第1節 エネルギーに関する国民各層の理解の増進

エネルギーに関する国民各層の理解を増進するためには、国民のエネルギーに対する意見や考えの把握や、誰もが関心度合いや背景知識の多寡によらず、十分に理解し、エネルギーに関する情報に接することができるようにするための広報・情報提供を、あらゆる機会を通じて継続的に行っていくことが重要です。また、日本の将来を担うこどもたちが、エネルギーに関する関心を醸成し、国民理解を深めるには、学校教育の現場でエネルギーに関する基礎的な知識を学習する機会を設けることも重要です。こうした観点から、2024年度は下記の取組を行いました。

また、第三者が独自の視点に基づいて情報を整理でき、その結果、国民に対してエネルギーに関する情報が様々な形で提供されるよう、エネルギーに関連する統計情報等を容易に入手できるポータルサイトの運用も行っています。

<具体的な主要施策>

1.エネルギー政策全般に係る広報

(1)エネルギー政策に係る広報媒体の作成・配布

日本のエネルギーの現状について、写真や図表を用いながらわかりやすく紹介したパンフレット「日本のエネルギー」の最新版を作成し、資源エネルギー庁のホームページで掲載1するほか、地方自治体や産業界、公共施設等に配布しました(第2111-1-1、第2111-1-2)。

【第2111-1-1】「日本のエネルギー」の表紙

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【第2111-1-1】「日本のエネルギー」の表紙(pptx形式:786KB)

資料:
経済産業省作成

【第2111-1-2】「日本のエネルギー」 二次元コード

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【第2111-1-2】「日本のエネルギー」 二次元コード(pptx形式:45KB)

(2)エネルギーに関する話題をわかりやすく解説する記事の配信

【2024年度当初:19億円の内数】

国民が自らの関心に基づいて、適切に整理された情報を選択し、活用できるよう、エネルギーに関する基礎用語、国内外の最新のエネルギーの動向や、トピックなど、幅広いテーマに関する解説記事を、資源エネルギー庁のホームページ上の情報サイト「エネこれ2」に掲載し、エネルギー政策に関する様々な情報をできる限りわかりやすく提供することに努めています。2024年度は、「脱炭素」や「カーボンニュートラル」、「サステナビリティ」等、多くの方が興味・関心を有すると考えられるテーマにフォーカスを当てた記事を計35本配信し、月間50万件程度、閲覧いただきました(第2111-1-3)。

【第2111-1-3】「エネこれ」トップページ 二次元コード

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【第2111-1-3】「エネこれ」トップページ 二次元コード(pptx形式:81KB)

(3)エネルギーのことをわかりやすく学べる情報サイト「エネこれ」の運用やインターネット等を用いた広報活動

【2024年度当初:12億円の内数】

前述の「エネこれ」において、日本のエネルギー政策の基本的な考え方である「S+3E」をはじめ、エネルギーに関する知識や関心がなくても、エネルギーのことをわかりやすく学べるコンテンツを提供しています3。年齢や性別を問わず多くの方々に「エネこれ」をご覧いただく目的で、「S+3E」等について紹介した動画4を「エネこれ」及びMETIチャンネルで公開するなど、インターネットを用いた広報活動を実施しています(第2111-1-4)。

【第2111-1-4】「エネこれ」動画 二次元コード

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【第2111-1-4】「エネこれ」動画 二次元コード(pptx形式:94KB)

2.エネルギー教育の推進

エネルギー教育普及事業

【2024年度当初:19億円の内数】

(1)エネルギー教育に係る情報の提供

次世代層がエネルギーについて楽しく学べる「電力バランスゲーム」や、小学生用・中学生用(教員用解説編を含む。)の副教材等のコンテンツをまとめたポータルサイト「SDGsエネルギー学習推進ベースキャンプ5」を運営しました(第2111-2-1)。また、副教材等については、希望者に対して印刷物を送付しました。

【第2111-2-1】ポータルサイト「SDGsエネルギー学習推進ベースキャンプ」 二次元コード

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【第2111-2-1】ポータルサイト「SDGsエネルギー学習推進ベースキャンプ」 二次元コード(pptx形式:48KB)

(2)教職員向けエネルギー教育オンラインセミナーの実施

エネルギーをテーマにした授業や児童・生徒の探究学習を進めていく上で役に立てていただくべく、全国の教職員向けにオンラインセミナーを開催しました。全3回開催し、延べ348人に参加いただきました。

(3)小学生かべ新聞コンテストの実施

小学生のエネルギー問題に対する関心と当事者意識を喚起するとともに、学校や家庭、地域における実践行動を促すことを目的に、「かべ新聞コンテスト」を実施しました。2024年度は、248作品421人から応募があり、審査を経て、最優秀賞(経済産業大臣賞)、優秀賞等を決定しました。

(4)政策提案型パブリック・ディベート全国大会の実施

中学生と高校生が、エネルギーに関する様々なコンテンツや授業等を通じて得た知識・体験を整理してアウトプットできる機会を設けつつ、日本のエネルギーの未来について考える契機を創出するため、「エネルギー政策~エネルギー安定供給と脱炭素社会の実現の両立~」をテーマに、「政策提案型パブリック・ディベート全国大会」を実施しました。2024年度は、中学校16校37チーム、高等学校23校47チームから応募があり、審査を経て、それぞれ16チームがトーナメント戦に出場し、優勝チーム等を決定しました。