わたしたちのくらしとエネルギー

社会科 2 ( 2 )世界のエネルギー事情

社会科

  • 地 理…世界の諸地域
  • 歴 史…現代の日本と世界(日本の高度経済成長)
  • 公 民…国際問題と日本(資源エネルギー問題)

その他の教科

  • 理科3年…科学技術と人間(いろいろなエネルギー)
学習のねらい
  • 世界のエネルギー消費量は、増加し続けていることを理解させ、人口とエネルギー消費量の関係性に気づく。
  • エネルギー資源の有限性と発展途上国も含めた将来のエネルギー消費量の変化が社会に与える影響を考える。
  • 石油価格が私たちの社会やくらしに与える影響について考える。
指導上のポイント
  • 世界の主要なエネルギー供給は、石油、天然ガス、石炭といった化石燃料である。
  • 中国やインドは、急激な経済成長を背景に、エネルギー消費量が増加している。
  • 一人あたりのエネルギー消費量が多いのは、主に先進諸国である。
  • エネルギー資源には限りがあり、資源によって使い続けられる年数は異なる。
  • 石油価格が変動する原因は、政治情勢や経済情勢などの影響が大きい。

人口・経済とエネルギー

 世界のエネルギー消費量は、産業革命以降、工業化に伴うエネルギーの大量消費に応じて急速に増加し続けている。エネルギーの消費量の増大にはもう一つの要因があり、それは人口の急激な増加である。

 1800年にはおよそ10億人だった世界の人口は、1950年に25億人、2013年には約72億人と急増した。今後、アジアやアフリカでの急速な人口増加が予測されており、21世紀半ばには世界全体で95億人に達するといわれている。

 今後、中国をはじめとしたアジア地域などは、その経済成長に伴い、一人当たりのエネルギー消費量が増加するものと予想される。人類全体としてのエネルギー消費量の増大は、文明の進化に伴う一人当たり消費量の増加と、人口増加の相乗効果によってもたらされたものといえる。


世界のエネルギー消費の変化

世界のエネルギー需要の実績と予測

 世界のエネルギー需要量は、2000年に石油換算で約98億トンであったものが、2011年には127.1億トンとなり、さらに2035年には169億トンに達すると見込まれている。このエネルギー需要の増加の中心は、中国やインドをはじめとした非OECD加盟国であると見られている。

 化石燃料は有限であるため、エネルギー需要が拡大する中国やインド等の発展途上国は、国営企業による資源獲得を積極化させており、企業群も交えた激しい資源の獲得競争が世界各地で繰り広げられるようになっている。


確認可採埋蔵量と可採年数

エネルギー資源の確認可採年数の変化

 現在の技術で、経済的に採掘が可能であると確認されている資源量を「確認可採埋蔵量」といい、これを年間の生産量で割った値を「可採年数」とよんでいる。可採年数は、確認されている埋蔵量を現在のペースで生産した場合に採掘できる期間を表している。可採埋蔵量は今後も埋蔵量、あるいは生産量が変動すれば可採年数は変化する。

 1970年代の石油ショック当時は石油の枯渇問題も深刻に懸念されたが、採掘技術の向上や新たな石油資源の発見・確認によって、1980年代以降、可採年数はほぼ40年程度の水準を維持し続けてきた。近年は確認可採埋蔵量の拡大やシェールガス・オイルの生産などもあり、可採年数はむしろ増加している。一方、石炭は、発展途上国の経済成長に伴い需要が増加し、可採年数は急速に減少している。


原油価格の変動

 2000年以降の原油価格に影響を及ぼす要因は、地政学的なリスク、中国をはじめとする発展途上国での需要の急増、資源ナショナリズムの台頭、探鉱・開発投資の消極化などが挙げられてきた。2008年以降はドル相場との関係や他の商品市場との関係など、原油は金融資産としての性格が強くなっている。

 2014年は世界的な原油の供給過剰を背景に、原油価格が大幅に下落した。しかし、中長期的には、アジア、中東などでの需要増加は確実なものと考えられ、将来的には石油需給がひっ迫することも予想されている。

*原油価格下落の原因として、リビアの生産回復、イラクからの供給不安の後退、サウジアラビアが生産量維持、OPECが減産見送り、イラン核協議が再延長(一定量の輸出継続)、米ドル高などが挙げられる。