第10章 戦略的な技術開発の推進
多くの資源を海外に依存せざるを得ないという、我が国が抱えるエネルギー需給構造上の脆弱性に対して、エネルギー政策が現在の技術や供給構造の延長線上にある限り、根本的な解決を見出すことは容易ではない。さらに、その多くがエネルギーに由来する温室効果ガスの排出量を大幅に抑制することを同時的に達成していていくことも求められています。
こうした困難な課題を根本的に解決するためには、革命的なエネルギー関係技術の開発とそのような技術を社会全体で導入していくことが不可欠となりますが、そのためには、長期的な研究開発の取組と制度の変革を伴うような包括的な取組が必要です。
一方、エネルギー需給に及ぼす課題は様々なレベルで存在しており、短期・中期それぞれの観点から、エネルギー需給を安定させ、安全性や効率性を改善していくことが、日々の生活や経済の基盤を形成しているエネルギーの位置付けを踏まえると、極めて重要な取組となります。
したがって、エネルギー関係技術の開発に当たっては、こうした多面的な視点を踏まえて、課題を達成する目標、開発を実現する時間軸と社会に実装化していくための方策を戦略的に設定し、推進していくことが必要です。