はじめに 1-2

1973年10月6日に勃発した第四次中東戦争を契機に発生した「第一次オイルショック」から、50年の月日が経過しました。50年前の中東産油国による原油生産の削減や原油価格の引き上げ等は、当時、エネルギーの多くを石油に頼っていた世界各国の暮らしや経済に大きな衝撃を与えるとともに、世界中にエネルギーセキュリティの重要性を強く認識させることとなりました。それから50年が経過した今も変わらず、エネルギーセキュリティの確保は世界中の課題となっており、各国では、カーボンニュートラルの実現に向けた取組とともに、エネルギーセキュリティの確保に向けた取組が進められています。

本章の第1節では、世界のエネルギー情勢の不確実性を高めている事象や、エネルギーセキュリティの確保に向けた世界各国の取組、政策動向等について概観しています。第2節では、エネルギーセキュリティに関する日本の状況や日本のエネルギーが抱えている構造的課題、そして、2024年の元日に発生した「令和6年能登半島地震」によるエネルギーへの影響等についても記載しています。