エネルギーの未来を皆で考えよう ~「エネルギー情勢懇談会」スタート

会議風景

2017年8月、私たちの暮らしに欠かせないエネルギーの未来について、さまざまな分野の識者が集まって話し合う会議が立ち上がりました。そのひとつが、8月30日に開催された2050年のエネルギーのあり方を視野に長期的なエネルギー政策を考える「エネルギー情勢懇談会」です。ユーストリームでも生中継されました。

大きく変わるエネルギー情勢

日本は、時代の大きな流れの中で、エネルギーについても重要な選択を積み重ねてきました。

リストアイコン 第1の選択:国内石炭から石油へ(60年代)
※自給率の劇的低下。
リストアイコン 第2の選択:2回の石油危機(70年代)
※価格の高騰。
リストアイコン 第3の選択:自由化と温暖化(90年~)
※京都議定書。CO2削減という課題。
リストアイコン 第4の選択:東日本大震災と1F事故(2011年~)
※最大の供給危機。安全という価値。再エネという選択肢の登場。
リストアイコン 第5の選択:パリ協定 50年目標(2030年~)
※多くの国が参加し野心的目標を共有。技術・産業・制度の構造改革。

そして今日、エネルギーをめぐる情勢は、めまぐるしく変化しています。
たとえば、主要な資源である石油の価格は、100ドルから50ドルに大きく下落しました。今後、再び上昇するかもしれませんが、EV化の程度なども大きく影響するでしょう。

他方、これまで発電コストが高いとされてきた再生可能エネルギーは、日本の外で40円/kWhから10円/kWhに下がった国もあります。蓄電池の革新などが進めば、更なる活用が進む可能性もあるでしょう。

脱原発を宣言した国がある一方、多くの国が原子力を活用しているなど、各国の対応もさまざまです。また、世界全域における地政学上の緊張関係が高まる中、リスクの動向を注視していく必要もあります。

こうした情勢変化を捉え、今後それらを見極めていくことが重要になります。

また、2016年11月にはパリ協定が発効しました。2050年の温室効果ガス削減について、日本を含む先進国はきわめて野心的な高い目標を共有しています。こうした目標は、従来の取り組みやその延長線上にある取り組みを実施するだけでは、実現が難しいものです。

エネルギーが変わると会社も暮らしも変わる

エネルギーに関する変化は、企業の経営戦略にも、また私たちが暮らす社会のしくみにも大きな影響を与えます。エネルギーの将来像を描くにあたり、未来に向けて今どのような取り組みを進めていくべきか、あらゆる可能性を追求しつつ、長期的な戦略を考える必要があります。

そこで、「エネルギー情勢懇談会」では、2050年へ向けたエネルギーを取り巻く世界の情勢をみきわめるべく、さまざまなテーマについて、海外の有識者などの話も聞きながら、議論を深めていきます。その上で、日本がいかに技術を革新し、人材に投資し、海外に貢献して世界をリードしていけるか。世界のトレンドを見極めながら、2050年にむけて、あらゆる可能性を追求していきます。

エネルギー問題をみんなで考える機会に

第一回の懇談会では、これからの議論の材料となるよう、エネルギーや環境に関して現時点で見えている変化の論点を資源エネルギー庁から説明し、さらに加えるべき論点、採用すべき考え方や見方などについて、委員の方々からさまざまなご意見をいただきました。

主催した世耕経済産業大臣は、各国のエネルギー政策は違いが明確になってきていること、その中で日本がとるべき政策を考えるためには多面的な議論が必要だと考え、この懇談会を強い思いをもって立ち上げたことを述べました。

第2回では地政学の専門家をお迎えし、その後も「再生可能エネルギーと蓄電池」「自動車産業のEV化」など、興味深いテーマを掘り下げていきますので、皆さんにも詳しくご紹介していきます。

中継も実施する予定ですので、たくさんの方に視聴いただき、私たちの暮らしにつながるエネルギー政策について、一緒に考える機会にしていただければ幸いです。

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