2022年度開催報告 どう考える?これからの日本のエネルギー

中国地域エネルギー施設
見学会・ワークショップ

2023年3月16日(木)
中国地域エネルギー施設見学会・ワークショップの写真

3月16日に中国地域の大学生等22名を対象に、大崎上島にて、大崎クールジェン、NEDOカーボンリサイクル実証研究拠点の見学を行った。

施設見学

大崎クールジェン

大崎クールジェン社長より挨拶の様子

大崎クールジェンでは、石炭ガス化燃料電池複合発電とCO2分離回収技術を組み合わせた革新的低炭素石炭火力発電の実現を目指し、実証事業が進められている。プロジェクトの概要説明を受けた後、実証現場の見学と質疑応答を行った。

現場では、どのような流れで石炭が実証設備で使われているのか目の前で解説を受け、設備の大きさだけでなく、プロジェクトの規模やその先に見据えているものも含め、関心の高さが伺えた。加えて、参加者と年齢の近い技術者も対応されたことで、日々の業務での出来事や感じたことなど、仕事をする現場の一端を垣間見れた面もあった。

質疑応答では、実証設備から出てくるスラグやドライアイスなどの実物も交えながら、学生からは「石炭はあとどれぐらい使えるのか」、「排出される二酸化炭素をどのように地中に留めておくのか」、「煙突からはどのような物質が排出されるのか」、「酸素吹の酸素はどこで作られるのか」など、エネルギーに関して幅広く積極的な質問があった。

石炭ガス化設備の見学の様子
班ごとでの質疑応答の様子

NEDOカーボンリサイクル実証研究拠点

NEDOカーボンリサイクル実証研究拠点の概要説明の様子

NEDOカーボンリサイクル実証研究拠点では、CO2の有効利用技術を確立するため、大崎クールジェンプロジェクトから分離・回収されたCO2を活用し、様々なカーボンリサイクルの用途を想定した実証研究が行われている。

大気圧プラズマを利用してCO2を分解・還元する研究開発や、バイオプロセスによりCO2から高付加価値脂質や化学品原料を合成する技術開発、微細藻類由来SAFの製造技術確立のための生産・培養に関する技術検証について、それぞれの研究開発テーマを担う研究者から説明を受け、プロセスの実用化に関する質問や、出口を狙う上での作り分けや分離技術に関する質問など、設備を目の前にして具体的な疑問を投げかけていた。

藻類由来SAFの製造に関する研究についての解説の様子
乾燥させた藻を確認している様子
Gas-to-Lipids バイオプロセスの開発の研究施設見学の様子
大気圧プラズマを利用する新規CO2分解・還元プロセスの研究開発に関する説明の様子

今回の見学にあたり、「2050年 カーボンニュートラル達成に向けて、漢字1文字で表すと何?」と参加者へ質問したところ、

  • 〇『転』・・・今あるエネルギーの形を「転換」していく必要があるから。
  • 〇『革』・・・今までのやり方では難しいのではないかと思うので、革新的な手法が求められると考えました。
  • 〇『理』・・・カーボンニュートラルのために、二酸化炭素排出量を減らす取り組みに個人でできることを理解し、理由を持って行動する。
  • 〇『全』・・・官民を問わず日本と世界に住む全ての人が取り組んでいくべき課題だから。
  • 〇『共』・・・みんなが一緒に頑張らないと達成できないと考えるから。
  • 〇『成』・・・成就させるという思いを込めて。
  • 〇『進』・・・現状を踏まえると、目標達成への道のりはかなり険しいと思うが、達成に向けて前に進んでいるような印象を受けたので。

などの回答があり、今回の見学で技術者や研究者とのコミュニケーションにより、カーボンニュートラル達成に向けて力強く感じることができた様子であった。

参加者の声

ディスカッション形式で質問等が行えたことがわかりやすく、とても良かったです。

直に専門家のお話しが聞けたこと。実物が直に見れたことが良かったです。

実際に施設の中を巡って説明を聞くことが出来たのでよかった。石炭火力には二酸化炭素を多く出すというイメージがあったため、今回の見学で捉え方が大きく変わった。

CO2の排出削減だけでなく、カタチを変えての利用や変換方法の研究を様々なアプローチで行っているのだということ全体が、これからのエネルギー関連の未来を予感でき面白かった。

微細藻類でジェット燃料を作る研究。単に今まで聞いたことがなく強烈に印象に残った。

地中にCO2を埋めるという取り組みを伺ったが、安全と言われても今一つ腑に落ちなかった。実施に適した場所も無限にあるわけではないだろうし、放射性廃棄物のように社会問題になるのではないかと思ったので、この分野についてもっと詳しく伺いたい。

震災以降ネガティブなイメージが大きくなっており、現状や取り組みを詳しく知る必要があると感じるから。原子力発電所に行ってみたい。

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