第1節 原子力を巡る環境と政策対応

2016年度においては、東日本大震災以降のエネルギー環境の変化を踏まえ、原子力に対する社会的信頼の回復を図るための取組を進めるとともに、自由化が進展する環境の下で原子力に関する諸課題を克服するための方策について必要な施策を立案し、実施しました。

具体的には、まず、電力自由化等の新たな事業環境下でも使用済燃料の再処理等が将来にわたって滞りなく行われるよう、2016年5月に拠出金制度の創設等を内容とする「再処理等拠出金法」が成立し、同年10月には認可法人である使用済燃料再処理機構が設立されました。

また、高速炉開発を取り巻く近年の情勢変化を踏まえて、国内の高速炉開発の司令塔機能を担うものとして、経済産業大臣が主宰する「高速炉開発会議」が2016年10月に設置され、同会議における検討を踏まえ、2016年12月21日の原子力関係閣僚会議において、「高速炉開発の方針」が決定されました。

さらに、以下の各節に記述しているとおり、原発の安全性向上や安定な事業環境の確立、高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組や核燃料サイクルの推進、国民・自治体からの信頼回復や国際協力のための施策を行いました。