第2節 エネルギー・環境分野における国際協力の強化

世界のエネルギー情勢が大きく変化する中、各国がエネルギー需給構造をより安定化・効率化するためには一国での取組だけでなく、多国間及び二国間のエネルギー協力を戦略的に組み合わせつつ、国際的な協力を拡大することが重要となってきています。

そのため、2013年度においては、多国間の国際エネルギー枠組みを活用し、エネルギーの安定供給確保に向けた取り組みを進めるとともに、二国間の協力を通じて、アジア各国等との国際協力やエネルギー供給国との関係強化を行いました。

<具体的な主要施策>

1.多国間枠組みを通じた協力

(1) 主要消費国における多国間協力

IEAにおける協力

IEAは、1974年11月、第一次オイルショックを契機として、アメリカの提唱により石油消費国間の協力組織として設立されました。当初は、IEP(国際エネルギー計画)協定に基づく石油の90日備蓄義務及び緊急時対応を始めとするエネルギー問題解決のための国際協力が主な活動内容でしたが、現在では、エネルギー安全保障、環境保全、経済成長(3E)の同時達成という観点から、①低炭素技術の開発促進・省エネ、低炭素技術の開発・普及のための政策提言、低炭素技術R&Dのための技術協力、②国際石油市場、世界エネルギー需給、エネルギー技術等の見通しの策定、公表、③中国、インド、ロシアを含む新興途上国、産油国等との協力の構築、④国別エネルギー政策の審査、勧告の実施など幅広い活動を展開しています。現在の加盟国は、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイルランド、イタリア、日本、ルクセンブルグ、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英国、アメリカ、スロバキア、ポーランド、エストニアの計29か国です。

IEAは2年に一度閣僚理事会を開催しており、直近では2013年11月にパリにて開催された閣僚理事会に赤羽経済産業副大臣、兒玉在OECD日本政府代表部大使が出席しました。なお、前回同様、IEA加盟28か国及びEUに加え、中国、インド、ロシア、インドネシア、ブラジル、メキシコ、南アフリカ、チリ、エストニアの非加盟国9か国も参加しました。本閣僚理事会では、安定かつ低廉なエネルギー供給の確保が不可欠であるとの考えで一致し、その上で、原子力を含む低炭素技術の利用などによるエネルギー供給の多様性を歓迎するとともに、高効率な石炭火力発電技術の普及は、気候変動の影響を緩和する観点で重要であることが確認されました。また、エネルギーの生産者、消費者の双方にとって適切な価格を形成するため、競争的で透明なエネルギー市場の構築が重要であることが確認されました。

国際エネルギー機関拠出金【2013年度当初:2.8億円】

「世界エネルギー展望(WEO)」を始めとするエネルギー市場の分析、エネルギー技術ロードマップの策定、低炭素エネルギープラットフォームの構築などを行うと同時に、油価の形成メカニズムの研究や需給動向の把握といった石油市場の分析を行うとともに、IEAが知見を有する石油の緊急時対応について、緊急時対応審査(ERR)の実施や、これに関連するワークショップの開催等を支援するために、国際エネルギー機関に拠出を行いました。

IPEEC(国際省エネルギー協力パートナーシップ)における協力

IPEEC(国際省エネルギー協力パートナーシップ)は、我が国のイニシアティブにより2009年5月にイタリアで開催されたG8エネルギー大臣会合で設立されました。IPEECには、現在、G8、中国、インド、ブラジル、メキシコ、韓国、オーストラリア、南アフリカ、EUが参加していますが、IEAとの更なる連携及び作業の重複排除に向けた議論が行われました。我が国は、省エネルギー推進のためのエネルギー管理(産業分野中心)を推進することを目的として、エネルギー管理行動ネットワーク(EMAK)を中国とともに主導しています。

G7における協力

2014年3月に、ウクライナ情勢を受けたロシア等への対応について議論が行われたG7首脳会合において、エネルギー安全保障を強化する方策について議論するため、G7エネルギー大臣会合を開催することが決定されました。

(2) アジア地域における多国間協力

ASEAN+3・東アジア地域における協力

アジア地域におけるエネルギー需要の急増を踏まえ、アジア大でのエネルギーの安全保障と持続可能性を確保するため、2004年より、ASEAN+3エネルギー大臣会合(ASEAN、日中韓13か国の代表が出席)、2007年より、EASエネルギー大臣会合(ASEAN、日中韓、豪、印、ニュージーランド、米、露18か国の代表が出席)が開催されています。

