系統接続に関する事例集について

接続契約、工事費負担金契約を締結するまでの手続は、長期に亘り、かつ複雑なため、接続を希望する事業者(以下、系統連系希望者とします)と一般送配電事業者との間で、認識のすれ違い等が生じる場合があります。このような認識の相違を解消して、系統連系希望者、一般送配電事業者の双方の円滑な業務の実施を図るため、一般送配電事業者等に質問があった事項等を踏まえた一般的な業務の流れ、公表されている情報、接続に関する具体的な事例をQ&A形式で紹介します。
なお、本Q&Aは、各事象等を一般化して紹介するものになりますので、個別の接続申込みにかかる事項については、最終的に一般送配電事業者担当者に確認をいただく必要があることをご承知おきください。

  1. 接続検討・接続契約申込み(同時申込み含む)について
  2. 工事費負担金の算定・支払について
  3. 電源接続案件募集プロセスについて

1.接続検討・接続契約申込み(同時申込み含む)について

Q1-1申込みから連系承諾までの標準的なプロセス・検討期間を教えてください。
A1-1

<高圧(50kW)以上の申込みの場合>

系統接続までのフロー
系統接続までのフロー 事前相談(任意) 接続検討申込み 接続検討回答 接続契約申込み 連系承諾 同時申込みについて
①事前相談(任意)
接続検討に先立って、任意で事前相談をお申込みいただけます。
事前相談により発電設備設置場所近傍の送変電設備の熱容量に起因する連系制限の有無や想定する連系点までの直線距離(高圧は既設配電線亘長)を書面で確認することができます。原則として申込み受付から1か月以内の回答を得ることができます。
事前相談依頼にもとづき提供される情報は、発電設備等設置場所近傍の送電設備、変電設備、配電設備の連系制限の有無を簡易的に確認した結果です。この回答をもって系統連系の可否が確約されるものではない点にご留意ください。

②接続検討申込み
発電設備の新規系統接続や出力増加等に伴う電力系統への影響や送変電設備の新設・増強工事の必要性等について、連系先の一般送配電事業者が技術検討を実施するため、接続契約申込みに先立ち、接続検討のお申込みが必要になります。接続検討についての標準的な回答期間は、申込みの受付日から3か月(ただし、高圧案件で、逆変換装置を使用し、容量が500kW未満のものは2か月)となります。
ここでいう申込みの受付日とは、系統連系希望者がお申込みをした日ではなく、①技術検討に必要な書類を不備なく提供いただき、かつ②接続検討料を入金いただいたこと(ただし、接続検討料が不要な場合を除く)を一般送配電事業者(ただし、広域受付案件は電力広域的運営推進機関(以下、広域機関とします))が確認できた時点となりますのでご留意ください。
また、3か月という回答期間は、標準的な検討期間であり、実際に回答までに要する期間は連系希望地点の状況等により前後することになります(詳細は、Q1-2 参照)。なお、回答期間が3か月を超過する可能性が生じたときは、一般送配電事業者は速やかに、その理由、進捗状況、今後の見込み(延長後の回答予定日を含む。)を通知し、系統連系希望者の要請に応じ、個別の説明を行います。延長後の回答予定日までに回答できない可能性が生じたときも同様の扱いとなります。

③接続検討回答
主な回答内容は以下のとおりです。
  • 系統連系希望者が希望した最大受電電力に対する連系可否(連系ができない場合には、その理由及び代替案。代替案を示すことができない場合は、その理由)
  • 系統連系工事の概要(系統連系希望者が希望する場合は設計図書又は工事概要図等)
  • 概算工事費(内訳を含む)及び算定根拠
  • 工事費負担金概算(内訳を含む)及び算定根拠
  • 所要工期
  • 系統連系希望者に必要な対策
  • 接続検討の前提条件(検討に用いた系統関連データ)
  • 運用上の制約(制約の根拠を含む)
接続検討回答の内容は、申込みいただいた時点で将来想定される電力系統の諸条件を考慮し、実施した技術検討結果をお示しするものです。この回答に基づく接続契約申込みより前に、他の系統連系希望者が接続契約申込みすること等により電力系統の条件が変化し、再検討が必要となる場合があります。再検討が必要な場合は、接続契約申込みを受け付けることができず、改めて検討料をお支払いいただき、3か月(高圧案件で、逆変換装置を使用し、容量が500kW未満のものは2か月)の検討期間を要する場合もありますのでご留意ください。
また、接続契約申込み後の現地調査や地権者との協議により、工事費や所要工期が変動する可能性があります。そのため、接続検討回答をもって系統連系や系統連系工事概要(工事費)、所要工期を確約できるものではないことをご承知おきください。

