かがやけ!みんなのエネルギー

ストーリー2 3, 発電のしくみを見てみよう

学習のねらい
  • 最も身近なエネルギーである電気の作り方(発電)についてそのしくみを理解する。
  • 火力発電、原子力発電、水力発電に共通する点、または異なる点を考える。
指導上のポイント
  • 発電機が運動エネルギーを電気エネルギーに変える役割をする。
  • 火力発電、原子力発電、水力発電とも、タービンに直結した発電機を回転させて電気を作る。
  • 火力発電の燃料は石油や石炭、天然ガスなどである。
関連する単元
  • 4年社会科住みよいくらしをつくる(電気やガスの確保)
  • 4年  理科 電気の働き
  • 5年  理科 電流の働き
  • 6年  理科 発電と電気の利用
関連ワークシート
  • ⑦ 発電所はどんなところにあるのかな?

電磁誘導と発電のしくみ

発電機の原理は、イギリスの科学者ファラデー(1791~1867)が発見した磁気を利用して電流を発生させる電磁誘導の応用である。実際の発電所の発電機では、タービンの回転軸と直結した磁石がコイルの中を回っている。

タービンを回転させる力は、火力発電所、水力発電所、原子力発電所でそれぞれ異なる。火力発電所ではボイラー、原子力発電所では原子炉の熱によって水を蒸気に変え、蒸気がタービン(蒸気タービン)を回す。蒸気タービンは、蒸気の流れを整えるための固定された羽根と、タービンとして回転する羽根が組み合わされている。水力発電所ではダムの導水管を流れ落ちる水の力によってタービン(水車)を回している。

火力発電

石炭・天然ガス・石油などを燃焼して得た熱で水を水蒸気に変え、その力で発電機につながるタービン(羽根車)を回して発電する。

火力発電

特徴

  • 燃料の調達や保管が容易。
  • 稼働と停止が比較的容易なので需要変動に対応しやすい。
  • 二酸化炭素などの温室効果ガスを排出する。
  • 化石燃料のほとんどを海外からの輸入に依存している。

コンバインドサイクル発電(Combined Cycle発電)

ガスタービンと蒸気タービンを組み合わせた発電方式。圧縮した空気の中で燃料を燃やしてガスを発生させ、1100℃という高温でガスタービンを回して発電をおこなう。ガスタービンを回し終えた排ガスは、十分な余熱を持っているためこの余熱で水を沸騰させ蒸気タービンによる発電をおこなう。2種類のタービンを組み合わせることで、熱エネルギーを効果的に利用することができる。

 構造は一般的な火力発電に比べ複雑だが、小型の発電機をいくつも組み合わせて大きな電力を得ることができる。また、発電機の起動・停止操作が容易で、電力需要に即応できる。

石炭ガス化複合発電

石炭は、他の化石燃料に比べ埋蔵量が豊富で世界中に分布しているため、安価で輸入しやすい。しかし、石油や天然ガスに比べ発熱量当たりの二酸化炭素排出量が高いことから、環境への負荷も高いのがネックであった。このため石炭をクリーンに利用する発電技術が「石炭ガス化複合発電(IGCC=Integrated coal Gasification Combined Cycle)」である。石炭をガス化しコンバインドサイクル発電と組み合わせることで従来の石炭火力発電と比べ高効率なため、二酸化炭素の排出量も低減できる。

石炭灰のリサイクル

日本の石炭灰発生量は全体で1,266万トンである(2012年度、電気事業:905万トン、一般産業:361万トン※)。石炭灰の利用は、1950年代前半にセメント混和材として実用化されてから、セメント原料、セメント混合材、道路材、埋立材、盛土材など多岐にわたり利用されているが、セメント分野での利用、特にセメント原料(粘土代替)としての利用が大半を占めている。

※一般財団法人 石炭エネルギーセンター「石炭灰全国実態調査報告書(平成24年度実績)」

電源別の二酸化炭素排出量

発電に伴う環境負荷の分析・評価は、電気を作るのに必要となる、燃料採掘、加工、輸送、廃棄物処理、発電所の建設や廃止などのすべての活動に伴う間接的な環境負荷も含めて、トータルの環境負荷で行われる(ライフサイクル評価)。

発電方法別の二酸化炭素排出量

学習のねらい
  • 最も身近なエネルギーである電気の作り方(発電)についてそのしくみを理解する。
  • 火力発電、原子力発電、水力発電に共通する点、または異なる点を考える。
指導上のポイント
  • 発電機が運動エネルギーを電気エネルギーに変える役割をする。
  • 火力発電、原子力発電、水力発電とも、タービンに直結した発電機を回転させて電気を作る。
  • 原子力発電の燃料はウランである。
  • 水力発電は水の流れる勢いを利用している。
関連する単元
  • 4年社会科住みよいくらしをつくる(電気やガスの確保)
  • 4年  理科 電気の働き
  • 5年  理科 電流の働き、流れる水の働き
  • 6年  理科 発電と電気の利用
関連ワークシート
  • ⑧ 原子力ってなあに?

