子どもも興味津々!遊んで学ぶエネルギー体験イベント実施

イベントのイメージ写真

これからのエネルギーのあり方を皆で考えていく上で、未来をになう子どもたちにもエネルギーへの理解を深めてもらうことはとても重要です。そこで、資源エネルギー庁では、学校のエネルギー教育活動の支援などをはじめとする「エネルギー教育推進事業」 をおこなっています。この事業の一環として、子どもたちが地球温暖化問題など「持続可能な開発目標:SDGs(Sustainable Development Goals)」への理解を深めるために2024年5月に開催されたイベント「地球を笑顔にする広場」(主催:TBS、後援:港区・港区教育委員会、協力:資源エネルギー庁)に、初めてブースを出展しました。ブースでは、エネルギーの理解を深めるゲーム、落語、発電のしくみがわかる実験などを紹介し、子どもをはじめとする多くの人の興味を引きました。今回はその内容をご紹介します。

エネルギーや環境について理解を深めるイベントに出展

「地球を笑顔にする広場」はSDGsについて考えるイベントで、毎年2回、TBS本社前の広場で開催されています。2024年5月のイベントでは、資源エネルギー庁が初めてブース「遊んで学ぶ!わくわくエネルギー体験ひろば」を出展し、未来をになう子どもたちにエネルギーや環境について理解を深めてもらうプログラムを実施しました。

また、5月3日~5日の公式イベントの開催に先だって、前日の5月2日には、そのプレイベントが、地元である港区の小学生を対象におこなわれました。資源エネルギー庁からは、参加した子どもたちに、エネルギーについてのキャッチコピーを作る授業をおこないました。日本のエネルギー自給率の低さや省エネルギーの必要性など、エネルギーの現状について学び、それを周囲の人に知ってもらうためにはどのようなキャッチコピーが心に響くのかをグループごとに考えました。「日本が危ない」「1日ゲームをがまんするだけで日本の未来が明るくなる」など、さまざまなアイディアが飛び出しました。

5月3日~5日の公式イベントでは、会場内に「遊んで学ぶ!わくわくエネルギー体験ひろば」のブースを開設し、以下のプログラムを実施しました。

「電力バランスゲーム~町に電気をとどけよう~」

パソコンやスマートフォン、タブレットを使って、電力の需給調整を疑似体験できるゲームです。太陽光、風力、水力、原子力、火力など、さまざまな電源(発電方法)ごとの特徴を考えながら、発電所に指令を出し、うまく町に電気をとどけられるように調整します。

会場では、多くの人がゲームに挑戦。季節や毎日の天気の変化に応じて電力需給バランスをとることの必要性など、エネルギーへの理解を深めてもらう機会となりました。 

山野元気先生の『エネルギー落語』

太陽光、風力、水力、火力、原子力などの電源をお好み焼き店にたとえて、楽しみながら日本のエネルギーの現状を学べる落語絵本『発電お好み焼き横丁』。授業でエネルギー落語を用いて、子どもたちのエネルギーに関する理解を深める取り組みをおこなう山野元気先生の執筆した絵本です。日本にはいろいろな発電方法があり、一つではまかなうことができないこと、また発電方法にはそれぞれの特徴があり、それを生かして組み合わせること(エネルギーミックス)が必要であると分かる内容です。5月3日には、この絵本を題材にした落語が披露されました。

落語にはたくさんの人が集まり、観終わったあとで「太陽光発電は天気で左右されるね」「原子力発電は安定しているけどずっと動かし続けないといけない」など学んだことを反すうしながら、電力バランスゲームを楽しむ人の姿も見られました。

発電体験

いろいろな道具を使って実際に自分で電気を作り、発電のしくみを学べる実験コーナーを開設しました。実験コーナーには、

リストアイコン 「手回し発電機」…ハンドルを回して発電し、LED電球や白熱電球を点灯させる
リストアイコン 「非接触給電」…2つのコイルを近づけるだけで、直接つながなくても発電する(交通系ICカードなどで使われるしくみ)
リストアイコン 「手振り発電パイプ」…エナメル線と磁石の入ったパイプを思い切り振って発電し、LED豆電球を点灯させる
リストアイコン 「ペルチェ素子を用いた発電機」…熱の吸収・放出(ペルチェ効果)を活用して発電し、ソーラーモーターを回転させる
リストアイコン 「永久ゴマ」…電磁石とコマの磁力の吸引と反発の力で、コマが回り続ける
リストアイコン 乾電池と豆電球の大型模型

など、さまざまな実験道具が置かれ、実際に見て触って、エネルギーが生まれるしくみを体験してもらいました。

実験コーナーで、手回し発電機を体験する子どもたちの写真です。

手回し発電機

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実験コーナーで、非接触給電を体験する子どもたちの写真です。

非接触給電

多くの子どもたちを引きつけたこれらの実験のうち、身近な材料を使ってできる「手振り発電パイプ」について、簡単にご紹介します。

自分で作れる!手振り発電の実験道具

「手振り発電パイプ」は、エナメル線を巻いたパイプの中に磁石を入れ、パイプを手で振ると電気が生まれ、LED豆電球が点灯するものです。これは、発電所にある巨大発電機の発電のしくみの基本の原理です。

【手振り発電パイプの制作方法】
① 長さ30cmくらいの透明パイプの真ん中にエナメル線を巻き付ける。
② 巻きつけたエナメル線が崩れないよう、2個の木のツバを固定する。
③ エナメル線の両端にLED豆電球をつなぐ。
④ パイプの中に丸型磁石を入れ、両端に栓をする。

このパイプを手で持ち、パイプ内の磁石が動くようにパイプを左右に振ると、エナメル線と磁石の相互作用(電磁誘導現象)で電気が起こり、LED豆電球が点灯します。実際の水力や火力、原子力発電所の発電機にも、磁石とコイルが使われており、この道具と原理は同じです。

会場では、実際に子どもたちが手振り発電パイプを自分で動かして発電させるなど、電気の生まれるしくみを楽しみながら体感しました。実際に、「どうして磁石が動くと発電するの?」と、しくみについて興味を持つ姿も見られました。

実験コーナーの開設に当たって参考とした文献
リストアイコン 大隅紀和『未来のイノベータを育てるSTEM教育』 出版社 : PHPエディターズ・グループ 発売日 : 2023/3/23
山岡武邦・梅本仁夫・大隅紀和『 STEM教育を目指す理科-その考え方と実験事例 』 出版社 : 東洋館出版社 発売日 : 2023/4/17

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資源エネルギー庁では、子どもたちにエネルギーや環境に関心を持ってもらい、自ら考え、解決策を構想できる力をはぐくむことを期待しています。2024年8月7日(水)、8日(木)に開催する経済産業省こどもデーにおいても、「遊んで学ぶ!わくわくエネルギー体験ひろば」ブースを出展しますので、ぜひ遊びにきてください。

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経済産業省子どもデー

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