第4節 鉱物資源の安定供給確保に不可欠なリサイクルの推進及び備蓄体制の強化等

鉱物資源については、日本のものづくり産業に必要不可欠な原材料である一方、供給のほとんどを海外に依存しており、その安定供給確保は重要な課題です。そのため、資源外交を通じた資源供給国との関係強化と並行して、鉱物資源の安定的な供給確保に向けた総合的な取組として、特に省エネ・再エネ機器等の製造に必要なレアメタルの短期的な供給リスクに備えることを目的としたレアメタル国家備蓄や使用済製品からの有用金属の回収・リサイクルを高度化させるための技術開発、希少金属を豊富に含有する代替資源による技術の開発、希少金属の使用量を削減するための技術開発等の取組を進めています。

〈具体的な主要施策〉

(1)次世代自動車向け高効率モーター用磁性材料技術開発事業【2021年度当初:29.9億円の内数】

エネルギー使用量及びCO2排出量の削減を図るため、その効果が大きい自動車等の輸送機器の抜本的な軽量化に資する技術開発の一環として、モーターの高効率化・小型化に向けた、従来以上に強力かつ希少金属の使用を大幅に低減させた磁石の開発及びモーターの各種特性を評価する手法の開発等を行いました。

(2)希少金属備蓄対策事業費【2021年度当初:3.7億円】

緊急時の代替供給が困難で、供給国の偏りが著しいレアメタルについて、短期的な供給障害等に備えるため、備蓄を行いました。

(3)資源循環システム高度化促進事業【2021年度当初:5.7億円】

日本の都市鉱山の有効利用を促進し、資源の安定供給及び省資源・省エネルギー化を実現するため、廃製品・廃部品の自動選別技術、高効率製錬技術及び動静脈情報連携システムの開発を行いました。

(4)部素材の代替・使用量低減に資する技術開発・実証【2020年度一次補正:30.0億円の内数】

供給途絶リスクの高いレアアースのサプライチェーン強靱化に繋げるため、レアアースの使用を極力減らす、又は使用しない高性能磁石の開発や不純物等が多く利用が難しい低品位レアアースを利用するための技術開発等を行いました。