2021年度冬季の電力需給見通しを踏まえた需給ひっ迫・市場価格高騰対策

①需給対策

(ア) 広域機関による電力需給の見通し(kW・kWh)の確認及びkW・kWhひっ迫への対応

電力広域的運営推進機関(以下、広域機関)では、今冬の厳寒H1需要時の電力需給の見通し(kW・kWh)をとりまとめました。

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また、広域機関では、最新の気象予報に基づく需要見通しや供給力増減等の変化も加味しつつ、週単位でのkWの需給バランスを予備率として評価するkWモニタリングを行います。また、発電事業者や小売電気事業者などに適正な供給力(kWh)確保や余力の管理を促すため、約2か月先までのkWh供給力を把握するkWhモニタリングを行います。さらに、kWh不足が生じた場合に、約2週間先までのkWh余力を把握し、国、広域機関、一般送配電事業者が需給対策を講じるための指標として、kWh余力率を算出し公表します。

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参考3 広域機関システム「系統情報サービス」

広域機関では、通年で電力需要予想・ピーク時供給力等の需給関連情報をWebサイト「系統情報サービス」において公開しています。

(イ) 燃料ガイドライン

将来的なkWh不足の可能性を判断する基準や全国大での需給逼迫が発生した際の必要燃料量等も考慮した燃料調達行動の目安等、kWh不足を考慮した燃料確保の方向性を示すことを目的に、発電事業者等による望ましい燃料確保の在り方を示す「燃料ガイドライン」を策定いたしました。

参考

(ウ) でんき予報

「でんき予報」は、各地域で日々のピーク需要をまかなう供給力(kW)が確保されているかどうかを公表しているものです。しかし、昨冬のようなkWh不足の状況下では、必ずしも実際の供給力に基づく需給状況がリアルタイムで表示されず、混乱を生じさせる場面もありました。このため、供給力に織り込まれる要素(揚水発電の潜在出力量等)の計上方法を統一するほか、メッセージの更なる明確化を図っています。詳しくは各一般送配電事業者のHPをご覧ください。

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(エ) 追加供給力の公募(東京エリア)

2021年4月に広域機関が2021年度の電力需給見通しを公表しましたが、とりわけ東京エリアにおける2022年1月及び2月の需給ギャップは大きいものとなりました。発電所の補修点検時期の調整等を通じ、追加的に供給力を確保してもなお、厳寒H1需要に対して安定供給に必要な予備率3%を下回る見通しとなったことから、東京電力パワーグリッドが実施主体となり、東京エリアの不足量(▲55万kW)を最低確保量として追加供給力公募が行われました。

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(オ)電力・ガス需給と燃料(LNG)調達に関する官民連絡会議

電力・ガス事業者をはじめ燃料調達を担う主要な事業者と資源エネルギー庁との間で、今冬の電気・ガスの需給の見通し、燃料であるLNGの調達・確保の重要性についての認識と懸念事項、当面の政策的対応等について、認識の共有を行いました。
本連絡会において、資源エネルギー庁からは、
・冬季に向け、引き続き計画的かつ着実なLNGの調達をして頂きたいこと
・今冬において、仮に電力需給がひっ迫した際には、業界の垣根を越えた協力をして頂きたいこと
についてお伝えしました。

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(カ)電気事業者に対する要請(発電事業者・小売電気事業者)

2021年度冬季の電力需要については、最低限必要な予備率3%を確保できているものの、過去10年間で最も厳しい見通しであることを踏まえ、供給面・需要面ともにあらゆる対策を準備しておく必要があります。したがい、発電事業者に対して保安管理の徹底や計画外停止の未然防止を要請するとともに、火力発電設備を保有する発電事業者に対しては、十分な燃料確保も併せて要請します。小売電気事業者には、相対契約やディマンドレスポンス契約の拡充等を通じて事前に供給力を確保しておくことを要請し、一般需要家に対しては、無理のない範囲で効率的な電力の使用(省エネ)への協力の呼びかけを行います。

