2022年度開催報告 どう考える?これからの日本のエネルギー

千葉工業大学

2022年10月21日(金)
千葉工業大学の写真

千葉工業大学の学生を対象に、資源エネルギー庁から「エネルギーの現状と2050年へのエネルギー戦略」と題し情報提供を行うとともに、カーボンニュートラルを目指すボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」を実施した。

情報提供「エネルギーの現状と2050年へのエネルギー戦略」(資源エネルギー庁 須山 照子氏)

講義を受けている学生の様子

日本はエネルギー政策の4つの基本的視点として、安全性・安定供給・経済効率・環境適合のS+3Eを追求することとしている。現在、世界的な有事の下で、安定供給や経済効率の2つのEが不安定な状態である。そのため、短期、中長期的の視点にたって、S+3Eのバランスが保たれている状態を再構築する必要がある。まずは、足元の危機を克服しつつ、2050年に向けたカーボンニュートラルの取り組みも加速していかなければならない。

2050年カーボンニュートラルに向けては、エネルギーの需要と供給構造や産業構造の転換を同時に実現し、この脱炭素の動きを経済の成長・発展につなげていかなければならない。住宅・建築物においての基準適合義務化や電動車100%の目標に向けてのインフラ導入支援など省エネや燃料転換の強化も求められている。供給側は、脱炭素電源が大前提となり、火力発電は、水素、アンモニアやCCUS/カーボンリサイクル等を活用して脱炭素火力への転換を進めていくことになる。カーボンニュートラルに向けて世界が進んでいく中で、脱炭素電源や関連する産業などの新市場を獲得できるかが日本の経済成長の鍵となる。持続可能な社会を目指す2050年の姿を一緒に考えてほしい。

ボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ」

参加学生は3グループに分かれ、2050年カーボンニュートラルを達成するためにはどのようなイノベーションと投資が必要か体験的に理解するためのボードゲーム「ブルー・ファウンダーズ~青色の地球を目指して~」を行った。

ゲームではCO2削減に関係する10個の技術に投資を行い、投資によって発生するイベントで、地球が描かれたボードの上のCO2コインを取り除いていく。4ターンで50枚すべてのCO2コインを取り除き、100%削減を達成することがゴールとなる。
ボードゲームの結果、A班は29枚(CO258%削減)、B班は30枚(CO260%削減)、C班は40枚(CO280%削減)のコインを取り除く結果となった。

参加した学生からは「カードの相性を考えたりして戦略を考えていくのが面白かった。」、「資金を考えたり他のエネルギーとの関係を考えた温室効果ガス削減の難しさが分かりました。」等の感想があった。

参加者の声

ボードゲームから電源構成や、関連技術のイノベーションを成功させるためにどうすればいいのか楽しみながら学ぶことができたのが良かった。

日本における原子力発電の必要性を研究しており、原子力発電のイノベーションとして小型原子炉などが開発されていることが印象に残った。

カーボンニュートラルがもし達成されたら、その後の世界は二酸化炭素ではない別のものが問題になるのか気になった。

国ごとにCO2削減の取り組みはどのようにしているのか詳しく聞きたい。

経済性の観点から電力コストを下げることで出た余剰分を、ほかの技術に投資することで、さらに効率の良いエネルギー生産方法が確立出来るかもしれないと感じた。

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