2022年度開催報告どう考える?これからの日本のエネルギー

愛媛大学

2022年4月22日(金)
愛媛大学講義の写真

愛媛大学 教育学部の学生を対象に、資源エネルギー庁から「将来のエネルギーの選択を考える」と題し、エネルギー政策に関する授業を実施した。

講義「将来のエネルギーの選択を考える」(資源エネルギー庁 須山 照子氏)

我が国の原油・LNG・石炭輸入におけるロシアのシェア(2021年速報値)の円グラフ
日本は化石燃料のほぼ全量を海外から輸入している。ロシアから日本への化石燃料の輸入は、原油3.6%、LNG8.8%、石炭11%となっている。

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日々の暮らしの中では家電製品に囲まれ、エネルギーや電気は当たり前にあるものと認識しがちであるが、エネルギー資源が日本に輸入され、家庭や工場・オフィスへ無事に供給されるまでには様々なリスクが存在する。

特に現在はロシアのウクライナ侵攻により、ロシアへのエネルギー依存度低減に向けた取組みが加速している。
しかしその影響として世界全体の需給がひっ迫し、エネルギー価格が上昇するリスクや、エネルギーの安定供給への懸念など国民生活への影響に対して緊急かつ機動的に対応することが求められている。

また、国内では気候変化や社会構造変化の中で電力需要が増大傾向にあるが、年間を通じた供給力不足の懸念が常態化している。
3月22日の東京電力および東北電力管内における電力需給ひっ迫警報は、福島県沖地震の影響による火力発電所の停止や、真冬並みの寒さによる需要の大幅な増大及び、悪天候による太陽光発電の供給力が大幅に低下したため、電力需給が極めて厳しくなり発令された。来冬も東電管内で電力不足が懸念されており、電力の安定供給に向けた対策も検討されている。

国際的なエネルギー安全保障における緊張感の高まりを認識した上で、いかなる状況でもエネルギーの安定供給を確保しなければならない。

そして、2050年までのカーボンニュートラルの実現に向けて、S+3E、すなわち、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合のバランスを大前提に、再生可能エネルギー、原子力発電の利用、水素、CCUSなどあらゆる選択肢を追求していく。

学生の声

講義を受けている学生の様子

事後アンケートでは、日本の再生可能エネルギー導入量など講義前のイメージとのギャップに驚く声や、カーボンニュートラルが本当に出来るのかということへの興味や疑問など、将来的な感想についての回答が多くあった。
また、地球温暖化対策やカーボンニュートラル実現のために、個々の意識を高めること、そして、個人ができることを知りたいという意見もあり、自分事として考えるきっかけとなった。

日本は資源を他国に頼ってばかりでネガティブなイメージしかなかったが、再生可能エネルギーを積極的に促進しているというポジティブな事実を知ることが出来た。

カーボンニュートラルを実現する取り組みがこれから先どんどん進んでいき、私たちの将来の生活にも関わってくるということが印象的でした。今までは二酸化炭素を減らさなければならないと分かっていても、どこか他人事のように思ってしまっていた部分があったので、それを自分事として考え直そうと改めて思いました。

太陽光パネルを増やせば、再生可能エネルギーだから環境に良いと単純に思っていたのですが、設置にあたって、廃棄処理の方法だったり、場所によっては景観を気にしなければならなかったりと、色々なことを考えなければならないことを初めて知って驚きました。

東日本大震災があってから、原子力発電にマイナスなイメージしかなかったが、原子力発電所がCO2を出さないなど環境への負担が少ないことや、燃料の在庫日数も長いことを知ることができた。なぜ、政府が原子力発電をすすめたいのか理解することができた。

カーボンニュートラルに向けて、国ごとの政策や具体的な技術について聞いてみたいと思いました。

分散型社会や循環経済について、より詳しく聞いてみたい。

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