第3節 次世代再生可能エネルギーの導入加速

1.次世代太陽光電池

太陽光発電のさらなる導入拡大には、立地制約の克服が課題です。軽量かつ柔軟で、ビルの壁面等にも設置可能なペロブスカイト太陽電池は、こうした課題を克服するものです。ペロブスカイト太陽電池は、中国や欧州をはじめとする諸外国との競争が激化しており、グリーンイノベーション基金による支援を通じて、2030年を待たずに社会実装を実現することが必要です。予算を498億円から648億円に拡充し、量産技術の確立、需要の創出、生産体制整備を進めていきます(第333-1-1)。

【第333-1-1】ペロブスカイト太陽電池

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【第333-1-1】ペロブスカイト太陽電池(ppt/pptx形式:270KB)

資料:
(左図)株式会社東芝、(右図)積水化学工業株式会社

2.浮体式洋上風力

浮体式洋上風力についても、導入目標を掲げ、その実現に向けて、技術開発・大規模実証を実施するとともに、風車や関連部品、浮体基礎等の洋上風力関連産業における大規模かつ強靱なサプライチェーン形成を進めていくことが、アクションプランにおいて示されています。浮体式洋上風力の開発・実証に向けては、グリーンイノベーション基金において、「洋上風力発電の低コスト化プロジェクト」を進めており、将来のアジアへの展開も見据えながら、引き続き、技術開発や実証、技術力の高い国内サプライヤーの育成等に取り組んでいきます(第333-2-1)。

【第333-2-1】浮体式洋上風力発電

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【第333-2-1】浮体式洋上風力発電(ppt/pptx形式:53KB)

資料:
経済産業省作成

また、2023年6月には、今後の普及拡大が期待される浮体式洋上風力に係る産業のあり方等を検討することを目的に、有識者、業界団体、発電事業者、浮体製造事業者等から構成される「浮体式産業戦略検討会」を設置しました。この検討会では、浮体式洋上風力に係る日本の産業の国際競争力の強化や、魅力ある市場形成等に向けた取組について、複数回にわたり議論を行ったところです。

さらに、2030年までに10GW、2040年までに30GW〜45GWの案件形成を行うという目標の達成には、現在の案件形成に加えて、排他的経済水域(EEZ)における案件形成にも取り組んでいく必要があります。そうした中、現在の再エネ海域利用法では、その適用対象を「領海及び内水」としており、排他的経済水域についての定めがないことから、排他的経済水域における洋上風力の導入を目的に、再エネ海域利用法の改正法案が2024年3月12日に閣議決定され、第213回国会に提出されました。