家庭向け省エネ関連情報

省エネって何?

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そもそも省エネって何だろう?国の政策も含めて分かりやすく解説します。

省エネって何?

省エネとは、「省エネルギー」の略です。石油や石炭、天然ガスなど、限りあるエネルギー資源がなくなってしまうことを防ぐため、エネルギーを効率よく使うことをいいます。

私たちの暮らしとエネルギー

現在の私たちの暮らしや社会は、エネルギーの消費によって成り立っています。日常生活に欠かすことのできない電気、ガス、水道はもちろん、現代社会の基礎になっている運輸、通信などもすべてエネルギーを利用しています。
さらに、食料品、衣料品など、あらゆる製品はその生産や流通の過程においてエネルギーを利用しています。
こうしてみると私たちの豊かな生活は、直接エネルギー(電気・ガス・ガソリンなど)を使用する場面だけではなく、様々な形でエネルギーを消費することによって支えられているのです。

なぜ省エネが必要なの?

省エネルギーは、エネルギーの安定供給確保と地球温暖化防止の両面の意義をもっています。
エネルギーの安定供給確保は、エネルギー資源のほとんどを輸入に頼っている日本にとって最重要課題のひとつです。

地球温暖化防止については、温室効果ガスの大部分を占めるエネルギー起源の二酸化炭素排出削減へ向けて、省エネルギーへの必要性が一層高まっています。

これらを十分考慮した上での市場機能を活用した経済効率性を目指すとされています。
相互に絡み合うこれら3つの課題を、「地球環境保全(Environmental Protection)」「エネルギー安定供給(Energy Security)」「経済効率性(Economic Efficiency)」のそれぞれの頭文字のEをとって、3Eといいます。

日本のエネルギー政策の“3E” 日本のエネルギー政策の“3E”

エネルギー安定供給確保

世界規模でのエネルギー需要が急増しています。これは、アジアを中心とした世界経済の発展が要因とされ、国際エネルギー機関(IEA)では、2040年の世界のエネルギー需要は2014年と比べて約1.3倍に増加すると予測されています。

一方、供給面については、世界のエネルギー資源の可採年数は現在の生産量を前提とすると石油は約50年、天然ガスは約51年とされています。新たな油田や鉱山の発見により可採年数が延びる可能性もありますが、いずれにしても限りがあることには変わりありません。

世界の地域別エネルギー需要見通し 世界の地域別エネルギー需要見通し
世界のエネルギー資源可採年数 世界のエネルギー資源可採年数

地球温暖化をすすめているのは主にCO2

エネルギーの大半は、石油や石炭などの化石燃料を燃焼することによって得られていますが、これに伴って、大気中にCO(二酸化炭素)が排出されます。エネルギーの大量消費によりこのCO濃度が上昇し、宇宙に放出されるはずの熱が大気中に封じ込められる温室効果が進み、地球が温暖化しています。
地球温暖化が進むと、地球規模での気温上昇や海面上昇などにより、食料供給や居住環境などに重大な影響を及ぼす恐れがあると予測されています。

温室効果ガス量図解 温室効果ガス量図解

一人ひとりの省エネが支える、大きな効果

地球温暖化にストップをかけるためには、一人ひとりが問題意識を持ち、省エネを実行することが大切です。一人では効果が少ないように思えますが、全世帯で省エネすれば、大きな成果が得られます。

家庭エネルギー消費の実態

家庭の省エネを進めるためには、まず、家庭のエネルギー使用の実態を知ることが大切です。

増加する家庭のエネルギー消費

我が国のエネルギー消費は、工場などの産業部門は減少しているものの、事務所・商店や家庭などの民生部門と、自動車などの運輸部門での増加が大きいため、全体として増加しています。家庭部門は、第一次石油ショックがあった1973年度から、2018年度までの間に、約2倍に増加しています。

最終エネルギー消費の部門別伸び率 最終エネルギー消費の部門別伸び率

家庭のエネルギー消費増加の要因

家庭部門のエネルギー消費量は、1973年度を100とすると、2018年度は185.6と約2倍に増加しています。生活の利便性・快適性を追求するライフスタイルの変化や、世帯数の増加など社会構造変化の影響が背景にあります。東日本大震災以降は節電などの省エネ意識の高まりにより低下傾向にありますが、一層の省エネを進めることが必要です。

家庭部門におけるエネルギー消費の推移 家庭部門におけるエネルギー消費の推移

家庭の用途別エネルギー消費

家庭のエネルギー消費を用途別に見てみます。2018年度におけるシェアは、動力・照明他が最も大きく、給湯、暖房、厨房、冷房と続きます。1965年度と比較すると、動力・照明用のシェアが増加しました。これは、家電機器の普及や大型化、多様化によるものと見られています。また、エアコンの普及により、冷房のシェアも増加しています。

家庭の用途別エネルギー消費の推移 家庭の用途別エネルギー消費の推移

家庭のエネルギー源別消費

家庭のエネルギー消費をエネルギー源別に見てみます。シェアの大きいのは電気で約半分を占めています。それに都市ガス、灯油、LPガスと続いています。1965年度と比較して、電気のシェアが大幅に増加していますが、これは、家電機器の普及や大型化、多機能によるものに加え、近年のオール電化住宅の普及も要因のひとつとして考えられています。一方、1965年度に1/3以上を占めていた石炭は、主に灯油に代替され、現在のシェアはほぼ0%となっています。

家庭のエネルギー源別消費の推移 家庭のエネルギー源別消費の推移

家庭でエネルギーを多く使う機器

家庭でエネルギーを多く使う機器は、エアコンなどの空調機器、冷蔵庫や洗濯機などを動かすための動力や照明器具、テレビなどです。
また、待機時消費電力は近年減少傾向にありますが、2012年度において家庭の世帯当たり全消費電力の5%以上も占め、まだ削減する余地があります。

