三点目が、「Well-to-Wheel(燃料を採取する井戸から車輪まで) Zero Emissionにチャレンジする」としたことです。これまで、各国の目標は、「Tank-to-Wheel(自動車の燃料タンクから車輪まで)」、つまり走行時のみのCO2排出削減にとどまっていました。自動車政策でコントロールできるのは「どんな車を作るか」までで、その車を走らせる電気の電源構成まで責任を持てないのは当然です。しかし、究極の目標が「低炭素社会の実現」であるなら、先にお話ししたかけ算のもうひとつの要素である「電源の低炭素化」にも目を向けなければいけません。環境負荷が高い石炭火力発電でつくった電気を使ったEV車では、意味がないのです。