スマートメーターのオプトアウト制度に関するQ&A

お知らせ

第86回電力・ガス基本政策小委員会における議論を踏まえ、2028年4月1日よりオプトアウト制度を導入することとなったことから、制度周知の観点からQ&Aを掲載することとしました。

スマートメーターとは?

 スマートメーターは、家庭やオフィス、工場など需要家の消費電力量を30分毎に計測可能な通信機能付き計量器です。2014年から本格的に導入を開始しており、原則すべての需要家に設置しています。

スマートメーターの導入によって、例えば、以下のようなメリットが期待されています。

  • 30分毎の消費電力量を適時に確認することができ、需要家の省エネやディマンド・レスポンスの活用等の促進。
  • 双方向計器化により、一つの計器で需要家の電気の使用量のみならず、家屋の屋根等の電気の使用場所と同一の場所に設置された発電設備からの発電量も計測可能となることによる、再生可能エネルギーの導入促進。
  • 遠隔で検針等を行うことが可能になることによる、電力会社の業務効率化等。

 今後は、需要家が利用する個別の機器の電気の利用状況などより多くのデータを取得することも可能となる第二世代スマートメーターの導入を2025年度から順次行い、2030年代早期までに原則全ての需要家に対して導入することを目指します。これにより、需要家の多様なニーズに応えた分散型エネルギー源の活用促進、またデジタル化の促進が期待されます。

Q&A

1.なぜスマートメーターの設置が必要なのですか。

スマートメーターは、第3次エネルギー基本計画(平成22年6月閣議決定)等において、遠隔自動検針や遠隔開閉等による託送業務の効率化、需要家が自身の電気の使用状況を把握することによる省エネ等の推進、双方向化による再エネ導入の促進等の観点から、原則全ての需要場所に導入することとしています。

2.スマートメーターのオプトアウト制度(以下「オプトアウト制度」という。)とはどのような制度ですか。

オプトアウト制度は、需要家の申出により、一般送配電事業者が小売電気事業者に対してオプトアウトの受付の可否を確認した上で、スマートメーターの通信機器を取り外す制度です。
ただし、スマートメーターの通信機器を取り外した場合、一般送配電事業者は、取り外しに必要な工事や検針員による検針(毎月)等の対応を行う必要が生じ、追加的な費用が必要となるため、オプトアウト制度を希望する需要家には、事務手数料を負担いただくこととなります。
オプトアウト制度に係る手続き等については、今後、各一般送配電事業者の託送供給等約款において規定し、周知等を行う予定です。

(参考)
第86回電力・ガス基本政策小委員会(2025年2月28日)

3.オプトアウト制度の開始時期はいつになりますか。

オプトアウト制度は2028年4月1日から導入予定です。

4.オプトアウト制度は希望すれば誰でも申込みが可能ですか。

原則として、希望するすべての需要家が対象となります。ただし、一年未満の電気の使用に伴う契約(臨時接続送電サービス)を行う需要家については、本制度の対象外となります。

5.オプトアウト制度を申し込みたいが、どのように申し込めば良いのですか。

オプトアウト制度は、2028年4月1日から導入されるため、申込みの方法などの具体的な手続き等については、決定次第、各一般送配電事業者のWebサイト等において公表予定です。

6.オプトアウトを希望した場合、どのような対応をしてもらえますか。

需要家から一般送配電事業者に対してオプトアウトの適用に係る申出を行い、一般送配電事業者が小売電気事業者に対してオプトアウトの受付の可否を確認した上で、当該申出を受理し、需要家に事務手数料を負担いただいた上で、一般送配電事業者がスマートメーターに搭載された通信機器を取り外します。
なお、オプトアウトを行った場合、例えば、個別機器を活用したデマンド・リスポンスなど、スマートメーターの通信機能の活用を前提としたサービスが受けられなくなる等の影響が生じることがあります。
また、旧型計量器(誘導型等)への取替えは行うことができません。

7.なぜ、旧型計量器(誘導型等)への取替えを行えないのですか。

原則全ての需要場所にスマートメーターを導入することとなっており、旧型計量器は、既に主要な計量器メーカーにおいて新規生産が行われていません。また、生産が終了した計量器を使用し続けることにより、適切な時期に計量器の交換を行うことができず、計量法の規定違反(検定有効期間を超過した計量器の使用)に繋がることが懸念されます。こうしたことを考慮し、資源エネルギー庁の審議会において、旧型計量器への取替えは行わない方針が示されました。

