IEAが発行している「World Energy Outlook 2017」によると、IEAが中心的なシナリオとして位置づけている「新政策シナリオ」(実施済みの政策と、今後実施がアナウンスされている政策の影響も考慮したシナリオ)では、2040年には世界の発電電力量は2016年の1.6倍程度になると予測しています。その中で石炭火力による発電量も、伸び率は他の電源よりも低いものの、2016年の9,282TWh(1TWhは10億kWh)から2040年には10,086TWhに増加することが予想されています。特に、中国、インド、東南アジアなどで拡大していくとされています。これは、新興国では、ほかの化石燃料に比べて経済性に優れている、供給安定性に優れているといった石炭の特性から、石炭に頼らざるを得ない国がまだ多く存在すると見込まれていることによります。