火力発電では、1990年代後半から、石炭を燃焼させてつくる蒸気を従来よりもさらに高温・高圧にして発電する「超々臨界圧発電(USC: Ultra Super Critical)」という技術を導入しています。熱効率が43%(送電端効率HHV※:40%相当)と高いため、従来にくらべて同じ量の電気を作るための燃料の使用量が少なくて済み、その分CO2排出量も少なくて済むのが特徴です。たとえば、電源開発株式会社(J-POWER)が運営する横浜市の磯子火力発電所がそうです。ここは世界最高水準の高効率の石炭火力発電所として知られ、ばいじん、窒素酸化物(NOx)、硫黄酸化物(SOx)も大幅に処理しており、天然ガス火力発電と同じぐらいクリーンになっているのです。煙突から煙が見えないので、訪れた方は一様に驚かれます(「なぜ、日本は石炭火力発電の活用をつづけているのか?~2030年度のエネルギーミックスとCO2削減を達成するための取り組み」「国によって異なる石炭火力発電の利活用」参照)。