弘前大学

2019年度 開催報告一覧

どう考える?
これからの日本のエネルギー

弘前大学
青森県 弘前市

2019年11月1日(金)

テーマ「エネルギーと暮らし・環境そして将来は?」

11月1日に弘前大学にて「環境と生活A」の受講者を対象に「エネルギーと暮らし・環境そして将来は?」をテーマに講義を行った。

講義(資源エネルギー庁 須山照子氏)

講師によるエネルギーについて考える観点である3E+Sについての解説風景

北海道胆振東部地震の際のブラックアウト、ホルムズ海峡での日本船への武力攻撃などの近年の出来事を受け、現在日本では、国内安定供給確保のためのインフラ強靭化、エネルギー自給率の向上などに向けた取り組みがますます重要視されている。

また2015年には、パリ協定にて温室効果ガス排出量削減の世界的な目標が定められた。こうした世界規模の脱炭素化の流れから、再生可能エネルギーのさらなる導入が求められており、2030年には日本の電源構成のうち22~24%の割合を占めることを目標としている。再生可能エネルギーの最大限の導入と電気料金における国民負担の抑制の両立を図るべく、効率的な導入拡大が必要とされている。今後CO2削減インパクトのある技術としては、排出したCO2を地下貯留する技術や、発電のときに地球温暖化の原因となるCO2を出さない原子力や風力発電などのエネルギー技術による効果が大きいと見込まれており、こうした技術力をいかに高めていくかが重要となっている。

青森県は風況が良いことから、風力発電導入量が日本一位であり、今後は洋上風力発電にも目が向けられている。

また、東通村には、青森県の全発電所の中で出力では一番大きい原子力発電所がある。そして、日本で唯一の核燃料サイクル施設が青森県の六カ所村にある。この施設では、使用済み核燃料のリサイクルを行っており、高レベル放射性廃棄物の削減、資源の有効活用等に貢献している。近々、この「六ケ所原子力燃料サイクル施設」の見学に行かれるということだが、原子力関連施設について学ぶとともに、安全性について事業者がどのように取り組んでいるのかを見ていただきたいと思う。

水素エネルギーの実験

シャボン液を使った実験を行い、2つの条件における水素の燃え方を検証した。水素のみが入っているシャボン玉の場合は着火しても無音で燃えるだけであったが、水素と酸素入りのシャボン玉に火を点けるとパーンという音に学生たちは驚きの声を上げ、水素の威力を実感したようだった。このように、水素は酸素と合わせると爆発的な威力があり、水素のパワーはガソリンの2.7倍と言われ、実際にロケットにも使われている。

一方、この化学反応をゆっくりさせて電気エネルギーを取り出すのが燃料電池である。講義ではこの燃料電池を使って電子オルゴールで音楽を奏でる実験も行われた。

まだまだ安全性の確保やコストの低減等課題は多いが、将来の主たるエネルギーとして期待されており、水素社会の実現に向けてさらなる技術革新が求められている。

水素と酸素の混合気体で作ったシャボン玉に火をつけようとしている風景
講師による燃料電池の化学変化についての解説風景

参加した学生の声

エネルギー自給率が低いことは知っていたが、世界でも最下位を争う程とは知らなかった。また、2030年には原子力発電が再び日本の電力を支えるものの一つになるかもしれないことに驚いた。
最後に見た少女のスピーチが特に印象に残りました。同年代の少女があんなにも真剣に環境のことについて考えていて、事の重要性、深刻さに改めて気づかされました。
再生可能エネルギーがあるから大丈夫と思い込んでいたけど、日本は発電を行う場も資源もないという現状にびっくりした。だからこそ、今後の打開策について考えていきたい。
燃料電池の存在は前から知っていたが、水素のポテンシャルは思っていたより高いようだった。将来について、エネルギーに関することも視野に入れておきたいと思った。
現在のエネルギーの問題を明示した上で、今後の推計やその対策についてご講演いただいたので内容が分かりやすかった。また国際比較率も多く、日本の現状がどのようなものなのか、より詳しく分かった。
2030年以降の問題の深刻さが分かった。20××年までにというより今から行動していかないと、後々地球や自然からの猛威がくると思った。

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