
事例集
《 令和3年度
再エネ種別:バイオマス 》
- 木質バイオマス発電所


(株)グリーン発電大分で発電した電気を地域の需要家に供給することを目的として、日田グリーン電力(株)を設立し、平成29年より日田市内の公共施設や全ての小中学校に電気の供給を行っている。これにより地元で伐採された山林未利用材を用いて発電した電気を地域住民や子どもたちが利用する公共設備や学校で使うという地産地消モデルが確立した。従来価値が低かった、間伐材や山林未利用材を一定水準の価格で買い取ることにより、林業の活性化と山林環境の維持への貢献などにより、自治体と企業が一体となった地域のサステナビリティに貢献している。 また、発電時に発生する温排水は、隣接地でいちごのハウス栽培を行う農家に供給し、冬期のハウスの温度維持に利用している。従来に比べて重油の使用量を3分の1程度に抑えられている(200万円程度の節減)。さらに将来の木質資源の確保に向けて、10~20年で伐期を迎える「早生樹」を植林するため、種苗センターを開設し、カーボンニュートラルを機能させるとともに、従来から利用されているスギやヒノキだけでなく、ユーカリやコウヨウザンといった早生樹の苗木を育成し、社有林に植林している。また、地域の方々に森づくりへの関心を深めていただくため、大分県や日田市と協定を締結し、日田市の市有林に植林を行う「企業参画の森林づくり」活動を継続して行っている。
域内に豊富にある森林資源の有効活用を希望する地元自治体の要望、事業採算性の低い山林保全事業の採算性向上、冬季にのみ利用されがちである木質バイオマス燃料の通年利用による地産地消のエネルギー利用の確立など地域で抱える課題を解決する手段として地域密着型バイオマス発電事業を実施している。本事業により山林未利用材の切り出し、運送業、木質チップ製造など、発電事業に関連する様々な事業と雇用を創出した。災害等で地域が停電した際には、地域住民の方々が避難場所として利用できるよう協定を締結しており、さらに万一に備え蓄電池(108V×50Ahを2台)を設置している。また、日田市内の森林組合や民間素材生産業者等を中心に「日田木質資源有効利用協議会」として、38社でネットワーク化し、山林未利用材の安定的な収集体制を整えているため、施設の長期的な運営が可能である。
林業の振興に寄与することをベースにしつつ、資源の有効活用を推進するため、木質系の廃棄物のリサイクルによるチップ製造にも引き続き力を入れていく。また、カーボンニュートラルの実効性を高めるため社有林への植林を推進するほか、J-クレジットを活用して輸送や営業に用いる自動車や工場で使用する重機の化石燃料の燃焼から発生する二酸化炭素のオフセットも積極的に行っている。将来的には日田市を中心として九州地方で地産地消の電気がさらに浸透するように日田市とも連携して脱炭素に取り組んでいきたい。
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