節電

家庭のエネルギー消費の50%以上は電気です。家庭で省エネを進めるには、電気の使い方を見直す必要があります。

電気の特徴

電気はガスや灯油と異なり、貯めることが難しいため、電力会社は瞬時瞬時で需要と一致させるように、発電の量を調整して、バランスをとるようにしています。
そのため、節電を進めるには、1日全体で電気の使用量を減らすだけでなく、使用する時間帯を意識して、電気の需要がピーク時間帯に集中しないようにすることが重要です。

ピーク時間帯とは

ピーク時間帯とは、1日のうちで最も電気が使われる時間帯のことです。産業用や業務用を含んだ電力需要全体のピーク時間帯は、夏は冷房が多く使われる昼間、冬は暖房や照明が多く使われる夕方です。
家庭だけをみると、ピーク時間帯は、夏も冬も在宅率の高い夜です。

夏と冬のピーク時間帯(イメージ) 夏と冬のピーク時間帯(イメージ)

kWとkWhの違い

電気の単位でよく使われるのがkW(キロワット)とkWh(キロワットアワー)です。kWは、瞬間に使われる電力を表す単位、kWhはkWに時間をかけたもので、使用電力量を表す単位です。

節電においては、電力量(kWh)を減らすだけでなく、ピーク時間帯に使用する電力(kW)を下げることも重要です。

電力の需要曲線(kW) 電力の需要曲線(kWh) 電力の需要曲線(kW) 電力の需要曲線(kWh)

節電の3つの方法

家庭で節電を進めるためには、3つの方法があります。

  • 減らす 減らす

    消費電力を減らすことです。節電と省エネの両方に効果があります。

    【例】
    ・電気製品の無駄な使用を控える。
    ・消費電力が小さくなるような使い方をする。
    ・省エネモードがある電気製品は、省エネモードで使用する。
    ・使用していない電気製品のプラグはコンセントから抜く。

  • ずらす ずらす

    電気を使う時間帯をずらすことです。エネルギーを使う量は変わらないので、節電にはなりますが、省エネにはなりません。

    【例】
    ・電気使用が多い時間帯を避け、夜間や早朝に変更する。
    ・電気製品の同時使用を避ける。

  • 切替える 切替える

    他の方法に切替えることです。省エネになるかどうかは場合によります。


    【例】
    ・電気ではなく、ガスや石油を使う。
    ・省エネ型製品へ買替える。
    ・電気を使わないまたは消費電力の小さい機器に替える。

知る省エネ

使っているエネルギーの"見える化"に役立つツールなどを紹介します。

省エネコミュニケーション・ランキング制度

本制度は、経済産業省が設置した「エネルギー小売事業者の省エネガイドライン検討会」での議論を踏まえ、電力・ガス会社等のエネルギー小売事業者による省エネ等に関する一般消費者向けの情報提供やサービスの充実度を調査し、取組状況を評価・公表するものです。 一般消費者の皆様にエネルギー小売事業者を選択する際の参考にしていただき、提供された省エネ情報等を元により一層の省エネ等に取り組んでいただくこと、また、エネルギー小売事業者による更なる情報やサービスの提供を促すことを目的としています。エネルギー小売事業者の取組状況は、エネルギー種ごとに評価されます。

各事業者の評価はこちら
省エネコミュニケーション・ランキングロゴ 省エネコミュニケーション・ランキングロゴ
省エネをイメージした配色とし、人と人のコミュニケーションをモチーフにしています。

検針票

電気やガスの検針票には、その期間の使用量が記載されています。それを記録し、分析することで、ご自分の家庭のエネルギー使用について、傾向を把握することができます。
前年同月の使用量が記載されている場合は、比較することで、増加しているのか減少しているのかわかります。

エネルギー供給事業者による省エネ情報提供の実施状況はこちら
検針票 検針票

HEMS(ヘムス)

HEMS(Home Energy Management System、家庭のエネルギー管理システム)は、家電製品や給湯機器をネットワーク化し、表示機能と制御機能を持つシステムのことで、家庭の省エネルギーを促進するツールとして期待されています。
制御機能には、遠隔地からの機器のオンオフ制御や、温度や時間などの自動制御があります。
表示機能は、機器ごとのエネルギー消費量などをパソコン、テレビ、携帯電話の画面などに表示するほか、使用状況に応じた省エネアドバイスを行うなどの機能を併せ持つものもあります。

HEMSの例 HEMSの例

スマートメーター

「スマートメーター」は、電気やガスなどの計量器に、遠隔検針(インターバル検針)、遠隔開閉、計測データの収集発信機能を有する計測器のことです。
スマートメーター導入によって、ウェブサイトなどを通じた電力等の使用状況や料金などの見える化や、計測データに基づく省エネ診断サービスなどが可能になり、これによる省エネルギー効果が期待できます。
電力会社等にとっては、遠隔検針や遠隔開閉による検針業務等の効率化や作業の安全性の向上が期待できます。

スマートハウス・スマートコミュニティ

HEMSやスマートメーターを中核とし、IT技術を駆使して分散型電源・蓄電システム、再生可能エネルギーを含めた地域のエネルギーシステムの最適化を図っていく家々がスマートハウスです。
スマートハウスが普及することで、従来は困難であった「需要のコントロール」が可能となり、蓄電やピークシフトなどにより電力需要構造を効率化することができるようになります。
さらに、電気の有効利用に加え、熱や未利用エネルギーを含めたエネルギーの「面的利用」や地域の交通システム、市民のライフスタイルの変革などを複合的に組み合わせたエリア単位での次世代のエネルギー・社会システムである「スマートコミュニティ」の形成が期待されています。

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