クイズの答え 正解① 火力発電所

2013年度末の火力発電所数は2,657か所、原子力発電所数は16か所、水力発電所数は1,698か所となっている。

原子力発電

ウランの原子核に中性子が当たり核分裂が起こると原子核が割れて2つ以上の小さな原子核に分裂し、同時に2~3個の中性子が発生する。核分裂が起きて発生した熱エネルギーを利用し蒸気を発生させ、その力で発電機につながるタービン(羽根車)を回して発電する。

現在、日本で使用されている原子炉は「軽水炉」とよばれ、減速材(中性子の速度を遅くして核分裂しやすいようにする材料)や冷却材(核分裂で発生した熱を炉心の外に取りだす材料)に普通の水(軽水)を使用している。軽水炉には沸騰水型(BWR:Boiling Water Reactor)と加圧水型(PWR:Pressurized Water Reactor)の2種類がある。

原子力発電

特徴

  • 少ない燃料で大きなエネルギーが得られる。
  • 発電時、二酸化炭素などの温室効果ガスを排出しない。
  • 核燃料サイクルにより、ウラン資源の利用効率を高めることができる。
  • 放射性物質が生じることから、厳しい安全管理が必要となる。放射性廃棄物が発生する。

放射性廃棄物の処理

原子力発電所やウラン燃料工場、再処理工場などの関連施設から、放射性物質を含んだ廃棄物が発生する。これを放射性廃棄物という。

放射性廃棄物は「低レベル放射性廃棄物」と「高レベル放射性廃棄物」に大別され、性質上、放射能濃度などに応じて、処分される。

低レベル放射性廃棄物

原子力発電所から出る廃棄物のうち、放射能レベルの低いものを「低レベル放射性廃棄物」という。例えば、原子力発電所の運転、点検に伴い発生するもので、作業服、軍手、靴下、洗濯水、検査時に交換した機器(フィルターなど)がある。これらは発電所内で焼却や圧縮をして容積を減らし、セメントやアスファルトで固めたものをドラム缶に密閉して保管した上、青森県六ヶ所村にある「日本原燃(株)低レベル放射性廃棄物埋設センター」に運び、埋設処分されている。

高レベル放射性廃棄物

原子力発電で使用したウラン燃料を再処理すると放射能レベルが高い廃液が残る。これを「高レベル放射性廃棄物」という。高レベル放射性廃棄物には半減期の長い放射性物質や、短期間に強い放射線を発生する放射性物質が含まれているので、取り扱いには注意が必要である。

日本では、これをガラスと溶かし合わせて安定的な状態に固形化し(ガラス固化体)、ステンレス容器に入れて30~50年間地上で冷却した後、鋼鉄製の容器に入れて地下300m以上深い地層に埋めて処分することになっている。これまでの原子力発電利用の結果として、1万7千トンの使用済み燃料が保管されており(2015年2月現在)、ガラス固化体にすると約2万5千本相当(再処理分を含む)になる。

こうした高レベル放射性廃棄物は、将来に負担を先送りすることなく処分場所を決めていく必要があり、最終処分問題について一人ひとりが考え、問題の解決に向けた理解を深めていくことが必要である。

水力発電

さまざまな方式があるが、ここでは代表的な貯水池式について紹介する。高所から水が落下するときの勢いを利用して水車を回し、発電する。

水力発電

特徴

  • 燃料が必要ない。
  • 周辺の自然環境に配慮した開発が必要となる。
  • 雨量などの自然条件で発電量が変動する。
  • すでに水力資源の開発が進んでいる日本では、開発地点の小規模化・奥地化が進んでいる。

揚水式水力発電

揚水式水力発電とは発電所の上部と下部に水を蓄えるための調整池をつくり、昼間のピーク時間帯は上部調整池(上池)から下部調整池(下池)に水を流下させて発電し、使用した水量を電力需要の少ない夜間の電気で水車を逆回転させて上部調整池に揚水し、昼間の発電に再び使う仕組みである。

揚水式水力発電は電気を水のかたちで蓄えておく蓄電池の働きをしている。起動・停止が短時間でできるため、電気が不足したときに、緊急に発電することも重要な役目となっている。