(参考)
第86回電力・ガス基本政策小委員会(2025年2月28日)

8.制度開始以前であれば旧型計量器(誘導型等)を設置してもらえますか。

上記の通り、主要な計量器メーカーにおいて旧型計量器の新規生産が行われていないこと等を踏まえ、旧型計量器への取替えが行えないことから、スマートメーターの通信機能の取り外しにより対応することとなります。

9.オプトアウト制度を適用する場合の費用はいくらになりますか。

事務手数料として計量器毎に44,000円(税込)を負担いただくこととなります(支払い方法は一括、手数料は全一般送配電事業者一律の金額で設定)。
なお、オプトアウト制度を適用する需要家の増加など、相当程度の環境変化があった場合には、必要に応じて事務手数料の水準が見直されることがあります。

10.一つの住所において複数契約している場合など、計量器が複数ある場合の事務手数料はどうなりますか。

事務手数料は、計量器毎に取替や通信機器の取り外しに係るコスト等が生じることも踏まえ、計量器毎に44,000円(税込)を負担いただくこととしております。したがって、オプトアウトを希望した需要家の契約に使用する計量器が複数ある場合には、設置された計量器数に応じて事務手数料が発生します。

11.事務手数料はどのような根拠で44,000円と設定されていますか。

資源エネルギー庁の審議会において、オプトアウトに係る対応コスト(工事や検針、料金請求等に要するコスト)を勘案して事務手数料の金額が設定されました。
具体的には、

  • 家族世帯と比較して、賃貸における入居期間が短期間となる単身世帯であっても、その平均入居期間が3年程度となること
  • 各一般送配電事業者の人件費等を勘案し、試算を行った結果、オプトアウトに係る一般送配電事業者毎の3年分のコストが44,000円~84,000円程度となったこと
    等を踏まえ、最低限必要なコストとして、全一般送配電事業者一律に、計量器毎に44,000円の料金設定とすることとしました。より詳細な算定根拠等については、下記の資料を御確認ください。

(参考)
第86回電力・ガス基本政策小委員会(2025年2月28日)

12.検針コストについては、最低限で3年分の費用が織り込まれているということであれば、3年以内に転居等に伴い、スマートメーターの通信機器を原状回復した場合には44,000円について3年未満の差額精算を実施してもらえるのですか。

事務手数料は、あくまで基準となるケースを設定し、金額を試算したものであり、実費に基づいて請求を行うものではありません。したがって、期間に関係なく3年未満でオプトアウトを中止した場合でも差額精算等は行わず、オプトアウトを申し出た計器毎に事務手数料を負担いただくこととなります。

13.事務手数料は一度支払いをすれば、将来にわたってスマートメーターの通信機器を取り外してもらえますか。

計量器の有効期間(検定期間)が満了を迎える前に改めてオプトアウト制度の継続適用の意思確認を行い、取替後の計量器においてもオプトアウト制度の継続適用を希望する場合には、計量器取替工事着手前に再度、事務手数料として44,000円を負担いただくこととなります。

14.既にスマートメーターの通信機能の取り外し等の対応を受けている需要家も、事務手数料の支払い対象となりますか。

負担の公平性の観点から、制度開始時点(2028年4月1日時点)でオプトアウト状態にある需要家については、オプトアウトを行った時期に関わらず、事務手数料を負担いただくこととなります。仮に事務手数料を支払わない場合には、最終的に通信機能付のスマートメーターに原状回復する等の対応を行うこととなります。
ただし、既に通信機器の取り外し等の対応を受けている需要家が、オプトアウト制度開始(2028年4月1日)までに、通信機器付のスマートメーターに変更した場合には、事務手数料を負担いただく必要はありません。
今後の具体的な手続きの方法等については、決定次第、改めて各一般送配電事業者から御案内します。