④接続契約申込み
接続検討の回答内容も踏まえて事業性等をご判断いただいたうえで、発電設備の系統連系をご希望される場合は、連系先の一般送配電事業者に接続契約のお申込みをいただきます。一般送配電事業者は、接続契約申込み受付時点での電力系統の諸条件に基づく検討等を行い、その結果を回答します。接続検討の回答結果と異なる場合には、差異が生じた旨及びその理由を説明します。接続契約申込みに対する回答の標準期間は、契約申込みの受付日(申込み書類に不備がある場合には、一般送配電事業者が系統連系希望者に修正を求め、不備がないことを確認できた日が受付日となります。 )から6か月になります。なお、回答期間が6か月から前後する可能性があり、詳細は、Q1-2 参照)標準期間を超過する場合の一般送配電事業者の対応は、接続検討時と同様です。

⑤連系承諾
一般送配電事業者は、接続契約申込みに対して連系を承諾する旨の通知をします。なお、FIT制度を利用して、売電を予定する設備については、事業計画認定申請の際に連系承諾+工事費負担金契約を意味する「接続の同意を証する書類」が必要となるため、連系承諾の通知時に一般送配電事業者から「接続の同意を証する書類」(※)が発行されます。なお、高圧以上の発電設備については、別途、工事費負担金契約の締結が必要となる場合があります。 具体的な「接続の同意を証する書類」については、こちらを参照ください。
⑥同時申込みについて
系統連系希望者がFIT法に基づく売電等を行う予定で、高圧以上の送電系統と連系等を希望されるときには、接続検討申込みと同時に接続契約申込みを行うことができます。ただし、接続検討の申込みと接続契約申込みの申込み内容を統一いただく必要があります。同時申込みであっても連系承諾までの期間が短縮されるものではないことをご留意ください(標準検討期間は申込みの受付日から9か月)。また、同時申込みをした場合、一般送配電事業者から接続検討回答受領後、速やかに接続契約申込みを継続する旨の意思の表明書(「意思表明書」といいます)を一般送配電事業者に提出いただく必要があります。
なお、Q1-3 の回答に記載のとおり、暫定容量の確保のタイミングについても同時申込みをしたタイミングではなく、一般送配電事業者が意思表明書を受け付けたタイミングになることにご留意ください。

<低圧(50kW未満)の申込みの場合>

低圧連系は、一般的に高圧連系に比べて系統に与える影響が限定的なため、接続契約申込み前の接続検討は不要であり、接続契約申込みの受付から1か月(※)の検討を経て連系承諾となります。
高圧以上の申込みと同様、連系承諾までの期間は1か月から前後することがあります(詳細は、Q1-2参照)。

<FITの事業計画認定との関係について>

現行のFIT制度においては、事業計画認定の申請をする際に、上述の一般送配電事業者が発行する「接続の同意を証する書類」が必要になります。 FITの調達価格については、各年度で見直しが行われることになりますが、上述のとおり、一般送配電事業者が「接続の同意を証する書類」を発行するまでには所定の手続が必要です。
また、手続に要する期間も事前に確約できるものではありません。そのため、FIT事業計画申請予定の系統連系希望者においても希望するタイミングで「接続の同意を証する書類」が取得できない可能性があることをご承知おきください。
Q1-2受付までに時間を要する場合や接続検討、接続契約申込みの検討が標準検討期間を上回る場合の具体例を教えてください。
A1-2検討開始までに時間を要する場合及び検討が標準期間を上回る場合の具体例は下記のとおりです(実際の事例を含む)。
1.受付までに時間を要する場合(検討開始までに時間を要する場合)
①一般送配電事業者に提出した書類に不備・不足があり修正までに時間を要した場合
②接続検討料の入金が遅れた場合

2.標準検討期間を上回る場合(検討に時間を要する場合)
①申込みが集中している場合
②大規模な工事の検討が必要な場合
③検討中に前提となる系統状況が大きく変化した場合(接続検討中に他の系統連系希望者に対して送電系統の容量を確保したこと等によって、接続検討の前提となる事実関係に変動があった場合は、再度接続検討が必要になる場合があります)。
④申込みの受付後に技術検討に必要な内容に変更や不備が判明した場合
⑤実施中の電源接続案件募集プロセスの募集対象エリアで申込みを行う場合
(電源接続案件募集プロセスが行われている場合、募集プロセスの対象エリア周辺の系統接続案件についても、募集プロセスの影響を受ける場合がありますのでご留意ください)