2013年9月に、インドネシア(バリ)において第10回ASEAN+3エネルギー大臣会合及び第7回EASエネルギー大臣会合が開催され、赤羽経済産業副大臣が両会合でそれぞれ副議長、共同議長を務めました。ASEAN+3エネルギー大臣会合では、我が国が主導している、石油備蓄協力の進展と、民生用原子力協力である独立行政法人日本原子力研究開発機構の「核不拡散・核セキュリティ総合支援センター(ICSN)」の活動が評価され、今後も協力を継続推進していくことに合意を得ました。また、フォーラム活動を通じた、関係各国間における能力開発、情報共有及び持続可能な発展と低炭素成長経済の促進への多大な貢献が各国から認められました。EASエネルギー大臣会合では、我が国から提案したERIAによる調査研究が開始され、①中長期エネルギー需給見通しの策定、②クリーンコールテクノロジーによる石炭の戦略的活用、③電力インフラの最適化、④原子力発電の安全管理、⑤スマート都市交通による運輸部門の省エネルギーの活動進捗が歓迎されるとともに、EAS地域における持続可能な天然ガス市場に関する新たな調査研究の開始の支持を得ました。また、将来の省エネルギー推進の中心となるエネルギー管理の高度化による省エネルギーポテンシャルに関する日本の新たなイニシアティブが歓迎されました。さらに、国内エネルギー需給見通し、エネルギー資源や供給ポテンシャルなど質の高い分析を提供するIEA世界エネルギーアウトルック2013年度の特別レポートである東南アジアエネルギーアウトルック及びERIA東アジアエネルギーアウトルックの発行が歓迎されました。

EAS諸国(ASEAN+日中韓印豪NZ米露)が低炭素成長分野に関する協力について意見交換をする場として、2013年5月に「第2回東アジア低炭素成長パートナーシップ対話」を日本で開催し、各国の低炭素成長に向けた取組の進展が報告されるとともに、低炭素成長に資する技術に焦点を当てて議論しました。①政府と自治体、民間セクターの連携強化、②低炭素成長実現のための適正技術の普及、③市場メカニズムを含むあらゆる政策ツールの総動員の重要性について認識が共有されました。

東アジア経済統合研究協力拠出金【2013年度当初:1.4億円】

燃料供給の安定化に向けた各国石油製品の品質調査及びその改善に向けた提言を実施するとともに、東アジア各国の運輸部門における燃料消費の抑制に向けたロードマップを策定し、また、東アジアのエネルギー連携強化を図るため、東アジア各国の省エネロードマップの策定、バイオ燃料の品質管理手法に係る規格・基準の統一化に関する研究等、我が国の省エネルギー・再生可能エネルギー関連設備等の導入促進を図るための研究・政策提言等を実施するために東アジア・アセアン経済研究センター(ERIA)に拠出を行いました。

日ASEANにおける協力

日・ASEANエネルギー協議を2000年度から毎年開催し、2013年6月に第14回協議を開催しました。本協議では、日本のエネルギー政策の動向及びASEAN各国のエネルギー需給見通しについて情報交換を行うとともに、省エネルギー協力、エネルギーデータ整備協力等について議論を行いました。具体的には、以下の技術協力を実施しました。

(ア) エネルギー供給セキュリティ計画(ESSPA)

ASEANエネルギー需給見通しと石油・ガスの供給潜在量に係る協力、CLMV諸国(カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム)へのエネルギーデータ整備に関する研修、ASEANエネルギー需給統計整備全般に関する実務者会合等を実施しました。

(イ) 日ASEAN省エネルギー協力(AJEEP)

日ASEAN省エネルギー協力の枠組みであるAJEEPを通してASEAN各国の発展段階に応じた省エネルギー協力事業を実施しました。

APECにおける協力

1989年11月にオーストラリア・キャンベラで開催された第1回APEC閣僚会議において、エネルギー問題に対する域内協力の重要性と、これを専門に議論する場を設定することで一致しました。これを受けて、1990年にエネルギー作業部会(EWG)が設立され、さらに1996年には、よりハイレベルなエネルギー政策対話を行うため、シドニーにおいて第1回APECエネルギー大臣会合が開催され、以後ほぼ隔年に開催されています。