15.オプトアウトを希望しますが、事務手数料は払わなければなりませんか。支払いを求める根拠は何ですか。

オプトアウト制度の適用が認められ、スマートメーターの通信機器を取り外す場合には、一般送配電事業者は取り外しに必要な工事や検針員による検針(毎月)等の対応を行う必要が生じ、追加的な費用が必要となるため、オプトアウト制度を希望する需要家には、事務手数料を負担いただくこととなります。
このため、オプトアウト制度の開始後、新たにオプトアウト制度の適用を希望する場合、事務手数料を支払わなければ、一般送配電事業者はスマートメーターの通信機器の取り外し工事は行わず、通信機器付のスマートメーターの利用を継続することとなります。
なお、上記の措置や措置に係る手続き等については、今後、各一般送配電事業者の託送供給等約款において規定される予定です。

16.オプトアウト制度開始以前にスマートメーターの通信機器の取り外し等の対応を受けている需要家がオプトアウト制度開始後に事務手数料を支払わなかった場合はどうなりますか。また、計量器の有効期間(検定期間)の満了に伴う計器取替時に継続してオプトアウトを希望し、かつ事務手数料を支払わなかった場合、どうなりますか。

制度開始時点(2028年4月1日時点)でオプトアウト状態にある需要家については、オプトアウトを行った時期に関わらず、事務手数料を負担いただくこととなります。仮に事務手数料を支払わない場合には、最終的に通信機器付のスマートメーターに原状回復する等の対応を行うこととなります。
万一、事務手数料の支払い又は通信機器付きのスマートメーターへの取替に応じない場合は、一般送配電事業者が事務手数料の支払いに関する案内等を行います。それでも事務手数料の支払い等に応じていただけない場合は、十分な予告等を行った上で電気の供給を停止することとなります。
また、オプトアウト制度開始後、オプトアウト制度を適用した需要家に設置した計量器の有効期間(検定期間)満了に際して、事務手数料を支払わず、かつ通信機器付のスマートメーターへの取替に応じない場合も、同様です。
なお、上記の措置や措置に係る手続き等については、今後、各一般送配電事業者の託送供給等約款において規定される予定です。

17.オプトアウトを希望する需要家になぜ費用負担を求める必要があるのでしょうか。

スマートメーターの通信機器を取り外す場合、一般送配電事業者は、取り外しに必要な工事や検針員による検針(毎月)等の追加的な対応を行う必要が生じ、追加的な費用が必要となります。
オプトアウトを希望する需要家が増加すれば、こうした追加的な費用も増加し、その費用は通常のスマートメーターを利用する需要家にも負担いただくこととなり、負担の公平性を損なうこととなります。
こうしたことを踏まえ、資源エネルギー庁の審議会において海外事例も参考にしつつ、検討を行った結果、2028年4月1日以降は、オプトアウトを希望する需要家に事務手数料を負担いただくこととなりました。
審議会における詳細な議論の内容については、下記の資料を御確認ください。

(参考)
次世代スマートメーター制度検討会(中間とりまとめ:2021年2月18日)
第86回電力・ガス基本政策小委員会(2025年2月28日)

18.今設置されている旧型計量器(誘導型等)をこのまま使用したい場合は事務手数料を支払わなくてもよいですか。

旧型計量器(誘導型等)は、既に主要な計量器メーカーにおいて新規生産が行われていません。また、生産が終了した計量器を使用し続けることにより、適切な時期に計量器の交換を行うことができず、計量法の規定違反(検定有効期間を超過した計量器の使用)に繋がります。このため、原則として、全ての需要場所にスマートメーターを導入することとしています。
なお、過去にオプトアウトを希望したことにより旧型計量器が設置されている場合には、計量器の有効期間(検定期間)の満了までの間は旧型計量器を使用することは可能ですが、2028年4月の制度開始以降は旧型計器を使用していても事務手数料を負担いただくことになります。また、計量器の有効期間(検定期間)の満了後はスマートメーターを設置することとなるため、取替後のスマートメーターにおいてもオプトアウト制度の継続適用を希望する場合には、あらためて事務手数料として44,000円を負担いただいたうえでスマートメーターの通信機器を取り外すこととなります。

