第2章 グリーントランスフォーメーション(GX)・2050年カーボンニュートラルの実現に向けた日本の取組

日本では、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化などの経済安全保障上の要請が高まっていることや、デジタルトランスフォーメーション(DX)や電化等のGXの進展による電力需要の増加が見込まれることなど、日本を取り巻くエネルギー情勢が変化する中、エネルギー安定供給、経済成長、脱炭素を同時実現するため、2024年5月から、「エネルギー基本計画」が、「GX2040ビジョン」や「地球温暖化対策計画」と一体的に検討が進められ、これらは2025年2月に閣議決定されました。

本章の第1節では、こうした検討の背景となった日本のエネルギーを取り巻く近年の環境変化として、4つの変化を概観しています。第2節では、DX・GXの進展を踏まえたエネルギー・産業政策の一例として、電力と通信の連携(ワット・ビット連携)を通じたデータセンター等の国内立地加速に向けた状況について確認していきます。第3節では、カーボンニュートラル実現に向けた次世代エネルギー革新技術の動向について確認していきます。