
千葉工業大学の大学生を対象に、日本のエネルギーに関するワークショップを実施
2024.11.29千葉工業大学
実施概要
千葉工業大学の学生を対象に、資源エネルギー庁からエネルギー政策の現状と今後の方向性についての情報提供を行った。その後、CO2排出量削減をテーマとしたボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」を実施した。
情報提供「エネルギー政策の現状と今後」
(資源エネルギー庁 須山 照子)

DXの推進やAIの台頭により、今後ますます電力の需要は高くなることが予想される。一方、日本はその国土面積の狭さや、発電所の設置に適した平らな地形の少なさなどの課題も多く、発電のためのエネルギーの多くを輸入に頼っている。世界情勢の緊迫化などにより、エネルギーの安全保障や安定供給への実現にむけて改めて考え直す必要に迫られている。同時に、二酸化炭素排出量の削減を目指す世界的な潮流もあり、国際情勢を踏まえてエネルギーの今後について検討することが必要不可欠となっている。
本情報提供では、そのような状況を踏まえ日本のエネルギー政策の現状を様々な切り口から考える機会を提供。現在の日本ではどのようなエネルギーが発電のために使われているのか、それらのエネルギーが全体の発電量に占める割合について考えると同時に、日本の置かれている状況を相対的に評価するため諸外国の現況についても触れた。
また、二酸化炭素排出量削減の有効策として注目を集めている再生可能エネルギーや原子力等について、そのメリットと課題点の両方を示した。これらの情報提供で得たエネルギーに関する知識を実際に活用して、戦略を考えるのが、次に行ったボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」である。
ボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」

学生は2グループに分かれ、ボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」を行った。
プレイヤーは投資家として、チームメイトと相談しながら「火力発電」「太陽光・風力発電」などに投資を行う。開始時に資金が3ずつ配られ、各プレイヤーが技術に投資を行う。投資額に応じて技術開発が進み、技術レベルが上がる。レベルの向上に伴って様々なイベントが発生し、そのイベントの結果によって資金やCO2排出量が増減するようになっている。イベントの内容は技術レベルが進まないと開示されず、一つの技術に投資を続けるだけでは付随する課題をクリアすることができない。
ラウンドは相談フェーズ、投資フェーズに分かれており、投資フェーズに入るとグループ内の相談が禁止される。学生たちは相談フェーズで戦略を固め、各自の判断で投資先を決めた。
4ラウンド終了時点で「投資資金がマイナスになっていない」、「50個あるCO2カウンターを0にする」という2つの条件を達成することでゲームクリアとなる。




各チーム 終了時の結果
チームA
戦略・方針
火力発電は発電量が多いが、CO2排出量も多いため最終的にマイナスになると予想し、戦略的に他の発電に力を入れた投資を行った。
結果
CO2削減量33/50

チームB
戦略・方針
序盤にチーム内の各プレイヤーが得意分野(チーム内の各プレイヤーに割り当てられる役割。火力発電が得意分野のプレイヤーは、与えられた投資額の他に火力発電への投資1を全ラウンドに無条件で投資可能)に集中投資し、効率的に資金を集める戦略をとった。
結果
CO2削減量50/50
クリア

参加者の声
- ボードゲームを利用することで興味を持ちやすい内容となり、非常によかった。
- 日本のエネルギー自給率などが大切だと再認識した。自分が思っているよりもヨーロッパは脱炭素社会に向け、いろいろな活動をしていると感じた。
- 再生可能エネルギーについて、今後は必ず普及させていかなければ行けないと思っている。その点、再生可能エネルギーにどのように取り組むべきかを深く考えるために必要な知識を得ることができた。
- (日本の将来のエネルギーについて、「経済面」に関して最も深く知りたいと回答した理由について)自分自身がリース業界を目指しており、リースを通じて再生可能エネルギーをさらに普及したいと考えているため、経済性に最も興味がわいた。