マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?
発電方法の組み合わせって?
日本国内における発電の組み合わせと割合
ここまで、いろいろな発電方法を見てきましたが、日本では、どのように発電方法を組み合わせて使っているのでしょうか。
2011年3月に大地震があり、福島県にある原子力発電所で事故が起こりました。それより前は、日本では火力発電で約65%、水力発電や再生可能エネルギーの発電で約10%、原子力発電で約25%の電気をつくっていました。
事故の後、全国の原子力発電所は安全対策を強化するために運転を停止しました。そのため、原子力発電でつくられていた分の電気を火力発電でつくる必要があり、
一時は火力発電が約89%にもなりました。原子力発電はその後、国が決めた安全基準に合格したものから運転を再開しています。
これからも安心して電気を使うために
ロシアによるウクライナ侵略などによって国際的なエネルギー需給が不安定化している中、エネルギー資源の少ない日本が、安心して電気のある生活をするためには、安全に電気をつくること〔Safety〕を大前提に、3つのことを考える必要があります。
1 安定して電気をつくること〔Energy Security〕
海外からの輸入に頼らず、日本国内のエネルギー資源を使う割合を増やす
2 電気料金を安くすること〔Economic Efficiency〕
電気料金を今よりももっと安くする
3 環境に優しいこと〔Environment〕
地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素などのガス(温室効果ガス)の排出を減へらす
これらは、それぞれの英語の頭文字をとって「S+3E」(エス・プラス・スリー・イー)と呼ばれています。
日本では、なにかひとつのエネルギーに頼るのではなく、さまざまなエネルギーをバランスよく使っていくことにしています。これを「エネルギーミックス」といいます。2030年度の目標では、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーを36~38%程度に、安定的な電力である原子力発電を20~22%程度に、二酸化炭素を排出する火力発電は41%程度に減らし、新たに水素・アンモニア発電を1%程度導入する、ことを目指すこととされています。また、原子力については、発電で使い終わったウラン燃料をリサイクルして有効に使う「核燃料サイクル」もすすめていくことにしています。