電力バランスゲーム~町に電気をとどけよう~ まなびのページ

電力バランスゲームは、うまくできましたか?
ここでは、電力について、もう少しくわしく勉強してみましょう。

1.電気を使う量と作る量を同じにしないといけないのはなぜ?

電気はたくわえておくことができないので、使う電気と同じ量を発電しなくてはいけません。同時にぴったり同じ量を発電することは、電気の品質(ひんしつ)をたもつためにとても大切です。

使う電気の量と、発電する電気の量のバランスがくずれると、電気を使うきかいなどに不具合がおきてしまったり、停電(ていでん)が起きてしまったりすることもあります。そうならないように、電力のバランスに気をつけているのです。

たとえば、下の図を見てみましょう。

電気はためられないので、必要な電気の量と同じ量になるように、とどける電気の量をコントロールしています(必要な分だけ、おもりをのせています)。作れる量(持っているおもりの量)以上の電気は、とどけることはできません。

「電気をとどける側」と「電気を必要とする側」のバランスを天びんであらわした図。必要な量にあわせて、送る電気を追加して電気の量をコントロールしている。
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(出典)電力需給緊急対策本部(でんりょくじゅきゅうきんきゅうたいさくほんぶ)(平成23年3月25日)の参考資料(しりょう)を元に資源エネルギー庁(しげんえねるぎーちょう)が作成

もし、必要な電気の量が、とどけられる電気の量より多くなってしまったら、予測(よそく)できない大規模停電(だいきぼていでん)を起こしてしまう可能性(かのうせい)があります。

「電気をとどける側」と「電気を必要とする側」のバランスがくずれてしまった状態(じょうたい)を天びんであらわした図。このとき、持っているおもり(送る電気)は使い切りである。
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(出典)電力需給緊急対策本部(でんりょくじゅきゅうきんきゅうたいさくほんぶ)(平成23年3月25日)の参考資料(しりょう)を元に資源エネルギー庁(しげんえねるぎーちょう)が作成

このように、電気を使う量と発電する量が同じになるように調整しなければなりませんが、電気はさまざまな方法で発電されています。

それぞれの発電方法にはとくちょうがあります。かんぺきなものはありません。ですから、それぞれのとくちょうをふまえて、上手に組み合わせて使うことが大切です。

たとえば、太陽光発電と風力発電は、時間帯や天気などによって発電量が変わるので不安定です。このため、太陽光発電などの自然エネルギーを最大限(さいだいげん)にいかすためにも、火力発電などの調整しやすい発電方法が大切になるのです。

1日に必要な電力の量をあらわした図。水力、原子力、地熱、石炭火力などは1日安定的に使用する電力。火力発電(LNG(えき化天然ガス)・石油など)は、時間帯や天気によって変わる太陽光発電の発電量をおぎなうように、おさえたり、ふやしたりしている。
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それでは、じっさいの電力の調整は、どこでおこなっているのでしょうか?

それは、主に電力会社の中央給電指令所(ちゅうおうきゅうでんしれいじょ)を中心におこなわれています。24時間365日、電気を使う量と発電する量のバランスを調整しているのです。


東京電力パワーグリッドの中央給電指令所(ちゅうおうきゅうでんしれいじょ)


関西電力の中央給電指令所(ちゅうおうきゅうでんしれいじょ)

2.発電方法について

(1)再生可能(さいせいかのう)エネルギー

太陽光や風力などの自然をいかすため、何度も使うことができるエネルギーです。発電のときに二酸化炭素(にさんかたんそ)を出さず、また、国内で生産できるので安心です。

以下のように、さまざまな種類があり、重要なエネルギーとして期待されています。

① 太陽光発電

太陽の光エネルギーを太陽光パネルで電気に変えるしくみ

特長 さまざまな場所をいかして設置(せっち)しやすい。災害(さいがい)のときなど非常時(ひじょうじ)にも使いやすい。発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)を出さない。
課題 夜は発電できず、天気によって発電出力が左右されてしまう。今はまだ、外国とくらべてコストが高い。


Fujisawa(フジサワ)サスティナブル・スマートタウン(Fujisawa SST)(神奈川県藤沢(ふじさわ)市)


セブン-イレブン相模原(さがみはら)橋本台1丁目
(神奈川県相模原市)

② 風力発電

風のエネルギーを電気に変えるしくみ

特長 陸の上だけでなく海の上でも発電ができる。夜も発電できる。大規模(だいきぼ)に発電できれば、コストが低くなる。発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)をださない。
課題 風のじょうきょうで発電出力が左右されてしまう(注意:風が弱すぎても強すぎても出力できない)。風が強い場所はかぎられていて、送電線もせいびする必要がある。今はまだ外国とくらべてコストが高い。


