我が国は、2050年カーボンニュートラルの実現を目指すとともに、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画では、再生可能エネルギーについて、電源構成で36~38%程度を目指すこととしています。この目標の実現に向けて、再生可能エネルギーの主力電源化を徹底し、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら最大限の導入を促すことが不可欠です。
FIT制度導入以降、再生可能エネルギーの導入量は増加した一方で、発電までのリードタイムが比較的短い太陽光発電を中心に再エネ導入が促進され、多様な事業規模の事業者等が新規参入する中で、安全面、防災面、景観や環境への影響、将来の廃棄等に対する地域の懸念が高まっています。
こうした課題等を踏まえ、関係審議会でも御議論いただき、関係措置を盛り込んだ再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法(以下「再エネ特措法」といいます。)の改正を含む「GX脱炭素電源法」が成立しました。この法律により、令和6年4月1日に、再エネ特措法は改正されます。改正の概要等は以下のとおりです。
大規模電源や周辺地域に影響を及ぼす可能性が高いエリアで再エネ発電事業を行おうとする事業者は、FIT/FIP認定申請前に、改正再エネ特措法に基づく要件を満たす説明会を開催することが必要となります。その他の小規模電源についても、事前周知措置(ポスティング等)を実施することが必要となります。
また、FIT/FIP認定を既に取得した認定事業者も、認定計画を変更しようとする場合のうち、一定の場合は、変更認定申請前に、改正再エネ特措法に基づく要件を満たす説明会を開催することや、事前周知措置(ポスティング等)を実施することが必要となります。
説明会等の対象となる再エネ発電事業の範囲や説明会の要件などは、関係審議会での議論を経て、現在、措置の具体化に向けた検討を実施しているところです。
認定事業者が、再生可能エネルギー発電事業の一部または全部を他社に委託・再委託する場合について、委託先・再委託先に対する必要かつ適切な監督を行う義務を創設します。
関係審議会においては、認定事業者と委託先との間で書面の契約書を締結し、契約書において委託先も認定基準・認定計画に従うべき旨を明確化することなどを求める方向で議論がされていますが、現在、措置の具体化に向けた検討を実施しているところです。
認定事業者が、関係法令(条例を含みます。)や、認定計画・認定基準に違反している場合は、FIT/FIP交付金を一時停止する制度を創設します。また、違反が解消されず、認定取消しに至った場合は、一時停止された交付金を徴収する措置を創設します。詳細については、関係審議会での議論を得て、現在、措置の具体化に向けた検討を実施しているところです。
太陽光パネルの増設・更新を行う場合、認定出力のうち当初設備相当分は価格を維持しつつ、増設・更新のための追加投資部分は新たな価格を適用する(更新・増設後の設備も含めて当初設備の調達期間等は維持する)支援制度を創設します。
関係審議会においては、太陽光パネルの増設・更新に伴う太陽光パネルの適正な廃棄を担保するための措置として、太陽光パネルの増設の際に生じる廃棄等費用の積立不足額については、増設の際の変更認定時に一括して原則外部積立てを行う方向で議論がされていますが、現在、措置の具体化に向けた検討を実施しているところです。
災害の危険性に直接影響を及ぼし得るような土地開発に関わる以下(1)~(3)の許認可について、周辺地域の安全性に特に強く関わり、かつ、一度許認可対象の行為が行われた場合は原状回復が著しく困難であるため、認定手続を厳格化し、FIT/FIP 認定の申請前に取得することとしました。
風力・地熱発電事業について、法又は条例に基づく環境影響評価手続の対象である場合は、特例として、上記(1)~(3)の許認可を認定後に取得することを認めます。ただし、認定から3年以内に当該許認可を取得することなどを条件とした認定が行われ、条件に違反した場合は、認定の取消しの対象とするなど、厳格な対応(※)を行います。
※環境影響評価手続の完了前に一連の事業に着手した場合や、環境影響評価手続終了後であっても上記(1)~(3)の許認可取得前に開発行為に着手した場合は、認定を取り消す。また、FIT/FIP認定から3年以内に許認可を取得し終え、届け出なければならない。なお、当該期間内に許認可を取得できなかった場合は、認定を取り消す。
再エネ特措法(FIT・FIP制度)及び
再生可能エネルギーに係る
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50kW未満太陽光発電設備の
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