電気の計量制度について
1.電気の計量制度において、計量法に定める特定計量器として計量法の適用を受けるものの範囲について教えてください。
計量法第2条第4項において、「取引若しくは証明(以下「取引等」という。)における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係る基準を定める必要があるもの」を「特定計量器」として規定しており、同法施行令第2条において電気の計量に関する特定計量器として以下の3種類が規定されております。
- 最大需要電力計:
需要家の1か月の間の最大需要電力(キロワット〔kW〕)を計量する計器で、検針月を含む過去1年間の最大需要電力を「契約電力」として「基本料金」の算定に使用されます。 - 電力量計:
需要家等が使用した電力量(キロワットアワー〔kWh〕)を計量する計器で、1か月の使用電力量によって「電力量料金」の算定等に使用されます。 - 無効電力量計:
需要家の負荷の無効電力量(キロバールアワー〔kvarh〕)を計量する計器で、1か月の無効電力量と電力量によって「力率」を計算し、基本料金の割引、割増し率を算定するために使用されます。
このため、これらの特定計量器を用いて取引等を行う場合には、計量法第16条の規定に基づき、日本電気計器検定所が行う検定に合格している「検定証印」又は指定製造事業者が行う自主検査に合格している証である「基準適合証印」のいずれか(いずれも有効期間を経過していないもの)が貼付されている特定計量器を使用する必要があります。
なお、この法律において「取引」とは、法第2条第2項の規定により、「有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為」をいい、「証明」とは、「公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明すること」をいいます。
また、通常、一般家庭においては次の(1)のように単独計器と呼ばれる電力メーターが、工場などの大規模な施設においては(2)のように変成器付計器と呼ばれる電力メーターが設置されております。
- (1)単独計器 電気の使用量を直接計量する電気計器
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- (2)変成器付計器 変成器(計器用変圧器・交流器)とともに使用して電気の使用量等を計量する電気計器
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※電気計器=電力量計+最大需要電力計+無効電力量計
(「電力量」・「最大需要電力」・「無効電力量」等すべてを計量できる「電力需給用複合計器」を含む)
- 計量法(抜粋)
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- (定義等)
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第二条 この法律において「計量」とは、次に掲げるもの(以下「物象の状態の量」という。)を計ることをいい、「計量単位」とは、計量の基準となるものをいう。
- 一 長さ、質量、時間、電流、・・・(略)・・・、電力、無効電力、皮相電力、電力量、無効電力量、皮相電力量、・・・(略)
- 二 (略)
- 2 この法律において「取引」とは、有償であると無償であるとを問わず、物又は役務の給付を目的とする業務上の行為をいい、「証明」とは、公に又は業務上他人に一定の事実が真実である旨を表明することをいう。
- 3 (略)
- 4 この法律において「計量器」とは、計量をするための器具、機械又は装置をいい、「特定計量器」とは、取引若しくは証明における計量に使用され、又は主として一般消費者の生活の用に供される計量器のうち、適正な計量の実施を確保するためにその構造又は器差に係る基準を定める必要があるものとして政令で定めるものをいう。
- 計量法関係法令の解釈運用等について(平成30年4月 経済産業省計量行政室)
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- 1 「取引」「証明」等の定義の解釈について
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(4)取引における計量の解釈
① 法第2条第2項に規定する「取引」における計量とは、契約の両当事者が、その面前で、計量器を用いて一定の物象の状態の量の計量を行い、その計量の結果が契約の要件となる計量をいう。
- 計量単位令(抜粋)
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- (計量単位の定義)
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第二条 法第三条に規定する計量単位の定義は、別表第一のとおりとする。
2 (略)
別表第一(第二条関係) 物象の状態の量 計量単位 定義 四十七 電力 ワット 一ワット工率に相当する電力 四十八 電力量 ジュール又はワット秒 一ジュールの仕事に相当する電力量 ワット時 ジュール又はワット秒の三千六百倍
- 計量単位規則(抜粋)
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- (記号)
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第二条 法第七条の経済産業省令で定める計量単位の記号は、次のとおりとする。
- 一 法第三条及び第四条に規定する計量単位にあっては別表第二に掲げるもの
- 二 (略)
別表第二(第二条関係) 物象の状態の量 計量単位 記号 電力 ワット W 電力量 ジュール J ワット秒 Ws ワット時 Wh
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最終更新日:2025年1月23日