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再生可能エネルギーとは

 

再エネで地域を元気にしよう!

ライフエナジーデザイン団 株式会社
(町民による再生可能エネルギー事業(屋根貸し太陽光発電事業))

1.事業概要

「ライフエナジーデザイン団 株式会社」は、栃木県益子町の町民5名が株主となり、平成28年11月1日に設立された非営利型株式会社です。
平成28年度再エネコンシェルジュ事業の案件形成支援プログラムに採択され、事業計画策定・改善等の支援を受けました。
その後、同団体は、益子町の「町有施設屋根貸し太陽光発電事業」の公募に応募し、平成30年7月6日町有施設の使用予定者に選定されました。同団体は、益子町体育館の屋根に太陽光発電設備を設置し、平成30年9月28日、FITによる売電を開始(53.04kW)しています。

益子町町有施設屋根貸し太陽光発電所

益子町町有施設屋根貸し太陽光発電所(益子町体育館)

2.事業化検討のプロセス

(1)事業開始の契機

「ライフエナジーデザイン団 株式会社」の代表は、益子町のガソリンスタンド(GS)の経営者であり、以前より、GSに急速充電器を設置したり、ペレットストーブ事業等の取組みをしていました。こうしたことから、益子町の環境やまちづくりの委員会委員に選ばれ、町の再生可能エネルギー自給率を高めるための計画等を策定していました。
同代表は、町の再生可能エネルギー普及に取り組むため、町が「町有施設屋根貸し太陽光発電事業」の公募を行う機会をとらえ、これに応募することを決め、また個人ではなく、地元住民を巻き込んだ非営利団体を設立し、その団体の立場から応募することにしました。その理由は、当該太陽光発電事業を、個人のためではなく、再生可能エネルギーの普及促進のため、さらには町の発展のために実施することを目指し、周囲にもその思いを共有してもらいたいと考えたからです。

(2)事業実施上の課題

「ライフエナジーデザイン団 株式会社」の代表は、町の再生可能エネルギー普及に取り組むため、まず住民を代表する団体を設立しようとしましたが、地元住民の協力を得、メンバーを集めるのにも時間を要しました。
平成29年当時、「ライフエナジーデザイン団 株式会社」は、以前益子町で町有施設の屋根貸し事業の公募が実施された際に応募した事業者がいなかったことから、再公募が行われることを予想しそれに応募することを予定していましたが、事業化に当たっての工事費の妥当性、事業収支計画、資金調達方法、その他配慮事項に関して検討の精度が低い状況でした。
メンバーには個人で太陽光発電の設置経験等を有している者もいますが、屋根貸し事業に申請する上ではいくつかの助言が必要でした。

(3)課題克服方法とその効果

上記の課題を踏まえ、再エネコンシェルジュ事業では、以下の支援を行いました。

①地元調整に関する助言
他地域での事例を紹介しながら、具体的な取り組み策を提案しました。同代表は、提案等を踏まえて、まちづくりの勉強会等に積極的に参加しネットワークを広げるとともに、メンバーを集め、さらに地域住民の理解を広げていくことに成功しました。
②事業計画策定に関する助言・支援
工事費、発電電力量、収支計画、保険、融資、その他経費について、細やかな助言を行い、事業性を高めました。

3.今後の展開

「ライフエナジーデザイン団 株式会社」の定款には、剰余金等は社会貢献活動に携わる人や団体に対して活用されうることが明記されています。同団体は、今後、町有施設屋根貸し事業で得られた収益やノウハウ等を、他の再生可能エネルギー事業や益子町のまちづくり計画に活用していく予定です。
また、今回の太陽光発電事業の一環で、災害時等に町有施設が停電になった場合に備え、非常用電源設備を設置しました。これは、東日本大震災当時、福島県いわき市からの避難民を益子町で受け入れた経験があったこと等から町でも非常用電源について検討した経緯があり、そうした電源を持つ意識が高いといえます。

益子町体育館に設置した非常用電源設備

益子町体育館に設置した非常用電源設備

さらに、同団体は、今回設置した太陽光発電設備が益子中学校からよく見える位置にあるため、子供たちへの環境教育にも貢献したいと考えています。

太陽光発電設備が搭載された屋根から見た益子中学校

太陽光発電設備が搭載された屋根から見た益子中学校