第2節 自動車等の様々な分野において需要家が多様なエネルギー源を選択できる環境整備の促進
具体的な主要施策
1.燃料電池自動車の普及開始・拡大に係る規制見直し【規制】
燃料電池自動車及び圧縮水素スタンドの本格的な普及に向け、2017年6月に閣議決定した規制改革実施計画に基づき、安全確保を前提に水素・燃料電池自動車に関連する規制のあるべき姿を幅広く議論し、科学的知見に基づき規制見直しを進めるため、規制当局、推進部局、事業者・業界等の関係者、有識者を交えた公開の検討会(「水素・燃料電池自動車関連規制に関する検討会」)を2017年8月より開催しています。2019年度には、検討会を4回開催し、規制改革実施計画に掲げる37項目のうち、5項目を措置(2020年3月末時点で累計23項目措置済)しました。
具体的には、「スマート水素ステーション」のような小型の水素スタンドにおける防火壁の設置基準の合理化や、水素スタンド等で使用される特定設備の設計に係る技術基準の見直しが行われました。
また、水素スタンドの遠隔監視による無人運転については、2019年11月開催の水素燃料電池自動車関連規制に関する検討会において、無人運転に必要となる安全対策の方向性等の結論を得たところであり、2020年夏までの速やかな措置を目指して検討を進めているところです。これに先駆けて、「産業競争力強化法(平成25年法律第98号)」による新事業特例制度に基づき、水素スタンドの無人運転を可能とする特例措置に関する省令改正を2020年1月に行いました。
さらに、燃料電池自動車に関する世界技術基準(GTR Phase2)については、2017年10月より日本が共同議長を務める形で関係国間での議論を開始し、2020年3月までに合計8回会合を行いました。材料の水素適合性の試験方法等について、関係国間での合意に向けて議論を行っています。
2.電気自動車・プラグインハイブリッド自動車の充電インフラ整備事業費補助金【2019年度当初:11.0億円】
日本全国に電気自動車やプラグインハイブリッド自動車が走行できる環境を整えるため、充電器の購入費及び工事費の一部について助成する補助制度を実施しました。
3.LNGバンカリング拠点の形成
2020年より船舶の燃料油に含まれる硫黄分濃度の国際的な規制が強化され、LNGを燃料とする船舶の増大が見込まれています。このことから、2018年度よりLNGバンカリングに必要な施設整備に対する補助制度(補助率3分の1)を創設し、同年6月に「伊勢湾・三河湾における事業」及び「東京湾における事業」の2事業を採択しました。引き続き、我が国港湾へのLNG燃料船の寄港増加を図るため、LNGバンカリング拠点の2020年度中の供用開始に向けて支援を行います。