マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?
「核燃料サイクル」ってなに?
地球の資源を大切に利用するために
新聞や雑誌、ペットボトルなどのリサイクルと同じように、核燃料サイクルも大切な地球の資源を大事に使うための取り組みです。
火力発電に使われる化石燃料(石油、石炭、天然ガス)は、一度燃やすと灰や煙になって使えなくなりますが、原子力発電で使うウラン燃料は使い終わった燃料の中から、まだ使えるウランなどを取り出すことができます。これらをまた発電に使っていく流れを「核燃料サイクル」と呼んでいます。
核燃料サイクルをするとなにが良いの?
メリット1 燃料資源(ウランなど)を繰り返し使える
再処理という工程を行うことで、使い終わった燃料の95~97%をまた発電の燃料として使うことができます。
メリット2 廃棄物の量を減らせる
再処理の後に残るものを、高レベル放射性廃棄物といいます。
再処理しないでそのまま処分する場合と比べて、廃棄物の量を約4分の1に減らせます。
メリット3 有害度が十分に下がるまでの時間を短くできる
高レベル放射性廃棄物は、たくさん放射線を出す物質(放射性物質)です。再処理をすると、有害度が十分に下がるまでの時間※が再処理しない場合の約12分の1になります。
※有害度の低減は、単位発電量当たりの高レベル放射性廃棄物の放射線量(Sv:シーベルト)が、その発電に必要な天然ウランと同等のレベルまで下がるのに必要な期間
青森県の施設が日本のエネルギーを力強く支えていく
核燃料サイクルをするためのさまざまな施設が、青森県の六ヶ所村にあります。その中でもメインとなる「再処理工場」は現在、完成に向けて工事が進められています。
また、しっかりと安全性を確保することも大切です。再処理工場などでは世界で最も厳しい安全基準をみたすための、
さまざまな対策や事故に備えた訓練をしています。こうした施設が、これからの日本のエネルギーを力強く支えていくことになります。
- 写真提供:再処理工場 日本原燃(株)