19.オプトアウト制度について需要家から適用希望があった場合、小売電気事業者はどのように関わりますか。

需要家が一般送配電事業者に対してオプトアウトの適用に係る申出を行った場合、一般送配電事業者が小売電気事業者に対してオプトアウトの受付の可否を確認した上で、小売電気事業者が許容した場合にのみ当該申出を受理し、一般送配電事業者が需要家に対して直接事務手数料の請求を行うこととしています。
このため、小売電気事業者は、一般送配電事業者からの確認を受けた場合、対象となる需要家の料金メニューや供給条件を踏まえ、オプトアウト制度を適用することが可能か確認し、必要に応じて需要家と協議等を行っていただくことが期待されます。
詳細な実務的なフロー等については、下記の審議会資料を御確認ください。なお、より具体的な手続き等については、決定次第、各一般送配電事業者がWebサイト等において周知を行う予定です。

(参考)
第86回電力・ガス基本政策小委員会(2025年2月28日)

20.スマートメーターの通信(電波)は、健康への影響はありませんか。

電波の利用については、電波防護指針において人体にばく露される電波の強さについて指針値が設定されており、各一般送配電事業者のスマートメーターの通信機器は当該指針に準拠していることから、スマートメーターの通信機器が発する電波による健康への明らかな重大な影響はないと考えられます。
当該指針の詳細については総務省にお問い合わせください。

21.スマートメーターが発する電磁波による健康被害を懸念するためオプトアウト制度開始以降も無償で通信機器を取り外してほしい(旧型計量器(誘導型計量器)を設置してほしい)。

電波の利用については、電波防護指針において人体にばく露される電波の強さについて指針値が設定されており、各一般送配電事業者のスマートメーターの通信機器は当該指針に準拠していることから、スマートメーターの通信機器が発する電波による健康への明らかな重大な影響はないと考えられます。その上で、需要家の希望に伴うオプトアウト状態を継続する場合においては、事務手数料をご負担いただく必要があります。

22.スマートメーターから通信機器を取り外すということは、スマートメーターが健康被害を出しているということを認めたということですか。

電波の利用については、電波防護指針において人体にばく露される電波の強さについて指針値が設定されており、各一般送配電事業者のスマートメーターの通信機器は当該指針に準拠していることから、スマートメーターの通信機器が発する電波による健康への明らかな重大な影響はないと考えられます。
しかしながら、健康上の理由にかかわらず、様々な理由でオプトアウトを希望する需要家がいること及び諸外国の事例を踏まえ、オプトアウトを希望する理由の如何を問わず需要家に寄り添った制度を措置したものとなります。

23.健康への影響に対する、国際的な見解はどうなのでしょうか。

WHO(世界保健機関)では、「国際的なガイドラインを下回る強さの電波により、健康に悪影響が発生する証拠はない」「携帯電話端末および携帯電話基地局から放射される電波のばく露により、がんが誘発されたり、促進されたりすることは考えにくい。その他の影響(脳の活動、反応時間、睡眠パターンの変更など)についても、健康への明らかな重大な影響はない」などが主な見解として示されており、スマートメーターの通信機器から発する電波の強さは、国際的なガイドラインに準拠していることから、健康への明らかな重大な影響はないと考えられます。

24.隣家のスマートメーターの通信機器も取り外してほしい。

オプトアウト制度は、需要家の申出により一般送配電事業者がスマートメーターの通信機器を取り外すことを認めるという考え方に基づいているため、計量器を設置している需要場所の需要家の申出によってのみ制度の適用が可能となります。そのため、隣家の需要家からの申出が無い場合には、隣家に設置されているスマートメーターの通信機器の取り外しを行うことはできません。

25.スマートメーターの30分値が取得されることによりプライバシーが侵害されるおそれがあるのではないですか。

30分計量値など、電気の使用者に関する情報の利用に関しては、法令で認められた場合を除いて、需要家の同意なく他者に提供されることはありません。また、一般送配電事業者が取得した30分値は、料金精算等の託送業務にのみ用いることが認められており、法令で認められた目的以外に利用されることはありません。

26.スマートメーターのデータ送受信によるセキュリティは大丈夫ですか。

スマートメーターの通信には、スマートメーターシステムセキュリティガイドラインに準拠した高度な暗号化などのセキュリティ技術を採用するとともに、スマートメーターに保存される電力使用量データなどが漏洩したり、不正に利用されたりすることがないように、セキュリティ監視やインシデント対応を実施する運用体制を整備する等、セキュリティ対策を講じています。

お問合せ先

電力・ガス事業部 政策課 電力産業・市場室

最終更新日:2025年8月8日