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地熱発電の開発

地熱とは?

地熱とは?

地球の中心部では、5,000~6,000度もの温度があると考えられており、地球は中からたえず暖められています。このような地球内部の熱を「地熱」といいます。

火山周辺には「マグマだまり」を熱源として、特に高温な地熱地帯が発達しています。この地熱は多目的な利用が可能なエネルギーです。発電以外にも、暖房、施設園芸、浴用など各温度段階で様々な利用方法があります(地熱の直接利用)。

マグマだまりとは?

火山地帯の地下数~十数kmには、1,000度以上もの温度になって岩がドロドロに溶けているところ(マグマだまり)があります。このマグマだまりは多量の熱を放出し、その周辺に高温の地熱地帯を形成しています。

地熱開発の歴史

地熱調査会パンフレット(2003年5月改訂版)および「地熱発電の現状と動向-2003年版(社団法人火力原子力発電技術協会)」の地熱開発年表をもとに、地熱開発の歴史を紹介します。

事項
1904明治37 イタリア・ラルデレロにおいて天然蒸気を利用した発電機を運転(出力0.56kW)
1913大正2 イタリア・ラルデレロで世界初の地熱発電所が運転開始(出力250kW)
1914~18大正2~7 第1次世界大戦
1919大正8 海軍中将山内万寿治氏が石油・石炭の代替熱源として地熱利用調査の結果、大分県で噴気孔掘削に成功
1925大正14 太刀川平治博士が、山内氏の事業を引継ぎ、日本最初の地熱発電に成功(出力1.12kW)
1939~45昭和14~20 第2次世界大戦
1947昭和22 地質調査所が地熱開発地域の選定に関する調査研究開始
1949昭和24 九州配電(現九州電力)が大分県下で地熱地帯調査と発電の研究開始
1956昭和31 東化工(現日本重化学工業)が岩手県岩手郡松尾村松川地域で地熱開発調査開始
1958昭和33 ニュージーランド・ワイラケイで世界初の熱水分離型地熱発電所の運転を開始(出力6,500kW)
1960昭和35 アメリカ・ガイザース地域で1号機が運転開始(出力11,000kW)
1966昭和41 日本重化学工業(株)が日本で始めての地熱発電所(蒸気卓越型)の運転開始(松川発電所 出力9,500kW)
1967昭和42 九州電力(株)が日本で始めての熱水分離型地熱発電所の運転開始(大岳発電所 出力11,000kW)
1973昭和48 第1次石油ショック
1974昭和49 工業技術院がサンシャイン計画をスタート
1976昭和51 (財)日本地熱資源開発促進センター設立
1977昭和52 資源エネルギー庁が地熱開発基礎調査開始
1978昭和53 第2次石油ショック
1980昭和55
  • 「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」制定
  • (財)新エネルギー財団(NEF)設立
  • 新エネルギー総合開発機構(NEDO)設立
  • NEDOが地熱開発促進調査開始
1985昭和60 NEDOが山形県最上郡大蔵村肘折地区で高温岩体発電システムの要素技術開発開始
1991平成3 NEDO、中小地熱バイナリー発電システム実証試験を開始
1995平成7 地熱発電合計出力50万kW達成
1997平成9 気候変動枠組条約第三回締結国会議(COP3)開催
1998平成10 地球温暖化対策推進大綱決定
2000平成12 世界地熱会議(WGC2000)を日本で開催
2003平成15 「電気事業者等による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」施行(RPS制度開始)
九州電力(株)、八丁原バイナリー発電の試運転開始(出力2,000kW)
2005平成17 京都議定書発効

地熱発電の開発

  • 地熱発電を行う場所は、火山地帯などの高温な地熱エネルギーを取り出せる地域に限られていますが、日本は世界有数の火山国であり、利用可能な地熱エネルギーが豊富にあります。たいていの場合、広域的な基礎的調査から次第にエリアを絞った高精度の調査を行い、井戸を掘削して地熱貯留層を確認します。
  • 調査井、生産井、還元井などの坑井は、基本的には同様なつくりで仕上げられています。
  • 地域によって地熱構造が変わるため、ターゲットの深度は異なりますが、生産井はだいたい1,000mから3,000mの範囲となっています。
  • 坑井は、掘削後にケーシングと呼ばれる鋼管を入れて、坑壁と鋼管の間にセメントを打ちます。これにより周囲の岩盤と遮断されています。地熱流体を取り出す部分は孔明管というスリットの入った鋼管が使用されています。
  • また、土地の使用面積をできるだけ小さくするため、傾斜井により1つの基地から数本の坑井を掘削しています。
  • 最終的に、噴出試験や調査結果を総合的に解析し、その地域の地熱モデルを考えます。このモデルをもとに数値モデル化して生産予測シュミレーションを実施し、最適な開発規模が決定されます。

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