電源接続案件募集プロセスにおける募集対象エリアでの系統アクセス関係の申込みは、原則として、次表のとおりの取扱いとなります。
申込み内容取扱内容補 足
事前相談申込み プロセス完了後に回答 ・プロセスによって募集対象エリア内の系統状況が変動するため、プロセスが完了し、系統状況が確定した後に検討を開始
・ただし、プロセス完了前であっても、「発電設備等設置場所から連系点(想定)までの直線距離」(※)は、申込み者が希望する場合は回答可能
接続検討申込み プロセス完了後に回答 ・プロセスによって募集対象エリア内の系統状況が変動するため、プロセスが完了し、系統状況が確定した後に検討を開始
接続契約申込み
(同時申込みの場合は、意思表明書の提出)
受付不可 ・プロセスの開始によって当該申込み者の接続検討回答の前提とした系統状況から変動が生じているため
高圧の送電系統に連系する場合は、連系点(想定)から連系を予定する配電用変電所までの既設高圧流通設備の線路亘長 (出典:電力広域的運営推進機関HP 電源接続案件募集プロセスの基本的な進め方について[外部リンク・PDF形式]nullPDF形式

なお、平成27年度から平成29年度における接続検討、契約申込みにおける一般送配電事業者からの回答が、回答予定日を上回った件数等の状況については下記をご参照ください。 (出典:電力・ガス取引監視等委員会「一般送配電事業者の収支状況等の事後評価 参考資料(2019年3月)」)
Q1-3系統容量はいつ確保されますか。
A1-3高圧以上の連系を希望する場合、接続契約申込みが受け付けられた時点で暫定的に系統容量が確保されます(同時申込みの場合は、接続検討回答後、提出する意思表明書が受け付けられた時点)。
ただし、下記の場合には、暫定的に確保された系統容量の全部または一部が取り消される可能性があります。

①系統連系希望者が、契約申込みを取り下げた場合
②申込み時の最大受電電力を減少する旨の変更を行った場合
③契約申込みの回答として連系承諾できない旨の回答となった場合
④電気事業法、環境影響評価法その他の法令に基づき、契約申込みに係る事業の全部又は一部が廃止となった場合
⑤契約申込みの内容を変更することにより、系統連系工事の内容を変更(ただし、軽微な変更は除く)する必要が生じる場合
⑥系統連系希望者が、契約申込みの回答に必要になる情報を提供しない場合等、不当に送電系統の容量を確保していると判断される場合

系統容量は、連系承諾時点で確定されます。ただし、連系承諾後、下記①と②の事情が生じた場合には、2019年4月1日以降確定された系統容量が取り消されます。下記③④⑤⑥の事情が生じた場合には、確定された系統容量が取り消されることがあります。

①接続契約が解除された場合
②系統連系希望者が、連系承諾後、1か月を超えて、工事費負担金契約を締結しない場合(ただし、FIT設備の場合は、連系承諾と同時に工事費負担金契約を締結します。Q1-1参照
③系統連系希望者が工事費負担金契約に定められた期日までに工事費負担金を支払わない場合
④電気事業法、環境影響評価法その他の法令に基づき、契約申込みに係る事業が廃止となった場合
⑤発電設備等に関する契約申込みの内容を変更することにより、系統連系工事の内容を変更(ただし、軽微な変更は除く)する必要が生じる場合
⑥その他連系承諾後に生じた法令の改正、電気の需給状況の極めて大幅な変動、倒壊又は滅失による流通設備の著しい状況の変化、用地交渉の不調(海域の占用が認められない場合を含む。)等の事情によって、連系承諾後に連系等を行うことが著しく困難となった場合
Q1-4連系を希望する送電系統の空容量がない場合、一般送配電事業者が申込みを断ることがあるのでしょうか。
A1-4高圧連系以上の申込みについて、一般送配電事業者が検討時点で送電系統の空容量がないことのみをもって接続検討申込みを断ることは基本的に想定されません。ただし、空容量がない場合、接続するためには、大規模な送電線等の増強工事が必要になる場合があります。
また、低圧連系の申込みについては、接続契約申込前の接続検討は不要であり、接続契約申込みの受付から1か月の検討を経て連系承諾となります(Q1-1)が、既に大量の発電設備が当該系統に接続(予定含む)されている場合は、高圧配電線の増強等が必要となり、検討期間や連系工事が長期化する可能性があります。
Q1-5送電系統の空き状況は公表されていますか。
A1-5特別高圧以上の電圧系統における空容量は、下記のとおり各社のホームページで公表されています。
なお、高圧の配電設備については、膨大な設備量があり、タイムリーに公表情報を改訂することが困難なため公表はしておりません。ただし、事前相談で配電用変圧器の容量制約を個別にご確認いただけます。
各エリアの特別高圧以上の電圧系統における空容量は下記を参照ください。
Q1-6同規模、同地点での発電設備等の更新を行う場合は新規の接続検討申込みは不要ですか。
A1-6発電設備等の諸元が変わるため接続検討申込みが必要となる場合があります。発電設備等の更新に限らず、連系済電源の接続検討の要否につきましては、下記を参照ください。
Q1-7リプレース案件系統連系募集プロセスとはどのようなプロセスでしょうか。
A1-7「リプレース案件系統連系募集プロセス」とは、広域機関がリプレース対象廃止計画※を公表した発電設備等(以下「リプレース発電設備等」という。)について、廃止の蓋然性が高まったと判断した場合には、当該リプレース発電設備等が連系する送電系統に連系を希望する系統連系希望者を募集するものです。
詳細については下記の広域機関のHPを参照ください。 リプレースとは、同一事業者(既設発電設備を所有する事業者と資本関係や契約関係がある事業者を含む)が同一地域で発電所の建替を行い、同一系統にアクセスする事案を指します。なお、リプレース対象廃止計画は発電設備設置者のうち設備容量が10万kW以上の発電設備を指します。
Q1-8 発電設備設置予定地点の系統の空容量がありません。発電設備設置予定地と異なる一般送配電事業者の供給エリアに空容量があることが判明しましたが、当該異なる供給エリアで接続検討申込みはできるのでしょうか。
A1-8原則、発電設備設置予定地が含まれる供給エリアの一般送配電事業者に接続検討申込みをしていただく必要がありますが、他の一般送配電事業者の供給エリアにおける接続検討を当該他の供給エリアの一般送配電事業者にお申込みすることもできます。
Q1-9系統制約の緩和に向けて、どのような取組が行われているのでしょうか。
A1-9これまでの系統接続・運用の考え方を見直し、系統の「隙間」に注目し、既存系統を最大限活用する観点から以下の取組を行っています。そのため、系統の増強が不要となるケースを増やし、少ないコストで、短期間に、新たに電源を系統に接続することができるようになります。