これまでに開催されたAPECエネルギー大臣会合において、我が国が提案し、合意された事項に基づき、①APECメンバーのエネルギー効率向上に向けた取組状況をレビューする「エネルギー効率ピアレビュー」、②低炭素エネルギー供給を促進するための「低炭素エネルギー供給政策ピアレビュー」、③都市化が進展する中で、都市開発において低炭素技術を統合的に導入することを目指す「APEC低炭素モデルタウンプロジェクト」を着実に実施しました。

(ア) アジア太平洋経済協力拠出金【2013年度当初:2.3億円】

アジア太平洋地域におけるエネルギー効率の向上やエネルギー源の多様化、低炭素技術の開発・普及のため、新興国・途上国を対象とした低炭素化促進プロジェクト(低炭素モデルタウンプロジェクト等)を支援するために、APEC事務局に拠出を行いました。

(イ) アジア太平洋エネルギー研究センター拠出金 【2013年度当初:5.8億円】

省エネルギー・低炭素化政策の相互審査(ピアレビュー)、研修生受入・専門家派遣、「APEC長期エネルギー需給見通し」やLNG長期需給見通しの作成、「LNG産消会議」の開催、緊急時におけるAPEC各エコノミーのエネルギー供給状況のシミュレーションと緊急時対応能力の強化のためのワークショップ開催のために、アジア太平洋エネルギー研究センターに拠出を行いました。

(3)その他の多国間協力(生産国と消費国の対話等)

IEF(国際エネルギーフォーラム)における対話

IEFは、1991年1月に第1回が開催されて以降、世界の主要産油国・消費国のエネルギー担当大臣とIEA、OPECを始めとする国際機関の代表が2年に1回、一堂に会する重要な「産消対話」の場です。

2014年1月には、リヤドのIEF事務局にて、第4回IEA-IEF-OPEC合同シンポジウムが開催され、IEA、OPEC双方の中期、長期的なエネルギー需要見通しについて協議を行いました。また、IEFではIEAなどの関係6機関と協力し、石油と天然ガスの統計整備を進めており(国際機関協働データイニシアチブ:JODI)、同年5月にモスクワで開催された閣僚会合では、JODI-Gas(天然ガスの統計データ)の立ち上げ(ローンチ)が実施されました。

国際エネルギーフォーラム拠出金【2013年度当初:0.3億円】

約90か国の産油国・消費国の閣僚がエネルギー市場の安定等について議論するIEF閣僚会合の開催支援を行うとともに、国際機関協働データイニシアティブ(JODI)事業を実施するために、国際エネルギーフォーラムに拠出を行いました。

アジア・エネルギー産消国閣僚会合

アジア・エネルギー産消国閣僚会合は、アジアの主要な資源国と消費国が一同に会し、国際的なエネルギー問題、アジア地域のエネルギー安全保障の課題等に焦点を当て率直な議論を行い、信頼関係構築を図ることを目的として、2005年以降、隔年で開催されてきました。

2013年9月、韓国において第5回アジア産消国閣僚会議が開催され、世界から21か国のアジア・中東地域のエネルギー担当閣僚及び3つの国際機関が参加し(我が国からは、菅原経済産業副大臣が参加)、エネルギー需要が増大するアジアにおけるエネルギー市場の安定化のための取組み等について生産国・消費国間の対話を行いました。

IRENA(国際再生可能エネルギー機関)における協力

IRENAは、再生可能エネルギーの普及・利用促進を目的として設立された、IEA、IAEAに次ぐ第3のエネルギー分野の国際機関であり、我が国は、2010年7月から正式に加盟しました。事務局はUAEのアブダビに設置されています。IRENAの主な活動は、①加盟国の政策、制度、技術、成功事例の分析・体系化、②他の政府・非政府機関等との協力、③政策助言、④技術移転、⑤人材育成、⑥資金に関する助言、⑦研究ネットワークの展開、⑧国際的技術基準の作成等です。

