はじめに
現在、代表的な二次エネルギーといえば、熱や電気が挙げられます。特に電気は多くのエネルギー源から転換することができるため利便性が高く、ネットワークを通して最終消費者に供給されており、二次エネルギーの中心的な役割を担っています。
一方、東日本大震災では、送配電網につながっていないと電気の供給ができないことや、大規模集中型のエネルギーシステムの脆弱性が明らかになりました。
こうした課題に対応するためには、BCPなどにも対応できるコージェネレーション等の分散型エネルギーの推進や、水素や蓄電池等のエネルギー貯蔵技術の活用により、二次エネルギーの供給方法の多様化・柔軟化が重要となります。
水素は、利用段階では二酸化炭素を排出せず、多様なエネルギー源から製造が可能であるなど、環境負荷の低減やエネルギーセキュリティの向上に資する将来の有望な二次エネルギーの一つです。
このような観点から、将来の社会を支える二次エネルギー構造の在り方を視野に入れて、新たなエネルギーシステムの構築に向けた技術開発やモデル実証等の取組を着実に進めていく必要があります。