想定潮流の合理化

これまで送電線の容量は、接続されている全ての電源がフル稼働することを前提に容量が確保されていました。しかし、実態としては、ある系統に接続されている電源の全てが同時にフル稼働することは殆どありません。例えば、一般的には太陽光発電が最も多く発電するのは春や秋の日中ですが、風力発電が最も多く発電するのは冬の荒天の日と言われています。こうした系統の容量の管理を、実際の利用状態に近い想定で過去実績に基づいてより精緻な空き容量を算定する手法が「想定潮流の合理化」です。
この手法は既に2018年4月から導入しており、電力広域的運営推進機関(広域機関)によると、この想定潮流の合理化の適用による効果として全国で約590万kW(※1・2)の空き容量の拡大が見込まれています。 今回取りまとめた効果は、最上位電圧の変電所単位で評価したものであり、全ての系統の効果を詳細に評価したものではございません。 効果は、空容量のない系統の空容量が増加したケースだけではなく、十分に空容量がある系統の空容量がさらに増加したケースも含みます。

N-1 電制

多くの送電線は、2回線以上で構成され、1回線の一部の容量は平常時は電気を流さず緊急時用に確保されています。これは仮に1回線の送電線が故障した場合でも、緊急時用にもう1回線の一部の容量を確保しておくことで、送電量を維持し停電を防ぐためです。これは「N-1基準」とよばれる設備形成の考え方に基づくもので、日本だけでなく、欧米など国際的にも広く採用されている基準です。
しかし、いつ起きるか分からない事故のために、常に流せる電気の容量を制限していることは必ずしも効率の良い運用方法ではありません。このため、緊急時用に空けておいた容量の一部を、事故が起こった際には瞬時に送電を遮断する装置(電制装置)を電源に付けることで、平常時にも活用できるようにする仕組みが「N-1電制」です。
この手法は既に2018年10月から一部導入されており、広域機関によると、この取組により全国で約4040万kW(※1・2)の容量について接続可能なポテンシャルがあるとの試算が出されています。
現在導入されているのは、電制装置を付ける電源が緊急時の容量を活用できるという手法(先行適用)です。この電制装置は系統運用の確実性の観点から大きな電源(特別高圧以上)にしかつけることができないため、導入の効果は大きいものの、小さな電源への恩恵は限定的です。そのため、今後、小さな電源に代わって他の大きな電源に電制装置を付けたうえで、身代わりで制御されたことによる機会損失を小さな電源と精算することにより、規模の小さな電源も緊急時の容量を活用できるような手法(本格適用)も導入していきます。このためには、どのような費用精算を行うかなど多くの関係者の合意が必要な課題も多いのですが、2022年度中の本格適用開始を目指して、広域機関を中心に検討が進められています。 今回取りまとめた効果は、最上位電圧の変電所のみで評価したものであり、全ての系統の効果を詳細に評価したものではありません。また、下位系統に制約がある場合などもあり、必ずしも効果で示した容量をN-1電制の適用のみで接続できるとは限りません。 効果は速報値であり、今後数値が変わる場合があります。

