第5節 鉱物資源の安定供給確保に不可欠なリサイクルの推進及び備蓄体制の強化等
鉱物資源については、その供給のほぼ全てを海外に頼っている一方、省エネルギー・再生エネルギー機器等のものづくり産業に必要不可欠な原材料であり、その安定供給確保は重要な課題です。そのため、資源外交を通じた資源供給国との関係強化と並行して、鉱物資源の安定的な供給確保に向けた総合的な取組として、レアメタルの短期的な供給障害に備えることを目的としたレアメタル国家備蓄、使用済製品からの有用金属の回収・リサイクルを加速化させるための技術開発、希少金属を豊富に存在する資源で代替する技術の開発や希少金属の使用量を削減するための技術開発等の取組を進めています。
<具体的な主要施策>
1. リサイクル優先レアメタルの回収技術開発【2014年度当初:1.3億円】
「使用済小型電子機器等の再資源化の促進に関する法律」(2012年8月成立)に基づいた回収・リサイクルスキームの検討と並行し、製錬事業者が市中の使用済小型家電製品等からタンタル及びコバルトを回収するための技術開発を行いました。
2. 超電力使用削減低品位銅電解精製プロセス開発事業【2014年度当初:2.0億円】
銅製錬業はエネルギー多消費型産業。電解精製が可能なプロセスを開発し、電解工程での電力使用量の大幅な低減を図りました。
3. 資源循環実証事業【2014年度当初:1.7億円】
レアメタルのリサイクルが経済的に成り立つ状況を目指すため、民間団体等によるレアメタルを含む使用済製品の回収スキーム構築やリサイクル技術実証について補助を行いました。
4. 希少金属代替材料開発プロジェクト【2014年度当初:5.2億円】
レアアース等の希少金属の機能を、より豊富に存在する資源に代替もしくはその使用量を大幅に削減する実用化技術開発等について委託及び補助を行いました。
5. 次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発【2014年度当初:30.0億円】
ジスプロシウム等のレアアースを使用せず、従来以上に強力な磁性体の開発等を行うとともに、電力消費の半分を占めるモーターについても、設計及び試作を行い、エネルギー損失を25%削減できる高性能モーターの開発を進めました。
6. 希少金属備蓄対策事業費【2014年度当初:4.1億円】
代替が困難で、供給国の偏りが著しいレアメタルについて、短期的な供給障害等に備えるため、備蓄を行いました。