マンガでわかる 電気はあってあたりまえ?

発電方法の組み合わせって?

マンガ:
弟 いろいろな発電方法があるんだね。結局どの発電がいいの?
父 ひとつの方法じゃなくて、いろいろな発電方法でつくることが大切なんだよ
弟 どうしてひとつの方法じゃダメなの?
父 電気は安定してつくるだけじゃなく電気料金のことや環境のことも考えておかなきゃならない。もちろん安全性も重要だ
弟 安定してつくるってどういうこと?
父 えーっと・・・。
(スマホで調べている所に母がフォロー)
母 日本は火力発電が多いんだけど、燃料になる石油や石炭などのエネルギー資源はほとんどを外国から輸入しているの
姉 えーっ!もし輸入ができなくなったら困っちゃう・・・
図 日本のエネルギー自給率※はわずか12.6%(2022年度)
国産のエネルギー(太陽光、風力、地熱、原子力など)12.6%
外国産のエネルギー(石油、石炭、天然ガスなど)87.4%
※エネルギー自給率・・・自分の国でエネルギーをまかなっている割合
父 そう!輸入できなくなると安定して電気をつくれない!
姉 電気を安定してつくって、しかも値段が安くて、環境に優しいなんて難しそう
父 いろいろな発電方法をバランスよく組み合わせて電気をつくれば、それぞれの得意なところをいかして、苦手なところをカバーしあえるんだ
母 いろいろな発電方法をミックスして電気をつくることを、「エネルギーミックス」っていうのよ
弟 今日のママのお弁当みたいだね。

日本国内における発電の組み合わせと割合

ここまで、いろいろな発電方法を見てきましたが、日本では、どのように発電方法を組み合わせて使っているのでしょうか。
2011年3月に大地震があり、福島県にある原子力発電所で事故が起こりました。それより前は、日本では火力発電で約65%、水力発電や再生可能エネルギーの発電で約10%、原子力発電で約25%の電気をつくっていました。 事故の後、全国の原子力発電所は安全対策を強化するために運転を停止しました。そのため、原子力発電でつくられていた分の電気を火力発電でつくる必要があり、 一時は火力発電が約89%にもなりました。原子力発電はその後、国が決めた安全基準に合格したものから運転を再開しています。

図:発電の組み合わせの変化
火力発電は、石油火力など、石炭火力、天然ガス火力を合計した割合
2010年度 火力発電65%
2011年3月 東日本大震災
2012年度 火力発電89%
2022年度 火力発電73%

これからも安心して電気を使うために

ロシアによるウクライナ侵略などによって国際的なエネルギー需給が不安定化している中、エネルギー資源の少ない日本が、安心して電気のある生活をするためには、安全に電気をつくること〔Safety〕を大前提に、3つのことを考える必要があります。

1 安定して電気をつくること〔Energy Security〕

海外からの輸入に頼らず、日本国内のエネルギー資源を使う割合を増やす

2 電気料金を安くすること〔Economic Efficiency〕

電気料金を今よりももっと安くする

3 環境に優しいこと〔Environment〕

地球温暖化の原因といわれる二酸化炭素などのガス(温室効果ガス)の排出を減へらす

これらは、それぞれの英語の頭文字をとって「S+3E」(エス・プラス・スリー・イー)と呼ばれています。

図:S+3E 大前提 安全に電気をつくる Safety、安定して電気をつくる Energy Security、電気料金を安くする Economic Efficiency、環境に優しく Environment

日本では、なにかひとつのエネルギーに頼るのではなく、さまざまなエネルギーをバランスよく使っていくことにしています。これを「エネルギーミックス」といいます。2030年度の目標では、二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギーを36~38%程度に、安定的な電力である原子力発電を20~22%程度に、二酸化炭素を排出する火力発電は41%程度に減らし、新たに水素・アンモニア発電を1%程度導入する、ことを目指すこととされています。また、原子力については、発電で使い終わったウラン燃料をリサイクルして有効に使う「核燃料サイクル」もすすめていくことにしています。

図:発電の組み合わせの目標
2022年度 総発電電力量 1兆106億kWh:火力(石油等8%、石炭31%、天然ガス34%)、原子力6%、再生可能エネルギー22%
2030年度 総発電電力量 9,340億kWh程度:火力(石油等2%程度、石炭19%程度、天然ガス20%程度)、原子力20~22%程度、再生可能エネルギー36~38%程度、水素・アンモニア1%程度
※四捨五入の関係上、合計が100%にならない場合があります
※再生可能エネルギー・・・水力、太陽光、風力、バイオマス、地熱

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