ノンファーム型接続

系統に接続する電源は一度接続してしまえば、最大出力の範囲内であれば自由に送電をすることができます。これは確実に電気が流せる接続ということで「ファーム接続」と呼ばれます。一方、系統はいつも混雑しているわけではないので、系統が空いている時間帯のみ電気を流す前提で、新規の電源の接続を行う手法も存在します。これは、いつでも送電できるわけではないので「ノンファーム型接続」と呼ばれます。
このような新たな接続の手法の導入に向けては、現行の電力取引制度をはじめとした関連の諸制度・ルールとの整合性や、ノンファーム電源の事業の予見性の確保、システム構築など、多くの課題があります。また、広域機関によると、日本において再生可能エネルギー電源が多数接続されている配電系統を含めた網羅的なノンファーム型接続の仕組みは海外にも例がなく、全くの新規の検討が必要であり、相当程度時間を要するものとされています。
このため、まずは海外でも例のある、長期間の増強工事が必要な場合に、工事中はノンファーム型接続をし、工事が完了したらファーム接続になる、「暫定接続」の検討を進めつつ、恒久的なノンファーム型接続の導入に向けて、フィージビリティスタディを行った上で、実系統での実証を実施してくこととしています。
こうした取組を通じて、実現可能性や経済性、事業者の受容性を総合的に勘案し、日本に最適なノンファーム型接続の検討を進めているところです。 ノンファーム型接続
(参考:第11回再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会[外部リンク・PDF形式]nullPDF形式

Q1-10送電線の新設工事をする場合、エリアの一般送配電事業者に依頼せず、系統連系希望者自身で実施はできないのでしょうか。
A1-10系統連系希望者自らが送電線の新設工事を行うことが可能です。例えば、送電網の整備が脆弱である北海道の道北地域においては、系統連系希望者自らが送電事業を行う特定目的会社(SPC)を設立し、送電事業ライセンスを取得し、地域内送電網の整備・運営を行っています。
また、このほかにも発電設備から需要設備までを自ら施工・所有している自営線で 供給している実例もあります。
同種の工事であっても一般送配電事業者が求める仕様と系統連系希望者が許容する仕様は必ずしも一致しないと考えますので、系統連系希望者自ら工事を実施することが工事費の削減や工期の短縮につながる場合があります(なお、具体的な仕様については、一般送配電事業者と協議が必要です。)。工事費負担金工事から自営線工事に切り替えた場合のイメージについては事例③をご参照ください。実際に、接続検討時には架空送電線(66・77kV)での系統接続の見積りが提示されたものの、自営線で電圧階級を落とし、地中ケーブルでの接続へと変更したことで、工事金額と工期の実績ともに見積り時よりも安価で短縮された事例もあります(出典:電力・ガス取引監視等委員会「調達単価及び工事費負担金工事の分析(2019年3月)P54抜粋[PDF形式]null」)。ただし、自営線の場合、所有が系統連系希望者になるため、工事完了後の修繕等も系統連系希望者の負担となることをご留意ください。
なお、送電設備を一般送配電事業者が施工・所有するか、系統連系希望者自らが施工・所有する自営線とするかによって、工事費負担金の額や工期等も変わるため、接続検討申込みをする段階で早めに一般送配電事業者に相談することで接続検討に要する期間が短縮する可能性が高くなると考えられます。
<事例①>北海道北部風力送電の事業概要
事例(1)北海道北部風力送電の事業概要
<事例②>さくらインターネット 事例(2)さくらインターネット
(参考:第11回再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会[外部リンク・PDF形式]nullPDF形式

<事例③>工事費負担金工事から自営線工事に切り替えた事例 事例(3)工事費負担金工事から自営線工事に切り替えた事例
(出典:電力・ガス取引監視等委員会「調達単価及び工事費負担金工事の分析(2019年3月)」)
Q1-11 1事業所に対して、複数の引込線を引き込むことは可能なのでしょうか。
A1-11原則としては、1事業所に対して系統から引き込める引込線は1つのみとなっています。ただし、技術上、経済上やむを得ない場合等、特別の事情があると一般送配電事業者が認めると、例外として複数引込が可能となる場合がありますので、各一般送配電事業者窓口にご相談ください。
また、系統の電源ではない非FIT電源を事業者自ら自営線で引き込む先行事例があります。
<データセンターの事例>
データセンターの事例

