分割供給に関するQ&A

お知らせ

 第78回電力・ガス基本政策小委員会等における議論を踏まえ、一般送配電事業者において2024年10月1日より分割供給に係る接続供給契約の受付を開始しました。
 本Q&Aは、分割供給の利用を希望する需要家や小売電気事業者に対する分かりやすさの観点から、分割供給に関する留意事項について掲載するものです。

参考資料

Q&A

1.分割供給は、従来の部分供給とは何が異なるのでしょうか。

部分供給は、卸電力市場が機能するまでの当面の対策として、みなし小売電気事業者に対応することを求めた例外的な措置になります。他方で、分割供給は、従来の制度では想定されていなかった価値や事業の形態が発現したことを踏まえ、新電力同士やみなし小売電気事業者同士を含め、全ての小売電気事業者が実施することが可能です。

2.分割供給を利用する場合の託送契約に必要な手続きや申込書の様式を教えてください。

分割供給を利用する場合は、双方の小売電気事業者及び需要家間であらかじめ協議の上、各エリアの一般送配電事業者へ接続供給の申込みが必要になります。必要な手続きや申込書様式については、各エリアの一般送配電事業者の託送供給等約款やHPをご確認ください。

3.小売電気事業者及び需要家の間で締結する供給条件などのルールや契約書等の雛形を示したガイドラインはありますか。

分割供給における供給条件は、託送供給等約款の規定に則った上で、小売電気事業者と需要家間で取り決めるものであり、新電力等が新たな負荷追随供給を行う場合の供給条件の自由度も確保されるべきであること等も踏まえ、供給条件に関するガイドラインは定めておりません。

4.部分供給における通告型、横切り型、縦切り型は、分割供給においても引き続き行うことが可能ですか。

分割供給の供給形態としては、一方の分割供給を行う小売電気事業者(以下、「分割供給者」という)が需要家の需要量を予測して計画値を定めた上で、実需給断面で需要量の変動に応じて電気の供給(以下、「需要追随供給」という)を行い、もう一方が需要変動に応じない電気の供給(以下、「非需要追随供給」という)を行う形態(以下、「需要追随+非需要追随」という)と、両者が需要追随供給を行う場合であって、かつ各30分コマにおいて分割供給者が単独で需要追随供給を行う形態(以下、「需要追随+需要追随(時間分割型)」という)があります。分割供給において、部分供給における通告型及び横切り型は、「需要追随+非需要追随」として、縦切り型は、「需要追随+需要追随(時間分割型)」として、利用することが可能です。

5.現在、部分供給に係る契約を締結していますが、2024年10月1日以降も現在の契約を継続することは可能ですか。

部分供給に係る契約については、2025年7月1日までに分割供給へ移行する必要があります。

6.現在、部分供給に係る契約を締結していますが、現在の契約を更新して部分供給を行うことは可能ですか。

部分供給に係る既存契約については、分割供給への移行に要する実務的な対応期間等も勘案し、2025年7月1日までに分割供給に移行することとしています。したがって、小売電気事業者及び需要家間で合意された場合においては、部分供給に係る契約を更新することは可能ですが、その場合も2025年7月1日までに分割供給への移行が必要となります。

7.現在、部分供給に係る契約を締結していますが、分割供給へ移行しなかった場合はどうなりますか。

部分供給に係る既存契約については、2025年7月1日までに分割供給への移行が必要となりますので、それまでに移行できるよう関係する小売電気事業者や需要家と計画的に協議を進めてください。

8.託送供給等約款における分割供給に係る供給条件は、既存の部分供給に係る契約にも適用されますか。

既存の部分供給に係る契約には適用されません。他方で、部分供給に係る既存契約については、2025年7月1日までに分割供給への移行が必要となります。

9.部分供給から分割供給への移行に当たり、みなし小売電気事業者から供給条件の変更を求められました。供給条件の変更は認められるのでしょうか。

分割供給への移行に当たって、需要家の負荷率等を勘案し、みなし小売電気事業者を含め、これまで部分供給を行ってきた者が、供給条件の変更等を申し出ることは否定されるものではありません。

10.自己託送による供給だけでは不足する電気を小売供給で賄うことや自家発補給契約による電気の供給は分割供給となりますか。

自己託送を活用し、自己託送では賄えない需要(以下、「残余需要分」という)について小売供給を受ける場合、当該小売供給は分割供給には当たりません。また、自家発補給契約については、従来通りの運用となります。

11.自己託送により供給を受けている地点で、分割供給を行うことは可能ですか。

1需要家に対して分割供給を行う小売電気事業者の数は2者に限定しており、自己託送の残余需要分について、分割供給により2者の小売電気事業者から供給を受けることはできません。

12.自家発補給契約を締結している地点で、分割供給を行うことは可能ですか。

小売供給に係る契約と自家発補給契約の双方を締結している地点において、当該小売供給を分割供給とすることは可能です。
ただし、小売供給と自家発補給供給を行う小売電気事業者の数があわせて3者以上となることは認められません。

13.離島において分割供給の活用を希望する場合に、一方の分割供給者として、一般送配電事業者に離島等供給を求めることは可能ですか。

離島等供給は、電気事業法上、①全ての需要家が電気の供給を受けられることを制度的に担保するためのセーフティネットとして措置されたものであり、②料金水準に規制があり、供給形態に応じた条件の変更を認めていないことを踏まえれば、一般送配電事業者が行う離島等供給においては分割供給を認めないこととしております。

