖房機や電気温水器を撤去して高効率給湯器を導入する場合は、補助額の加算もあります。 さらに、既存住宅に対しては、「先進的窓リノベ2026事業」により、断熱性能の高い窓の導入(リフォーム)支援もおこなっています。住宅の熱の出入りの大半は、窓などの開口部で発生しています。より断熱性能が高い窓に切り替えることで、冷暖房を使用した際に適切に温度を保つことができ、消費エネルギーを抑えることができます。家庭向けにはほかにも、「みらいエコ住宅2026事業」において、「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)水準住宅」(「知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~新しい省エネの家「ZEH」」参照)や「長期優良住宅」の新築、特に高い省エネ性能を有する「GX志向型住宅(ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ性能を有する脱炭素志向型の住宅)」の新築や省エネ改修への支援を実施しています。エネルギー消費が増加するこの時期に、経済活動や生活に影響のない範囲で、光熱費の削減にもつながるちょっとした省エネを調べてみたり、補助金を活用して、省エネ効果の高い設備の導入を検討してみたりしませんか。更に詳細な情報は資源エネルギー庁のホームページや、支援策の執行団体のホームページに掲載しています。ぜひアクセスしてみてください。
<夏の省エネメニュー> 省エネ「夏季のパンフレット」一覧(家庭向け・事業者向け) <事業者向けの支援> 省エネ・非化石転換補助金(SII)省エネ診断 エネルギー利用最適化診断等事業(省エネルギーセンター)地域エネルギー利用最適化・省エネルギー診断拡充事業(SII) <家庭向けの支援> 給湯省エネ2026事業 賃貸集合給湯省エネ2026事業 先進的窓リノベ2026事業 みらいエコ住宅2026事業
省エネルギー・新エネルギー部 省エネルギー課
長官官房 総務課 調査広報室
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