2.工事費負担金の算定・支払について

Q2-1 工事費負担金の負担等についての基本的な考え方について教えてください。
A2-1工事費負担金を負担する者は、電源線とネットワーク側の送配電等設備で異なります。電源線につきましては、系統連系希望者に全額を負担していただきます。ネットワーク側の送配電等設備につきましては、系統連系希望者に負担いただく「特定負担」と一般送配電事業者が負担をしたうえで、供給エリアの需要家から託送料金として回収する「一般負担」があります。
ネットワーク側の送配電等設備の増強等に係る工事費負担金については、系統連系希望者が受益している場合には、受益の範囲に応じて「特定負担」となり、系統連系希望者が受益しているとはいえない範囲が「一般負担」となります。また、基幹系統の工事のように、供給エリアの広範囲に亘って不特定多数の者に受益がある工事の負担については原則として「一般負担」となります。ただし、「一般負担」のうち接続する発電設備の規模に照らして著しく多額になる場合は、広域機関が指定した上限額を超過する額については、「特定負担」となります。
上記の考え方は、「電源線に係る費用に関する省令」ならびに「発電設備の設置に伴う電力系統の増強及び事業者の費用負担等の在り方に関する指針」で示されているものです。
当該省令はこちら[外部リンク]nullを参照ください。 当該指針はこちら[PDF形式]外部サイトに移動・別ウインドウで開きますを参照ください。
また、工事費負担金の算定、基本的な考え方として受益者負担を採用する理由等については下記のコンテンツを参照ください。 一般負担には上限あり。2018年6月6日の一般負担の上限額の見直しにより、4.1万円/kW一律。
一般負担の上限額の見直しについて(電力広域的運営推進機関)外部サイトに移動・別ウインドウで開きます
Q2-2いったん提示された工事費負担金が大幅に減額されるケースがあると聞きましたがどのような場合ですか。
A2-2接続検討や接続契約申込み段階では、検討時の系統状況で評価して、上位の送電線まで増強が必要となり高額な負担(下図③のイメージ)となりましたが、その後、当該送電線に影響を与えている先行の発電事業者が事業を取り止めたことにより、送電線を流れる電気の全体量が減ることなりました。この結果として、上位の送電線の増強工事が不要となり、必要な工事費が大幅に下がったというケースがありました(下図①のイメージ)。なお、このケースとは逆に、当初先行事業者と増強工事の工事費負担金を容量按分する予定であったが、先行事業者が事業を取り止めた結果においても、増強工事が回避できない場合は、先行事業者分の工事費負担金も負担することになるため工事費負担金が大幅に増額となったケースもありました。
いったん提示された工事費負担金が大幅に減額されるケース

(出典:資源エネルギー庁HP スペシャルコンテンツ)

なお、平成29年度に落成した工事のうち66・77kVの工事費負担金を対象とした接続検討時と接続契約申込み時、接続契約申込み時と精算時の金額の乖離状況については、下記をご参照ください。 (出典:電力・ガス取引監視等委員会「調達単価及び工事費負担金工事の分析(2019年3月)」)
Q2-3工事費負担金算定のプロセスについて教えてください。
A2-3接続検討の回答時に、一般送配電事業者から、工事費負担金概算(内訳を含む)及び算定根拠が示されます。
連系承諾時に、詳細設計等を踏まえて工事費負担金の額が示されますが、検討期間短縮の観点から、机上計算による工事費負担額の概算額で工事費負担金契約を締結することがあります。
なお、この場合、工事費負担金をご入金いただいた後に詳細設計、用地交渉等を実施するため、締結した工事費負担額が増減する可能性がありますが、工事途中の払戻しまたは追加請求、あるいは工事完了後に精算(払戻しまたは追加請求)することになります。また、用地交渉等に時間を要する場合は、契約時の工事完了予定時期より実際の工事完了が遅れる可能性があることをご承知おきください。
Q2-4工事規模等によってどれぐらいの工事費となるかを見積もる際に参考となる情報はありませんか。
A2-4「系統情報の公表の考え方」に基づき、一般電気事業者が策定した工事費負担金に含まれる送変電設備の標準的な単価について、広域機関HP[外部リンク]nullで公表されております。
また、電力・ガス取引監視等委員会の料金審査専門会合において、鉄塔工事、電線の敷設及び地中ケーブルの敷設の単位当たりの費用(物品費と工費)として、平成25年度から平成29年度の5カ年の間に精算された実績値の平均が以下のとおり示されております。
北海道東北東京中部北陸関西中国四国九州沖縄
鉄 塔
(百万円/基)
292636463933323731 
架空送電線
(百万円/km)
672013211511212513 
地中ケーブル
(百万円/km)
1318139472784227411986147
(出典:電力・ガス取引監視等委員会「調達単価及び工事費負担金工事の分析(2019年3月)」)

