グローバルに進む水素利用​​

北米における取り組み

米国ではカリフォルニア州を中心にFCVの導入が進んでおり、最もFCV普及台数の多い国となっています。カリフォルニア州では自動車メーカーに対して電気自動車(BEV)や燃料電池自動車(FCV)”といったZEV(ゼロエミッションビークル)の販売を義務付ける規制(ZEV規制)が導入され、 BEVやFCVの導入拡大の背景の一つとなっています。

その他にもカリフォルニア州では燃料電池バスや燃料電池トラックの導入に向けた実証などが進められています。日本からもトヨタ自動車が燃料電池トラックの実証に参画しています。​

燃料電池自動車(FCV)​ 約4500台
燃料電池バス​ 25台以上
燃料電池トラック​ (実証試験中)​
燃料電池​フォークリフト 16,000台以上​
水素ステーション​ 51箇所​
燃料電池トラック
欧州における取り組み

ドイツ​

ドイツでは、FCV保有台数が500台と欧州最多で、その他にも燃料電池バスや燃料電池鉄道などの導入に向けた取り組みが進められています。​
また、ドイツでは太陽光や風力などの再生可能エネルギーが大量に導入されていますが、時間によって出力が変化するこれらのエネルギーの余剰電力を貯蔵するため、水を電気分解して水素を製造する“Power to Gas“技術が非常に注目されています。
再生可能エネルギーから作られた水素を用いることで、運輸・産業分野での低炭素化を図る狙いがあります。​
現在までに30箇所以上で“Power to Gas“実証プロジェクトが実施されており、日本からも水電​解装置メーカーの旭化成がヘルテン市における実証プロジェクトに参加しています。​​

燃料電池自動車(FCV)​ 約500台
燃料電池バス​ 16台以上
燃料電池​
フォークリフト​​
約100台
水素ステーション​ 48箇所​

フランス

フランスでは2018年6月に政府から水素・燃料電池分野のロードマップが発表されました。ロードマップでは2023年までに5000台のFC商用車導入とそのための100箇所の水素ステーション開所、工業分野への10%のグリーン水素導入などの目標設定がなされており、同国は近年水素エネルギー普及への取り組みを強く進めています。​

燃料電池自動車(FCV)​ 約200台
燃料電池バス​ 25台以上
燃料電池トラック​ 約100台​
水素ステーション​ 18箇所​
アジアにおける取り組み

中国

中国では2016年10月にFCVの普及に向けたロードマップが発表され、ロードマップでは2020​年までにFCVを5000台、水素ステーションを100箇所整備する目標を掲げています。​また2019年以降の次世代自動車の販売比率を一定以上としなければならないとするNEV規​制を自動車メーカーへ義務付けることで、中国では燃料電池車両の開発や導入の実証が強く推進​されています。​

燃料電池自動車(FCV)​ 約60台
燃料電池バス​ 150台以上
燃料電池トラック​ 約500台​
水素ステーション 10箇所

韓国

韓国は2020年までに1万台のFCVを導入し、100箇所の水素ステーションを整備するという目標を掲げています。また、2019年1月には同国の水素の普及に向けたロードマップが発表され、ロードマップでは2040年までにFCVを620万台、水素ステーションを1200箇所、燃料電池バスを2040年までに41000台導入する目標を掲げています。
​また、車以外にも家庭や建物に燃料電池を導入することで、2040年までに2.1GWの電力(94万の家庭の需要相当)を供給することを目標としています。​

燃料電池自動車(FCV)​ 約100台
水素ステーション​ 10箇所​
日本と海外との連携

日本は現在オーストラリアやブルネイと協力して国際水素サプライチェーンの構築に向けた取り組みを進めています。外国の未利用エネルギーや再生可能エネルギーを水素に転換し、日本に輸入して利用するサプライチェーンができれば、エネルギー安全保障や低炭素化への貢献が可能です。​​​

オーストラリア「褐炭水素実証プロジェクト」

オーストラリアに大量に存在する安価な褐炭(品質の低い石炭)を水素化し、日本へ輸出する世界初の「褐炭水素実証プロジェクト」が開始しており、日本からは川崎重工業、電源開発、岩谷産業、シェルジャパンによる「技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機(HySTRA)」が本プロジェクトに参画しています。2020年にはサプライチェーンの実証が行われ、オーストラリアから水素が供給される予定です。​​

褐炭水素プロジェクトの概要図です

ブルネイ「有機ハイドライドを利用したサプライチェーンの確立」

日本~ブルネイ間では、ブルネイで得られた水素を常温・常圧で液体の有機ハイドライドへ転換して海上輸送するサプライチェーンの確立を目指したプロジェクトが開始しています。千代田化工建設、三菱商事、三井物産、日本郵船の4社は、次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)を設立してこの取組を進めており、2020年にはサプライチェーンの実証を通じてブルネイから水素が供給される予定です。​

有機ケミカルハイドライド(OCH)法の図です