知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~「蓄電池」は次世代エネルギーシステムの鍵

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未来の新しいエネルギーのあり方を語る時、必ずといっていいほど出てくるワードがあります。それは「蓄電池」。蓄電池は、次世代のエネルギーシステムにおいて、とても重要な役割を果たすことが期待されています。今回は蓄電池について、改めておさらいしてみましょう。

蓄電池とは?

蓄電池とは、1回限りではなく、充電をおこなうことで電気をたくわえ、くり返し使用することができる電池(二次電池)のことです。スマートフォンやノートPCなどに内蔵されているバッテリーなどもその一種です。

蓄電池は、これまでご紹介してきた仮想発電所(VPP)(「これからは発電所もバーチャルになる!?」 )やネガワット取引(「エネルギーの世界のシェアリングエコノミー!? ~『ネガワット取引』」)において、重要な装置のひとつです。再生可能エネルギー(再エネ)の大量導入にあたって起こる問題への対策(「再エネの大量導入に向けて ~『系統制約』問題と対策」 )としても注目を集めています。また、話題の電気自動車(EV)にも蓄電池が搭載されています(「電気自動車(EV)は次世代のエネルギー構造を変える?!」 )。

蓄電池が果たすさまざまな役割

蓄電池は、たとえば以下のような役割を果たすことが期待されています。

あまった電気を貯めておく

出力(発電量)を天候に左右されてしまう太陽光や風力などの再エネ電源。こうした再エネ電源が需要以上に発電した時、使い切れない電気を蓄電池に貯めておき、必要な時に放電して利用します。特に住宅用の太陽光発電については、再エネで発電した電気を固定の価格で買い取るFIT(「FIT法改正で私たちの生活はどうなる?」 )の買取期間が終了すれば、これまでの電力会社への売電を中心とした使い方から、蓄電池を使って自宅で消費する使い方へと移っていくものと見られています。

電力系統の安定をはかる

太陽光や風力などの再エネは天候によって出力が大きく変動するため、現在の電力系統(発電や送電などに使う電力設備が構成するシステム全体のこと)に大量に導入された場合、電力系統に大きな負荷をかけてしまいます。そこで、たとえば、メガソーラー発電所に蓄電池を併設するなど、再エネの出力平準化に利用します。電力系統を安定させるための取り組みとしては、VPPやネガワット取引のように、家庭やオフィスの蓄電池を活用することも考えられます。

防災に役立てる

災害や電力不足などで停電が発生した場合、蓄電池に電気が貯められていれば自立的に電気をまかなうことができ、非常用電源として使うことができます。

ピークカット・ピークシフトに役立てる

みんなが一斉に電力を使う時間帯に、蓄電池に貯めておいた電気を使うようにすれば、電力の消費を抑える「ピークシフト」にも役立てられます。

次世代自動車のエネルギー源

EVやプラグインハイブリッド自動車(PHV)など、蓄電池に貯めた電気を使って走る自動車は、次世代で普及拡大が期待されています。自動車が搭載する蓄電池は、上記のような防災やピークカットのためにも活用することができます。

蓄電池の未来

今後、蓄電池の市場はますます広がっていくと予想されています。まだまだコストなどの面で課題はあるものの、蓄電池メーカーの世界的な競争が起こっている中で、技術はどんどん進歩しています。経済産業省でもVPPZEH などの補助事業において蓄電池の導入を推進しています。蓄電池が一家に一台、設置されている未来も、そう遠くないかもしれません。

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