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(キ)kWh不足に備えた追加的な公募の検討

昨冬のような全国的なkWh不足が生じる場合には、kWの確保だけでは必ずしも十分ではない可能性があります。安定供給確保の観点から、最終的に一般送配電事業者が追加的な供給力(kWh)を確保することの必要性について、電力・ガス基本政策小委員会で御議論いただきました。引き続き、公募の在り方に関して検討を深めるとともに、燃料をめぐる国内外の市況を踏まえつつ、公募を実施するか否かについても、同委員会で御議論いただく予定です。

参考

(ク)自家用発電設備を保有する事業者に対する、焚き増し(増出力)要請のあり方

昨冬の需給ひっ迫時には、自家発保有事業者に対しても焚き増し要請を行い、余剰電力を調達しました。しかし、調達時の具体的な手順や精算方法等に関するルールが整備されていなかったために、協議が難航する事態が生じました。こうした事態を回避するため、自家発保有事業者が予め小売電気事業者やアグリゲーターと契約を結んでいる場合には、協力要請はそれらの事業者から、そのような既存契約がない場合には一般送配電事業者から、直接、協力要請を行うこととし、必要なルール(事業者リストの作成、費用精算等)を整備していく予定です。

参考

②市場価格対策

(ア) 電力スポット市場等の価格高騰時における大手電力事業者に対する監視及び情報公開

昨年度冬期に発生した電力スポット市場価格高騰の検証結果を踏まえ、電力・ガス取引監視等委員会において、同市場等の価格高騰時における大手電力事業者に対する監視及び情報公開についての対応を定めました。

参考

(イ) ヘッジ市場の活性化(TOCOMとEEXの取引状況)

本年1月のスポット価格上昇等も踏まえ、ヘッジ市場が活性化され、先物取引を行う事業者が増え、電力先物の取引高は増加傾向にあります。

先物市場の取引量の推移

※ヘッジ手段の活用の具体例等や株式会社東京商品取引所(TOCOM)やEuropean Energy Exchange(EEX)の活用事例などは、(エ)に記載の参考事例集も参照。

(ウ) 市場のセーフティネット(インバランス上限の設定)

市場価格が需給ひっ迫状況等から乖離して上昇することがないようにするためのセーフティネットとして、今般、一般送配電事業託送供給等約款料金算定規則等を改正しました。
具体的には、下記のとおりです。

  1. 一般送配電事業者が前日夕方に公開する「でんき予報」上の各日に最初に公表された予想予備率(使用率ピーク時)が複数の供給区域で3%以下となる場合、インバランス料金の上限価格を200円/kWhとする。
  2. 上記以外の場合、インバランス料金の上限価格を80円/kWhとする。

参考

(エ) 地域や需要家への安定的な電力サービス実現に向けた市場リスクマネジメントに関する指針及び参考事例集

2020年度冬期のスポット市場価格の高騰等、スポット市場における取引には大きな価格変動リスクが伴います。地域や需要家に対し、安定的な電力サービスを実現するために、電気事業者は、スポット市場が大きな価格変動リスクを伴う市場であることを改めて認識し、適切にリスクマネジメントを実施していく必要があります。

このため、電気事業者におけるリスクマネジメントの一助となるよう、電気事業者において実施が望ましいと考えられる行為を指針としてまとめるとともに、電気事業者のリスクマネジメントの参考となるよう、参考事例集を作成し、11月15日に制定しました。

参考

(オ) 2021年度夏季及び冬季の電力需給見通しを踏まえた小売電気事業者・地域新電力向け勉強会

本年度の夏季及び冬季の電力需給見通しがここ数年で最も厳しい見通しになっていることを踏まえ、6月23日に小売電気事業者向け勉強会、6月25日に地域新電力向け勉強会をオンラインで開催しました。また、11月9日にも、冬季に向けた小売電気事業者向け勉強会を開催しました。

参考

最終更新日:2021年11月25日