新青山高原風力発電所(三重県)


ウィンド・パワーかみす洋上風力発電所(茨城県)

風力発電のしくみをあらわした図。①ブレード(羽根)で風を受け回転する。→②発電機(はつでんき)で電気をつくる。
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③ 水力発電

水力発電は、水が高いところから落ちる力を電気に変えるしくみ
ダム式、水路式、揚水式(ようすいしき)などがある。

特長 一定量の電力を安定して発電できる。長期間動かせる。発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)をださない。
課題 新しく開発できる場所はかぎられていて、開発されていない場所は奥地(おくち)で規模(きぼ)も小さい。
A.ダム式

川にダムを作って水をため、そこでできる落差を利用して発電するしくみ


井川(いかわ)発電所(静岡県)

ダム式のしくみをあらわした図。①ダムで水を水車に送る→②水で水車が回る→③発電機(はつでんき)を動かして電気をつくる。
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B.水路式

川や湖から水をとり入れ、水路で適当(てきとう)な落差が得られるところまで水を流してもってきて発電するしくみ


小鷹(こたか)水力発電所(鹿児島県)

水路式(流れこみ式)のしくみをあらわした図。せき止めた河川(かせん)の上流の水が水路をとおり、下にある発電所で放水路へ流れ落ちる力を利用して発電する。

C.揚水式(ようすいしき)

上下2つの池を使って落差を作り、発電するしくみ
電気があまり使われないとき(おもに夜間)に下の池から電気を使って上の池へ水をくみ上げ、電気がたくさん使われるとき(おもに昼間)に上の池から下の池へ水を流して発電する。つまり、上の池にエネルギーをためて、必要なときに電気を作れる「大きな電池」のようなしくみになっている。

大河内(おおかわち)発電所の航空写真。(上部ダム)太田ダムと、(下部ダム)長谷ダムの間には、地下280mにつくられた地下発電所がある。地上に出ている開閉所(かいへいじょ)は送電線への中けい地点。
大河内(おおかわち)発電所(兵庫県)

揚水(ようすい)式のしくみをあらわした図。
上池(上部調整池)と下池(下部調整池)のあいだを地下の水路でつないで、水路のとちゅうに地下発電所がある。下池から上池へ水をくみ上げることを揚水といい、充電(じゅうでん)をおこなう。また、上池から放電することで発電がおこなわれる。地下発電所には、ポンプ水車と発電電動機(でんどうき)がある。
(注意)充放電(じゅうほうでん)1サイクルでやく30%の電気エネルギーをロス。
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④ 地熱発電

地下にたくわえられた地熱エネルギーを蒸気(じょうき)や熱水などでとり出して発電するしくみ
日本は火山帯に位置するので、大きな可能性(かのうせい)がある。

特長 発電に使った高温の蒸気(じょうき)や、熱水を農業用ハウスや地域(ちいき)の暖房(だんぼう)、温泉(おんせん)、魚の養殖(ようしょく)などに再利用できる。
天気に左右されずに昼も夜も発電できる。無くなる心配がない。発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)を出さない。
課題 地熱エネルギーは地下にあるため調査(ちょうさ)にお金と時間がかかる。地熱発電ができる場所は公園や温泉(おんせん)なども多く、関係者との調整が必要。


八丁原(はっちょうばる)地熱発電所(大分県)

フラッシュ方式
地熱発電(フラッシュ方式)のしくみをあらわした図。
地中深くにはマグマだまりがあり、その上に地熱貯留層(ちょりゅうそう)がある。
①地中の地熱貯留層から熱水(ねっすい)・蒸気(じょうき)を取り出す。→
②気水分離器(きすいぶんりき)で蒸気が取り出され、蒸気の力でタービン(羽根車)が回る(熱水は地中にもどす)。→
③タービンにつながれている発電機(はつでんき)を動かして電気をつくる。→
④タービンの下にたまった温水は復水器(ふくすいき)から、冷却塔(れいきゃくとう)へ送られ空気を取りこんで蒸気を外ににがす。冷却塔で冷やされた水は、ふたたび復水器の冷却水として利用される。
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菅原(すがわら)バイナリー発電所(大分県)

バイナリー方式
地熱発電(バイナリー方式)のしくみをあらわした図。
生産井(せいさんい)を使って地中深くの地熱貯留層(ちょりゅうそう)より地熱流体(りゅうたい)を取り出す。
この地熱流体を、蒸発器(じょうはつき)によって媒体(ばいたい)を気体にする。
この媒体(気体)はタービンを回して電気をつくり、発電機(はつでんき)→変圧器(へんあつき)を経由(けいゆ)して送電線をとおり家庭や工場へおくられる。
発電後の媒体(気体)は、空気を取り込む凝縮器(ぎょうしゅくき)によって媒体(えき体)にもどされ、蒸発器にみちびかれる。そして、ふたたび発電に利用されたり、還元井(かんげんい)にみちびかれ地中深くへもどされる。
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⑤ バイオマス発電

