わたしたちのくらしとエネルギー

技術・家庭科 家庭分野 1 ( 4 )くらしの中のエネルギー

家庭分野

  • ・わたしたちの消費生活と環境

その他の教科

  • 社会科歴史…現代の日本と世界(日本の高度経済成長)
  • 技術分野…材料と加工に関する技術
学習のねらい
  • 家庭生活で使われるエネルギーの種類や用途について理解する。
  • ものの生産・輸送などに投入された間接エネルギーも消費していることを理解する。
  • 消費生活とエネルギー消費の関係性に気づき、毎日のくらしのあり方を考える。
指導上のポイント
  • 私たちの便利で快適なくらしは、大量のエネルギー消費の上に成り立っている。
  • 家庭では、直接的に利用するエネルギーだけではなく、ものの消費を通じて間接的にエネルギーを消費している。
  • 生活必需品が私たちの手に届くまでには、それぞれの段階でエネルギーを消費している。

家庭におけるエネルギー消費の変化

家計のエネルギー関連消費支出の変化

 日常生活におけるエネルギー消費は時代とともに大きく変わっている。「家計のエネルギー関連支出の変化」を見ると、電気、ガソリンの支出割合が年々多くなっている。

家庭における電気の利用用途

主な電気製品の保有台数(100世帯当たりの台数)

 電気製品の中で最も多く電気を消費しているのは冷蔵庫(14%)である。続いて照明器具、テレビ、エアコンの順番に消費電力量が多く、この4つの製品で家庭全体の3分の2以上を占めている(2009年は冷夏暖冬の影響でとりわけ消費量が少なくなっている)。

 家庭での省エネルギーは、消費電力量の多い機器に対して省エネ対策をとることが、効果を高めるポイントになる。

直接エネルギーと間接エネルギー

 電気やガス、ガソリンなどは、直接的に消費するエネルギーである。これに対し、間接エネルギーは、目には見えないが生活必需品などの生産・加工の過程や、製品を輸送する段階で使われるエネルギーである。目に見えないだけに実感しにくいものであるが、私たちのくらしを支えるために、意外に多くのエネルギーが使われている。

 製品の間接エネルギーは、消費者がそれを使用する期間の長短にかかわりなく一定量である。一方、直接エネルギーは製品を使用する段階で消費されることから期間の長短に比例する。消費生活に必要となるエネルギーをトータルで考えると、直接エネルギーだけでなく間接エネルギーまで含めた製品のライフサイクルエネルギーを考える必要がある。


ライフサイクルアセスメント(LCA)とは

 ライフサイクルアセスメントとは、資源採取から製造、流通、使用、廃棄に至るまでの製品の一生涯(ライフサイクル)で、環境に与える影響を分析し、総合的に評価する手法のことである。製品は、エネルギー消費量や二酸化炭素排出量、鉱物資源使用量、処分時にリサイクルできないゴミの量など、製品の環境分析を定量的・総合的に評価する。私たち消費者も、商品を購入、使用、廃棄する際、そのライフサイクルを考慮する必要がある。


環境家計簿とは

 環境家計簿とは、家庭で使う電気、ガス、水道、灯油、ゴミ、容器包装などの量に二酸化炭素排出係数を掛けて二酸化炭素の量に換算する形式のものが一般的である。排出係数は、そのエネルギーやものがどれだけ二酸化炭素を排出するかを計算したものである。例えば電力の場合は、1 kWhの電力を発電する際に排出される二酸化炭素排出量(kg)のことである。現在は、自治体や企業などが作成した環境家計簿のフォーマットも多数提供されている。

 また、電気やガスなど直接消費したエネルギーと間接的に消費したエネルギーから排出された温室効果ガスの量を全て計算できる環境家計簿『エコット家計簿』もインターネット上で公開されている。


家庭分野

  • ・わたしたちの消費生活と環境

その他の教科

  • 理科3年…自然と人間(持続可能な社会をめざして)
  • 技術分野…材料と加工に関する技術
学習のねらい
  • くらしの中のエネルギーの利用が地球温暖化問題に直結していることに気づき、ライフスタイルの見直しを実践する。
  • 循環型社会への転換を図るため、省資源の必要性に気づき、くらしの中で実践する。
  • 低炭素社会、循環型社会、自然共生社会の考え方を理解し、持続可能な社会の在り方を考え、実践する。
指導上のポイント
  • 私たちは、くらしの中で大量の二酸化炭素を排出しており、植物の持つ二酸化炭素を吸収する働きを大切にする。
  • 資源やエネルギーのむだが少ないのは、リデュース、リユース、リサイクルの順である。
  • 人間社会の活動は、自然環境や生態系に影響を及ぼしている。

日本の温室効果ガス排出の現状

二酸化炭素排出量のうちわけ(2013年度)

 日本の温室効果ガス排出量は年間約13億960万トン(2013年度)となっている。そのうちエネルギー消費によって発生した二酸化炭素は12億7,600万トンである。部門別では産業部門、自動車などの運輸部門からの排出量は近年減少傾向で推移しているが、家庭、業務、ビル用などの民生部門での排出量は増加している。

二酸化炭素排出量のうちわけ(2013年度)(xls/xlsx形式:36.8KB)

日本のごみ排出量の現状

ごみ総排出量と1人1日あたりごみ排出量の推移

 一般廃棄物の排出量は約4,523万トン(2012年度)となっている。近年は、生活の便利さや豊かさが追求された結果、家電製品などのように大型で処理しにくい廃棄物が増大している。その中にはプラスチックと金属の複合素材のように、リサイクルが困難となっているものも多い。

ごみ総排出量と1人1日あたりごみ排出量の推移(xls/xlsx形式:33.4KB)

循環型社会の形成と自然環境

経済社会における物質循環

 経済社会における物質循環を適切におこなうことができれば、自然環境への負荷を少なくすることができる。資源採取、生産、流通、消費、廃棄などの社会経済活動の全段階を通じ、省資源化技術などを活用した廃棄物等の発生抑制や循環資源の利用などに取り組み、新たに採取する資源をできるだけ少なくする必要がある。


「持続可能な社会」とは

 地球上では、多様な生物や大気、水、土壌などが有機的に結びついて物質循環を支えており、人類もまたその中で存在している。しかし、近年の人類の営みは、大気や水、土壌などを汚染し、生態系とその基盤である生物多様性に対して大きな打撃となっている。一方で、地球環境が無尽蔵で無限なものではないという認識も、多くの人々に広まりつつある。地球の物質循環や生態系の破壊、ひいては人類社会の破綻を回避するために、私たちは、地球という有限な器の中で「持続可能な社会」を築いていかなければならない。

 「持続可能」という理念は、1987年、国連の環境と開発に関する世界委員会(WCED)の最終報告書「地球の未来を守るために(Our CommonFuture)」(いわゆる「ブルントラント報告」)において提唱された。ブルントラント報告では、「持続可能な開発」とは「将来の世代のニーズを充たしつつ、現在の世代のニーズをも満足させるような開発」を言う、とされている。以来、「持続可能な開発」という考え方は世界中で広く用いられるようになり、今日の地球環境問題に関する世界的な取組の基礎となっている。

 日本では、持続可能な社会は「健全で恵み豊かな環境が地球規模から身近な地域までにわたって保全されるとともに、それらを通じて国民一人一人が幸せを実感できる生活を享受でき、将来世代にも継承することができる社会」と定義されている(平成18年4月閣議決定「第3次環境基本計画」)。