地域共生型再生可能エネルギー事業顕彰( 地域共生再エネ顕彰 )再生可能エネルギーが地域の未来をつくる!

事例集

《 令和3年度 
再エネ種別:バイオマス 》

再エネ種別:バイオマスアイコン

R3-4

顕彰事業名称

久慈市の未利用木質バイオマスを用いた熱供給事業

木質バイオマス熱供給設備イメージ
木質バイオマス熱供給設備
チップヤード視察(2018年4月)イメージ
チップヤード視察(2018年4月)
採択事業の概要

2014~15年度にプラントを建設、2016年度より地域製材業からの副生成物である樹皮(バーク)を原料として、隣接する大規模園芸団地(菌床しいたけ栽培ハウス80坪×60棟)への熱(蒸気、温水)供給事業を開始した。また、ボイラ余熱で生チップを乾燥して蓄熱機能を持たせ、離れた施設で重油代替とする熱の面的利用スキームも構築した。さらに翌年ヒートポンプでの冷水製造による夏季冷房の追加で完全空調化及びICT化を実現。これらにより地域内資源を活用した脱化石が実現すると同時に、しいたけ栽培においては燃料費の安定、生育管理ICT化による不良品の減少と品質向上で利益率が約10%改善した。地域社会の観点ではハウス60棟の運用に伴い、正規社員約50名の新規雇用を創出。また当初から林業やしいたけ産業など地域に根差した企業との協働や、災害時に発生した流木の燃料利用、さらには地域内外の小中・高校生の見学を受け入れ環境意識の啓蒙を行っていること等から、地域の理解を得られる事業となっている。従来困難とされていた樹皮の使い道を拓いたこと、距離の制約や季節変動に左右されない熱利用の仕組みを示すことができたことも意義が大きい。

地域共生再エネ3要件の取組

従来の菌床しいたけ栽培では重油や電気を使っていた冷暖房を、1割減の価格で再生可能エネルギー(バイオマス熱)に置き換えることで、収益改善だけでなく化石資源価格変動に左右されない安定経営も可能となった。これにより地場の有力産業である菌床しいたけ生産の競争力向上に寄与した。また、防災拠点となっている公共施設へ乾燥チップを供給しているため、災害時の緊急事態にも対応できるように1か月分の乾燥木質燃料を備蓄している。原料調達面では2012年度に復興庁の調査事業にて、震災廃棄物のみでなく地域内から発生する木質の量についても調査を実施し、現実的に確保可能な量(43t/日)を把握、実際のプラント規模は熱需要に合わせそれ以下の20t/日規模とした。また調達にあたり複数の製材業者と協定締結し、安定性・持続性を図った。

顕彰事業者からのコメント

関係者の皆さまのおかげで、地域に即した取り組みを実現することができました。今後熱供給先の開拓により、熱の面的利用をいっそう強化していきたいと考えています。また、広く再エネや未利用資源を扱うフレキシブルな活動も目指しています。
今回ご紹介した取り組みは、久慈地域だけでなく国内で展開できる要素を多く有しておりますので、ご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら是非とも御連絡頂ければと思います。

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