木材や、家畜(かちく)のふん尿(にょう)から発生するガスなど、さまざまな生物資源(せいぶつしげん/バイオマス)をエネルギー源(げん)として発電するしくみ

特長 生物資源(せいぶつしげん)の有効活用(ゆうこうかつよう)で、環境(かんきょう)にやさしい。農村などの自然の循環(じゅんかん)をいかせる。
課題 資源(しげん)が広い地域(ちいき)にちらばっているので、集めたり運んだりするのが大変。


グリーン発電大分(大分県)


くずまき高原牧場
畜(ちく)ふんバイオマスシステム(岩手県)

バイオマスエネルギーの種類。
木質燃料(もくしつねんりょう):木くず、いらなくなった木材(もくざい)など。
バイオ燃料(バイオエタノール):トウモロコシ、サトウキビなど。
バイオガス:生ごみ、家ちくのふんにょうなど。
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(2)原子力発電

ウランという燃料(ねんりょう)から出る熱を電気に変えるしくみ

特長 少ない燃料(ねんりょう)でたくさん発電できる。24時間安定した発電ができる(発電量の調節がむずかしい)。発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)を出さない。
課題 放射性物質(ほうしゃせいぶっしつ)をとりあつかうため、きびしい安全管理が必要。放射線(ほうしゃせん)を出すゴミが発生する。


川内(せんだい)原子力発電所(鹿児島県)


伊方(いかた)発電所(愛媛県)

原子力発電のしくみをあらわした図。
【沸騰水型原子炉(ふっとうすいがたげんしろ)】
①燃料集合体(ねんりょうしゅうごうたい/ペレットとよぶ原子力発電で使うウランを焼き固めた燃料をつめた燃料棒(ぼう)をたばねたもののこと)で、ウランが次々(つぎつぎ)に核分裂(かくぶんれつ)して熱を出す(原子炉の底には、核分裂をコントロールする制御棒(せいぎょぼう)がある)。
②原子炉のなかで、核分裂により出る高温の熱で水が蒸気(じょうき)に変わる。
③蒸気の力でタービン(羽根車)が回る。
④タービンにつながった発電機(はつでんき)を動かして電気をつくる。
⑤蒸気を海水で冷やして水にもどす。水は、原子炉のなかへもどされる。
【加圧水型原子炉(かあつすいがたげんしろ)】
原子炉のなかの水を高温・高圧(あつ)の状態にして、加圧器(かあつき)によって蒸気発生器に送り、蒸気発生器で別の場所からの水を高温水によって沸騰させ蒸気を作り、それをタービンに送って発電する。
高温水は、そのあと冷却材(れいきゃくざい)ポンプをとおり、原子炉のなかへもどされる。
沸騰水型原子炉とのちがいは、原子炉で発生した高温高圧の高温水を蒸気発生器に送り、そこで作られる蒸気をタービンに送り発電する点や、構造上(こうぞうじょう)制御棒が上にある点があげられる。
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(3)火力発電

天然ガス、石炭、石油などの化石燃料(かせきねんりょう)をもやした熱を電気に変えるしくみ

特長 発電に使う燃料(ねんりょう)をとりあつかいやすい。発電量の調節がしやすい。
課題 発電するときに二酸化炭素(にさんかたんそ)を出す(燃料(ねんりょう)によって量にちがいがある)。


磯子(いそご)火力発電所(神奈川県)

火力発電のしくみをあらわした図。
①天然(てんねん)ガス、石炭、石油などの燃料(ねんりょう)をボイラーでもやす。
②ボイラーの熱で、ボイラーのなかを通っている水が蒸気(じょうき)に変わる。
③蒸気の力でタービン(羽根車)が回る。
④発電機(はつでんき)を動かして電気を作る。
⑤蒸気を海水で冷やして水にもどす。
<火力発電は、ボイラーで燃料をもやすために空気をつかい、もやすことで二酸化炭素(にさんかたんそ)などのガスを出す>
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3.資源エネルギー庁(しげんえねるぎーちょう)ホームページの「スペシャルコンテンツ」

資源エネルギー庁(しげんえねるぎーちょう)のホームページでは、エネルギーに関するさまざまな情報(じょうほう)をわかりやすい記事にして発信しています。

ぜひ、参考にしてみてください。

(1)電力のバランスについて

(2)発電方法について

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