2014年1月には第4回総会が同じくアブダビで開催され、IRENAの今後2か年計画及び予算、並びに再生可能エネルギーの世界的な普及のためのロードマップ及び必要な政策について幅広く議論されました。また、同総会において、2015年に開催予定の第5回総会の議長として日本が指名されました。

(ア) 国際再生可能エネルギー機関分担金 【2013年度当初:2.3億円】

IRENAを通じ、我が国単独では十分な成果が見込めない大規模な調査や普及活動を実施することにより、再生可能エネルギーを国際的に普及させるため、同機関の活動・運営費用を、各国分担率に基づき、外務省、農林水産省、経済産業省、環境省の4省共同で分担しました。

(イ) 国際再生可能エネルギー機関拠出金 【2013年度当初:0.5億円】

IRENAが調査や普及活動を実施する際に、我が国に強みのある再生可能エネルギー関連技術を取り上げるよう働きかけ、蓄電池等の我が国技術の海外展開の環境整備や食料供給と競合せずに地域の特性を活かす「日本型バイオマス利活用システム」を広く国際的に普及させるため、分担金に加え、経済産業省と農林水産省から拠出を行いました。

クリーンエネルギー大臣会合

2013年4月にはインド・デリーにおいて第4回クリーンエネルギー大臣会合が開催され、我が国からは菅原経済産業副大臣が出席しました。議長国のインド及び米国のほか、24の国と地域の担当閣僚が出席し、日本からは日本の責任あるエネルギー政策とりわけ再生可能エネルギー拡大の取り組みと成果について、固定価格買取制度の着実な運用や大型蓄電池技術の活用等の施策を紹介しました。また、磯子超々臨界圧火力発電所、トップランナープログラムやスマートグリッドなどについて説明し、我が国の省エネ技術、施策が世界の省エネルギーに大きく貢献できること等をアピールしました。

GSEP(エネルギー効率向上に関する国際パートナーシップ)

GSEPは、クリーンエネルギー大臣会合とIPEECの下、官民双方が参加する、最先端の省エネルギー・低炭素技術の発展・普及に関する日米共同イニシアティブとして2010年に設立されました。このうち、電力WGでは、2013年1月にインドネシアで、同年10月にポーランドで、それぞれワークショップを開催し、石炭火力発電所における省エネ診断、高効率火力発電技術の情報共有、高効率石炭火力発電所の新設や既存施設の改修のためのファイナンスの検討を実施しました。また、鉄鋼WGでは、エネルギー管理WGと協力し、2014年2月に東京で、エネルギー管理に関するワークショップを開催し、鉄鋼産業におけるエネルギー管理システムに関する情報交換等を実施しました。

2.二国間協力の推進

(1) 先進諸国との協力

日米協力

2013年2月、安倍総理大臣とオバマ大統領は日米首脳会談において、クリーンエネルギーや原子力の分野で,日米間の協力を進めていきたい旨を確認し、これを受け、同年7月、茂木経済産業大臣とモニーツ米国エネルギー長官がワシントンD.C.で会談し、「エネルギー分野における二国間の取組に関する共同声明」を発出し、民生用原子力協力や気候変動問題、天然ガス分野、クリーンエネルギー分野、国際機関における協力等、両国間の幅広いエネルギー協力について確認しました。

日米クリーンエネルギー政策対話については、2011年以降、5回開催(第5回を2013年12月に開催)し、今後の日米クリーンエネルギー協力の在り方について議論を行いました。また、日米官民ラウンドテーブルについては、これまでに2回開催(第2回を2013年12月に開催)し、日米両国の企業及び政府関係者が出席し、再生可能エネルギー、省エネルギー及びスマートコミュニティ等の普及拡大に向けた課題等について議論を行いました。

天然ガス分野については、安倍総理大臣を筆頭とするハイレベルな資源外交の結果、現時点で日本企業が米国で関与する4件のLNGプロジェクト(フリーポート、コーヴポイント、フリーポート(拡張)、キャメロン)の全てについて、米国からの輸出承認を獲得しました。

