
事例集
《 令和6年度
再エネ種別:太陽 》


陸前高田市の地域課題は、市街地における津波被災跡地の利活用であり、中心市街地の海側低地部の未利用地において営農”強化”型太陽光発電を活用した果樹栽培振興を図ることで、営農不適地を緑に変える土地利活用のモデルを提示した。従来の営農型太陽光発電は、太陽光を農業と発電でシェアし、営農への負の影響を最小化(導入前の8割以上の単収確保)しながら、売電収益を得るもの。
営農”強化”型太陽光発電(陸前高田モデル)は、発電設備を果樹栽培に最適化し、パネルが果実の雨よけとして、架台が棚として機能するなど設備自体も農業とシェアすることで、営農設備投資の抑制や省力化により、コスト低減を実現するもの。この方法は農家が発電設備の投資・保有主体となることを前提としていないため、普及可能性が高いと考えられる。更に、ポット式根域制限栽培との組合せにより、営農に適さない未利用地への展開も可能である。
年間60万㎾hの電力を地域内に供給。現地で1名の正社員雇用と複数人の非常勤雇用をもたらし、今後約5000㎏のブドウにより、ワイン約5000本を生産し約1千万円の売上予定。また本事業にて、営農型太陽光発電と根域制限栽培の有効性が実証できたため、2号機目も運転開始。本事業をベースとして、中心市街地等に同じモデルを展開予定である(8,330㎾)。
ワタミオーガニックランドは、低地部にあり避難所にはならないが、余剰電力を逆潮流させているため、非常時に起動電力を確保すれば、電力として活用可能である。近隣に大型蓄電池の設置計画を進めており、万が一の災害時には市民に対して電力や食料(オーガニックランド内保管の食材)の供給を可能にする。
営農“強化”型太陽光発電(陸前高田モデル)は、被災後に整備された盛土のため土耕による栽培は困難な状況だった中、見出したモデルです。発電した電気はエネルギーの地産地消を目指して設立された陸前高田しみんエネルギーを通じて、市内に供給をしています。今年収穫したブドウから美味しいワインができました。今後、市内の未利用地でモデルを増やし、様々な果実(ブルーベリー、リンゴ等)を育てることで農業振興、脱炭素に取り組んでいきたいと思います。
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