日本のエネルギー 2022年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」

6.イノベーション

水素・アンモニア

Q脱炭素化のためのイノベーションには、どのようなものがありますか?

A再エネ等からのCO2フリー水素製造や燃料電池自動車等への多様な利活用、燃料アンモニア、カーボンリサイクルなどがあります。

水素社会の実現に向けた取組

水素の大量供給、国際的な水素取引も見据えたサプライチェーン構築、燃料電池自動車や家庭用燃料電池の導入をはじめ様々な分野における利活用を推進しています。

水素社会の実現に向けた取組

次世代エネルギー「水素」、そもそもどうやってつくる?

使用してもCO2を排出しない次世代のエネルギーとして期待される水素。
水はもちろん、石炭やガスなど多様な資源からつくることができる点も大きな特徴であり利点です。水素をつくる方法をご紹介します。

燃料アンモニアの実現に向けた取組

アンモニアは、水素キャリアとしても活用でき、水素と比べ、既存インフラを活用することで、安価に製造・利用できることが特長です。また、アンモニアは燃焼速度が石炭に近いことから、石炭火力での利用に適しています。
日本は、火力発電設備でアンモニアを燃料として直接利用するために、世界でも唯一の技術開発を行っています。現在はアンモニアを20%混焼して、安定した燃焼とNOx(窒素酸化物)排出量の抑制に成功しました。既存の火力発電所でもこのアンモニア発電を行うことで、CO2排出量の少ない火力発電が可能になります。

アンモニア混焼バーナー(イメージ)

アンモニア混焼バーナー(イメージ)

混焼実証中の施設(JERA碧南火力発電所)

混焼実証中の施設(JERA碧南火力発電所)

アンモニアが“燃料”になる?!(前・後編)

「アンモニア」といえば、思い浮かぶのは「刺激臭のある有毒物質」というイメージでしょう。実はアンモニアには、次世代エネルギーとしての大きな可能性が秘められているのです。

CO2を削減する技術の開発

カーボンリサイクル、CCUS(CO2の再利用)

CO2を分離・回収し、コンクリートやプラスチック原料など資源として利用し、大気中へのCO2排出を抑制していく技術です。

カーボンリサイクル(CO2の再利用)

CO2削減の夢の技術「カーボンリサイクル」の開発・実装

カーボンニュートラルの実現のカギを握るテクノロジーのひとつが「カーボンリサイクル」です。2022年度に整備されたカーボンリサイクル実証研究拠点において技術開発・実証を集中的に実施することで、技術の速やかな実装を目指しています。

【カーボンリサイクルとは】
【カーボンリサイクル実証研究拠点】

【カーボンリサイクル実証研究拠点】 - こちらのQRコードで記事がご覧頂けます。

人工光合成

プラスチックなど身近な製品の原料を製造する化学産業において、CO2を活用しようとする技術です。光触媒を活用した人工光合成は日本がリードする技術で、産学連携で技術開発に取り組んでいます。

人工光合成

イノベーションの実用化

蓄電システムの普及拡大

燃料電池やエネファームの普及拡大において、日本は蓄電システムの技術開発と普及が最も進んでいる国です。

主要市場の家庭蓄電システムの導入実績

主要市場の家庭蓄電システムの導入実績

国内の定置用リチウムイオン蓄電システム普及台数(累計)

国内の定置用リチウムイオン蓄電システム普及台数(累計)

出典:
日本電機工業会

エネファーム

水素を活用する家庭用燃料電池エネファームは、2009年に世界に先駆けて日本で販売が開始され、2022年9月末時点で45万台以上が普及しています。
今後、部品点数の削減などに向けた更なる技術開発を進め、一層のコスト削減を目指すだけでなく、電力系統において供給力・調整力として活用する実証等、燃料電池の持つポテンシャルを最大限活用出来る環境整備を支援します。

国内のエネファーム普及台数(累計)

国内のエネファーム普及台数(累計)

出典:
コージェネ財団

あらためて知る「燃料電池」

身近にある燃料電池としてすっかりおなじみとなった「エネファーム」などの定置用燃料電池を事例に、燃料電池が電気や熱をつくるしくみをあらためてご紹介します。

さまざまな技術の実用化でCO2を削減

さまざまな技術の実用化でCO2を削減

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