なお、これらの数値を見るにあたっては、立地場所等、各工事の個別性が反映されている可能性がある点にご留意願います。例えば鉄塔工事は、軟弱地盤などでは、標準的で安価な逆T字基礎ではなく、他の高コストな種類(ベタ基礎、杭基礎、深礎基礎)を用いる必要があるため、1基当たりの費用が高くなります。架空送電線や地中ケーブルの敷設では、敷設する距離(敷設工事1件当たりの回線延長)が短くなるほど、固定費(ドラム場・エンジン場や接続箱の費用等)の割合が大きくなるため、km当たりの費用が割高となる傾向があります。なお、地中ケーブルでは上記コストに加えて、別途管路の費用がかかることにご留意願います。詳細は下記をご参照ください。 (出典:電力・ガス取引監視等委員会「調達単価及び工事費負担金工事の分析(2019年3月)」)
Q2-5既に完成している送電設備について費用負担を求められました。どのような場合に負担を求められるのでしょうか。
A2-5使用開始から3年以内の特別高圧設備及び一部の高圧設備(変電所構内の6kV設備)を利用する場合、施設に要した費用の一部について負担を求められることがあります。こちらの取扱いについては、各一般送配電事業者の託送供給約款等で定められたものとなります。
Q2-6工事費負担金の支払期日は定められているのでしょうか。分割払いは認められているのでしょうか。
A2-6原則、工事着手前までに工事費負担金の全額支払いが必要となります。なお、FIT電源については、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則において、工事費負担金契約締結から1か月以内に支払いをしない場合には接続契約を解除できると定めています。
また、接続契約申込み後、契約締結に至らなかったり、工事費負担金が支払われない等の理由により長期間にわたり発電事業が開始されない場合には、連系等を拒み、系統容量を取り消す場合がございます。
工事費負担金を支払わない場合の標準手続例については、以下をご覧ください。 また、広域機関の送配電等業務指針において、工事費負担金は原則、一般送配電事業者が連系等に必要な工事に着手するまでに一般送配電事業者に対して一括して支払うものとすること、ただし、系統連系希望者は必要な工事が長期にわたる場合には、一般送配電事業者に対し、支払条件の変更について協議を求めることができると定められています。
工事費負担金の分割払いが認められる場合の考え方については、広域機関のHPに示されていますのでご参照ください。
Q2-7連系承諾、認定申請ののち1か月以上たっても事業計画認定がおりません。それでもFIT法施行規則で規定されている工事費負担金の支払期日である1か月以内に支払わない場合、接続契約は解除されるのでしょうか。
また、工事費負担金を支払ったのち接続契約が解除された場合、既に支払った工事費負担金は返金されるのでしょうか。
A2-7FIT法施行規則で規定されている工事費負担金の支払期日である1か月以内にお支払いをいただけない場合は、事業計画認定の有無に関係なく、接続契約が解除される場合があります。そのため、連系承諾前に必要な資金の確保をお願いいたします。
また、接続契約が解除された場合、解除時点までに要した実費及び(原状回復が必要な場合)原状回復工事に要する費用を算定した上で、当該費用を差し引いた残余額を返金することとなります(場合によっては、追加で支払いが必要となります)。なお、電源接続案件募集プロセスに参加した系統連系希望者の場合は工事費負担金補償契約に基づき補償金のお支払いが必要となります。