14.需要家といずれかの分割供給者の契約が解除となる場合の取扱いはどのようになりますか。

需要家といずれかの分割供給者の契約が解除となり、託送供給等約款に基づく当該分割供給者と一般送配電事業者の契約も廃止または解約となった場合、原則として、残された分割供給者が通常の小売供給を行うこととなります(その際の託送契約の見直しは必要となります)。
ただし、分割供給者と需要家が3者の間で合意された対応策(例:残された分割供給者の小売契約等についても自動的に解除する等)をあらかじめ一般送配電事業者に申し込んでいた場合には、当該対応策が適用されることになります。

15.需要家といずれかの分割供給者の契約が解除された場合、当該分割供給者が供給を予定していた部分について、最終保障供給を利用することは可能ですか。

最終保障供給は、電気事業法上、①全ての需要家が電気の供給を受けられることを制度的に担保するためのセーフティネットとして措置されたものであり、②料金水準に規制があり、供給形態に応じた条件の変更を認めていないことを踏まえ、一般送配電事業者が行う最終保障供給においては分割供給を認めないこととしています。このため、需要家といずれかの分割供給者の契約が解除された場合、当該分割供給者が供給を予定していた部分について、最終保障供給を利用することはできません。
なお、需要家と双方の分割供給者の契約が解除され、需要家が小売供給を受けることができなくなった場合、一般送配電事業者の最終保障供給を受けることは可能です。

16.「需要追随+非需要追随」のうち、部分供給における通告型のように、非需要追随供給を行う者があらかじめ各30分コマ毎に定めた電力量で供給を行う場合の当該電力量を、需要追随供給を行う者や需要家に対して通知する時間は、部分供給と同様に扱われますか。

非需要追随供給を行う者(以下、「非需要追随供給者」という)の電力量を通知する時間は、小売電気事業者及び需要家間の協議によって定められるものであり、部分供給と同一のルール等はありません。ただし、例えば、一方の小売電気事業者が、もう一方の小売電気事業者に対して、JEPXの価格が安い時間帯は、自身が全量供給を行い、JEPXの価格が高い時間帯は、もう一方の小売電気事業者に全量供給を求めるといった、非対称な条件提示がなされた場合に、もう一方の小売電気事業者が当該協議を拒否することは何ら妨げられません。

17.部分供給における横切り型のように、一定の時間帯にわたって連続して供給電力量を変更しない場合、一般送配電事業者に対して各30分コマ毎の通告値の提出は行わなくても良いのでしょうか。

分割供給における部分供給の横切り型に相当する形態については、部分供給と同様に、一般送配電事業者に対して各30分コマ毎の通告値の提出を行う必要はございません。

18.分割供給における供給電力量は、分割供給者間においてどのように仕訳されますか。

一般送配電事業者の託送供給等約款に規定の通りです。
・「需要追随+非需要追随」の場合
 非需要追随供給者の供給電力量はあらかじめ一般送配電事業者に通知された値になり、需要追随供給を行う者(以下、「需要追随供給者」という)の供給電力量は需要場所全体の供給電力量から非需要追随供給者の供給電力量を差し引いた値になります。 
 ただし、需要場所全体の供給電力量が予め定められた非需要追随供給者からの供給電力量を下回る場合は、非需要追随供給者の供給電力量は需要場所全体の供給電力量とします。
・「需要追随+需要追随(時間分割型)」の場合
 あらかじめ分割供給者及び需要家間の協議によって定められた時間帯における各分割供給者の供給電力量になります。

19.分割供給を行う場合、託送料金はどのように請求されますか。

分割供給者の託送料金は、それぞれの契約電力及び契約電力量に応じて算定されることとなります。なお、分割供給の場合であっても、部分供給と同様に、託送供給の内容に通常の小売供給との差異はなく、分割供給者に負担を求める託送料金の水準も同一と考えるべきであることから、需要家が支払う託送料金相当額について、需要家が1小売電気事業者から全量供給を受ける際に支払う額と同額となるように調整(以下、「流通費用調整」という)を行います。

20.分割供給者ごとに異なる託送料金メニューを選択することは可能ですか。

分割供給者ごとに異なる託送料金メニューを選択することは可能です。なお、流通費用調整は、当然に当該流通費用調整に係る分割接続供給のメニューを基に行うこととなりますが、分割供給者ごとに異なる託送料金メニューを選択する場合は、一方の分割供給者が全量供給する場合にいずれのメニューに基づいて流通費用調整を行うかをあらかじめ選択する必要があります。

21.流通費用調整について、具体的な調整方法を教えてください。

各小売電気事業者の託送料金の合計額と1小売電気事業者から全量供給を行った場合の託送料金に差が発生する場合は、流通費用調整を実施することとなります。
例えば、小売電気事業者それぞれの基本料金が1小売電気事業者から全量供給を受ける場合の基本料金を上回る場合は、流通費用調整額として託送料金の調整が必要となります。
具体的には、「需要追随+非需要追随」においては、非需要追随供給を行う小売電気事業者の料金で調整を行うこととなり、「需要追随+需要追随(時間分割型)」については、小売電気事業者間の協議により、いずれの小売電気事業者の料金で調整を行うか決定することとなります。
なお、流通費用調整の結果は、適切に需要家に請求する料金に反映されることが前提です。

お問合せ先

電力・ガス事業部 政策課 電力産業・市場室

最終更新日:2024年10月1日