原子力分野では、2013年11月には、ワシントンにおいて、日米二国間委員会の第2回会合を開催し、東京電力福島第一原子力発電所の汚染水対策及び廃炉、原子力の損害賠償(原子力損害の補完的補償に関する条約への日本の条約締結表明)、原子力の研究開発、確率論的リスク評価(PRA)に関する二国間の協力プロジェクトの立ち上げ、等につき意見交換を実施しました。その後両国政府は、両国政府と民間のPRA専門家、実務家の参加の下、PRAの手法及びその原子力安全への適用等に関する日米ラウンドテーブルを開催することで一致しました。2月に東京において、PRAの手法の高度化及びその原子力安全への適用を促進するため、日米の専門家、関係機関が参加する「確率論的リスク評価日米ラウンドテーブル」を開催しました。両国におけるPRAに関する活動・経験を共有し、日米協力による我が国におけるPRAの手法及び適用の促進に向けた議論を実施しました。

日加協力

2013年9月の日加首脳会談において、石油・天然ガス分野での協力強化について合意したことを踏まえ、茂木経済産業大臣は、同年10月にカナダを訪問し、オリバー天然資源大臣やブリティッシュ・コロンビア州 クラーク首相とカナダから日本への競争的な価格でのLNG供給の実現に向けた具体的方策について協議し、連邦政府・州政府との間で、それぞれ政策協議の枠組みを創設しました。これを受け、同年12月及び2014年3月に、ブリティッシュ・コロンビア州との政策協議を行い、インフラ整備やLNG税等について、議論を実施しました。

日仏協力

2013年6月に安倍総理大臣がオランド大統領と会談し、日仏共同声明及び今後5年間の具体的取組を規定するロードマップを発表し、民生原子力分野での協力やスマートシティ分野での両国の官民協力の推進について確認しました。

2013年5月には第2回日仏エネルギー政策対話を開催し、両国エネルギー政策、石油・天然ガス調達戦略、再生可能エネルギー、省エネルギー、原子力等について意見交換しました。また、2013年4月、10月には、日仏スマートコミュニティ・スマートグリッドWGを開催し、スマートコミュニティ等の分野における政策対話及び両国企業協力に向けた検討を実施しました。2013年10月には、東京において原子力エネルギーに関する日仏委員会第三回会合を開催し、国際的な観点からの原子力安全、両国の原子力エネルギー政策、東京電力福島第一原発事故に関連した除染や廃炉、環境調査、高速炉分野の協力並びに世界最高水準の安全性を有する原子炉に関する産業協力について、日仏間の新たな協力強化の機会についての検討を行いました。

日英協力

2006年来、経済産業省と英国エネルギー・気候変動省との間で、クリーンエネルギーやエネルギー安全保障等のエネルギー問題を議論する二国間対話の場として、日英エネルギー対話を開催しています。2013年7月には第5回日英エネルギー対話を東京にて開催し、両国のエネルギー政策、石油・天然ガス調達戦略、再生可能エネルギー政策、省エネルギー政策について意見交換しました。また、2012年4月に発出された日英両国首相による共同声明に基づき、2013年10月に第2回日英原子力年次対話を開催し、両国の原子力政策や電力市場改革等の最新動向、廃炉及び除染等の東京電力福島第一原発事故対応、廃炉分野を含む原子力研究開発政策の在り方、科学的知見に立脚した原子力広報の取組の紹介等について、有益な意見交換を行いました。また本対話において、英国より原子力産業における日本の投資を歓迎する旨の意が示されるとともに、引き続き両国間の建設的な関係を継続するための活動を行っていくことで合意しました。同年10月に第1回日英原子力年次対話を開催し、両国の原子力政策全般について意見交換を行いました。

欧州委員会との協力

天然ガス分野において、2013年6月に、経済産業省及び欧州委員会のガス市場の専門家が集まり、天然ガス市場の発展に向けた研究協力の会合をブリュッセルにて開催しました。日本、欧州委員会の専門家が、LNG市場を巡る課題につき調査研究を実施し、双方の調査結果を共有し、EUにおける価格低廉化の経験を踏まえ、需給を反映したLNG市場に向けた課題や政策提言をとりまとめ、成果を同年9月のLNG産消会議の際に公表しました。

日豪協力

2013年9月に、東京にて開催されたLNG産消会議や「クリーンコールデー2013」などの国際会議において、それぞれ豪州政府のハイレベルが出席し、LNG市場の発展、石炭のクリーン利用技術の普及や安定供給に向けた議論を行いました。