3.電源接続案件募集プロセスについて

Q3-1電源接続案件募集プロセスとはどのようなプロセスでしょうか。
A3-1系統連系希望者の希望等により、近隣の電源接続案件の可能性を募り、複数の電気供給事業者により工事費を共同負担して系統増強を行う手続きです。電源接続案件募集プロセスの基本的な進め方は、広域機関のHPに示されていますのでこちらを参照ください。
なお、電源接続案件募集プロセスは、実施するエリアの送電系統の状況、連系等を希望する電源の状況、募集対象とする増強工事の内容などにより、プロセスごとに進め方が異なる可能性があります。個々のプロセスにおける具体的な進め方については、プロセスごとに定める募集要綱等に基づき実施いたしますので、十分ご留意ください。
また、上記基本的な考え方の補足として下記も参照ください。
Q3-2応募申込み内容は、応募以降に変更できますか。
A3-2接続検討や再接続検討のやり直しによるプロセスの遅延など、他の応募者への影響等を考慮し、原則として、認められていません。
なお、構内機器配置の軽微な変更等、他の系統連系希望者の接続検討回答その他の電源接続案件募集プロセスに影響を与えないことが明らかである場合は変更可能ですので、応募窓口にご相談ください。
Q3-3応募後に名義変更(他者に事業承継)することは可能ですか。
A3-3必要な書類の提出等、所定の手続をいただくことで可能となります。具体的な手続等については応募窓口にお問合せください。
Q3-4応募以降に最大受電電力を変更させても良いですか。
A3-4接続検討や再接続検討のやり直しによるプロセスの遅延など、他の応募者への影響等を考慮し、原則として、認められていません。
なお、プロセス完了後、最大受電電力の減少については、最大受電電力に応じた工事費負担金と減少分に応じた工事費負担金補償金をお支払いただける場合には、可能となります。詳細は応募窓口にご相談ください。
Q3-5既契約申込み者の接続契約申込みの取下げ等により、入札対象工事が完了しなくても空容量がある場合、早期に連系できますか。
A3-5入札対象工事が完了しなくとも既存の設備に空容量が生じている場合は、当該空容量の範囲内の系統連系順位の優先系統連系希望者は、入札対象工事の完了を待たずして先行連系することもできます。
なお、この場合、実際に連系可能となる時期は、発電事業者の連系に必要な電源線工事やその他供給設備工事等の完了後となります。
Q3-6 プロセス完了以降に事業を取り止めた場合に、確保している送電系統の容量を他の発電所等に譲渡することは可能でしょうか。
A3-6連系承諾は、接続契約申込みの内容に基づいて承諾しているものであり、他の発電場所や他の発電設備等を前提としたものではありません。そのため、確保している送電系統の容量を他の発電所等に譲渡することはできません。
なお、事業承継(名義変更)は可能です。具体的な手続等は応募窓口にお問合せください。
Q3-7入札以降の辞退によるプロセス遅延が懸念されますがどのような対策を実施していますか。
A3-7入札以降に優先系統連系希望者が辞退した場合、入札対象工事以外の工事費について辞退者と按分負担する予定であった他の優先系統連系希望者の費用負担が増加して更なる辞退を誘発する可能性も考えられます。こうしたことにより、工事費負担金の再算定及び負担意思確認に時間を要することになるため、プロセスが遅延する可能性があります。
そこで、電源接続案件募集プロセスでは、安易な入札申込みによる入札以降の辞退を抑止するために、第1次保証金(入札保証金。入札負担金の5%相当)を設けて辞退時には没収するものとし、事業実施の確実性が高い系統連系希望者が入札する(事業実施の確実性が低い系統連系希望者は入札しない)仕組みを構築しています。また、接続検討の回答では、他の応募者と按分負担した場合の工事費負担金のみならず、対策工事を仮に当該応募者だけで負担した場合の工事費負担金を回答します。工事費負担金の上限を提示した上で入札する流れとすることで、入札以降の辞退によるプロセス遅延の抑制を図っています。
平成29年3月以降に募集要綱が策定・公表された電源接続案件募集プロセスにおいては、入札後に優先系統連系希望者が再接続検討回答を踏まえて共同負担意思を示す場合には、第2次保証金(共同負担意思保証金。第1次保証金と同額)を設けて辞退時には没収するルールとすることで、安易な共同負担意思の表明による共同負担意思確認以降の辞退を抑止します。また、負担可能上限額(入札額を除く)を申告いただくことで、辞退者が生じて工事費負担金(入札額を除く)が増加する都度の共同負担意思確認を回避することにより、更なる遅延の抑制を図っています。
なお、平成29年3月より前に募集要綱が策定・公表された電源接続案件募集プロセスにおいては、第2次保証金等のルールは設けられておりませんが、今後、共同負担意思確認以降の度重なる辞退によりプロセス遅延が生じる場合等には、負担可能上限額の申告を求めること等の遅延抑制策を導入します。その場合、関係する優先系統連系希望者の皆様に別途お知らせします。
Q3-8募集対象エリア内の系統連系希望者ですが、電源接続案件募集プロセスに応募しなかった場合は、どうしたら連系できますか。
A3-8電源接続案件募集プロセスの完了後、通常の接続契約申込みの手続により連系することが可能です。
プロセスに応募しなかった場合、電源接続案件募集プロセスにより増強した対策設備に空容量があり、使用開始後3年以内に当該対策設備を利用するときは、当該対策に要した費用を最大受電電力で按分した額を負担していただきます(Q2-4参照 ) 。
電源接続案件募集プロセスにより対策した設備に空容量が無い場合は、連系に必要となる対策を行うことにより連系可能です。
なお、当該対策の規模が大きく単独での負担を前提とした接続契約申込みが困難な場合で、プロセス開始要件を満たすときは、新規の電源接続案件募集プロセスの開始申込みを行うことも可能です。ただし、既に成立したプロセスによって送電系統への連系を希望する発電事業者が減少しており、新規のプロセスの成立に足りる応募が見込めない可能性がありますので、可能な限り、実施中のプロセスに応募されることをお勧めします。
Q3-9各エリアの募集プロセスの実施状況について知ることはできますか。
A3-9下記の広域機関のHPから確認ができます。

←なるほど!グリッドTOPページへ

  • なっとく!再生可能エネルギー
  • どうする?ソーラー