成長志向の資源循環経済システム「サーキュラーエコノミー」(後編)動きだす産官学パートナーシップ
SAFの導入拡大をめざして、官民で取り組む開発と制度づくり
なぜ、日本は石炭火力発電の活用をつづけているのか?~2030年度のエネルギーミックスとCO2削減を達成するための取り組み
成長志向の資源循環経済システム「サーキュラーエコノミー」(前編)どんな課題を解決するの?
2017年8月、私たちの暮らしに欠かせないエネルギーの未来について、さまざまな分野の識者が集まって話し合う会議が立ち上がりました。そのひとつが、8月30日に開催された2050年のエネルギーのあり方を視野に長期的なエネルギー政策を考える「エネルギー情勢懇談会」です。ユーストリームでも生中継されました。
日本は、時代の大きな流れの中で、エネルギーについても重要な選択を積み重ねてきました。
そして今日、エネルギーをめぐる情勢は、めまぐるしく変化しています。たとえば、主要な資源である石油の価格は、100ドルから50ドルに大きく下落しました。今後、再び上昇するかもしれませんが、EV化の程度なども大きく影響するでしょう。他方、これまで発電コストが高いとされてきた再生可能エネルギーは、日本の外で40円/kWhから10円/kWhに下がった国もあります。蓄電池の革新などが進めば、更なる活用が進む可能性もあるでしょう。脱原発を宣言した国がある一方、多くの国が原子力を活用しているなど、各国の対応もさまざまです。また、世界全域における地政学上の緊張関係が高まる中、リスクの動向を注視していく必要もあります。こうした情勢変化を捉え、今後それらを見極めていくことが重要になります。また、2016年11月にはパリ協定が発効しました。2050年の温室効果ガス削減について、日本を含む先進国はきわめて野心的な高い目標を共有しています。こうした目標は、従来の取り組みやその延長線上にある取り組みを実施するだけでは、実現が難しいものです。
エネルギーに関する変化は、企業の経営戦略にも、また私たちが暮らす社会のしくみにも大きな影響を与えます。エネルギーの将来像を描くにあたり、未来に向けて今どのような取り組みを進めていくべきか、あらゆる可能性を追求しつつ、長期的な戦略を考える必要があります。そこで、「エネルギー情勢懇談会」では、2050年へ向けたエネルギーを取り巻く世界の情勢をみきわめるべく、さまざまなテーマについて、海外の有識者などの話も聞きながら、議論を深めていきます。その上で、日本がいかに技術を革新し、人材に投資し、海外に貢献して世界をリードしていけるか。世界のトレンドを見極めながら、2050年にむけて、あらゆる可能性を追求していきます。
第一回の懇談会では、これからの議論の材料となるよう、エネルギーや環境に関して現時点で見えている変化の論点を資源エネルギー庁から説明し、さらに加えるべき論点、採用すべき考え方や見方などについて、委員の方々からさまざまなご意見をいただきました。主催した世耕経済産業大臣は、各国のエネルギー政策は違いが明確になってきていること、その中で日本がとるべき政策を考えるためには多面的な議論が必要だと考え、この懇談会を強い思いをもって立ち上げたことを述べました。第2回では地政学の専門家をお迎えし、その後も「再生可能エネルギーと蓄電池」「自動車産業のEV化」など、興味深いテーマを掘り下げていきますので、皆さんにも詳しくご紹介していきます。中継も実施する予定ですので、たくさんの方に視聴いただき、私たちの暮らしにつながるエネルギー政策について、一緒に考える機会にしていただければ幸いです。
長官官房 総務課 戦略企画室
長官官房 総務課 調査広報室
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