(2) アジアとの協力

日インド協力

インドは、米中露に次ぐ世界第4位のエネルギー消費国であり、2035年には、エネルギー需要は約2.1倍に、電力需要は3.2倍に増加する見込みです。インドのエネルギー資源の安定供給確保とエネルギー効率化の向上は日本のエネルギー安全保障の上でも重要であり、両国の経済発展にも直結する重要な政策課題になっています。また、インドの電力は、石炭火力発電が約7割を占めており、発電効率の向上や環境対策も重要な課題となっています。

こうしたことから、我が国とインドとの間では、エネルギー分野における両国の協力拡大を図る観点から、閣僚級の枠組みである「日印エネルギー対話」を立ち上げ、両国閣僚の相互訪問により、2007年以降、計7回の対話を実施しました。

2013年9月の第7回の対話では、茂木経済産業大臣がインドを訪問し、石炭、電力、石炭、再生可能エネルギー・省エネルギー、石油・天然ガス、原子力など幅広い分野のエネルギー協力について議論を行いました。また、対話の下に設置されている、個別のワーキング・グループをそれぞれ開催し、専門家による幅広い情報、意見交換も実施しました。

具体的には、石炭分野においては、選炭に係る招聘事業を継続するとともに、褐炭改質、石炭ガス化等の協力可能性について議論しました。

電力分野においては、石炭火力発電所の設備診断に係るフォローアップや高効率石炭火力発電の理解増進のための招へい、その他発電、送電等について議論しました。

再生可能エネルギー・省エネルギー分野においては、エネルギー多消費産業を対象とするインドの省エネ促進制度の運用支援等を目的に、インド側機関と共同で、エネルギー効率改善のための政策の在り方を研究しました。また、太陽光発電やエネルギーマネジメントシステム等を活用したクリーンなエネルギーの安定供給を実現するため、ラジャスタン州のニムラナ工業団地や各地に点在する携帯基地局向けの実証事業を実施しています。さらに再生可能エネルギーに係る官民協力強化の観点から、2014年1月に第1回日印再生可能エネルギー等官民ラウンドテーブルを実施しました。

石油・天然ガス分野においては、世界最大のLNG消費国である日本と将来的な消費の増加が見込まれるインドが、同じ消費国としてLNGの安定的かつ低廉な供給の確保に向けて協力していくことで一致しました。また、アジア大洋州市場でのLNG価格の在り方についての共同研究を実施した結果を踏まえた日印の共同声明を2013年9月に日印政府が発出しました。また、インド及び第三国での石油・天然ガスの探査掘削及びLNGの調達における協力の可能性を探求していくことを確認し、その後、両国において検討が進められ、2014年1月の日印首脳会談を契機として、日印企業間のMOU署名に至りました。

原子力に関しては、2013年5月の日印首脳会談での共同声明合意以降、原子力協定交渉が同年9月、11月及び12月と3回開催され、2014年1月の日印首脳会談の共同声明において協定交渉の実質的な議論の進展が歓迎され、早期妥結に向け、一層努力することで合意されました。

また、2013年9月に日印エネルギーフォーラム2013を開催し、日印官民のエネルギー分野専門家が一堂に会し、エネルギー事情や課題、技術動向等を議論しました。日本からはNEDO及び民間企業、インド側は計画委員会、電力省、再生可能エネルギー省等、政府機関が出席しました。また、インドでの日本企業の先端技術の普及を図るため、独立行政法人日本貿易振興機構(JETRO)とNEDOの共催で、省エネ・再生可能エネ分野を中心に新たに展示会・商談会を併せて行い、日本からは29社・団体が参加しました。

日インドネシア協力

インドネシアは、日本にとって有数の天然ガス及び石炭の輸入相手国であり、我が国への安定供給を目指し、日本の資源開発企業や商社がインドネシアの多くの上流開発プロジェクトや液化天然ガス(LNG)プロジェクトに参画しています。特に、石炭分野においては、我が国炭鉱技術移転のための専門家の派遣を実施し、また、2009年より「石炭政策対話」を実施し、個別具体的な協力案件を醸成してきたところです。また、インドネシアは有望な地熱発電市場であることから、同国の政府関係者向けに、地熱発電分野を中心とした再生可能エネルギーに係る研修事業を行いました。

政府間のエネルギー協力に関する政策対話については、2010年より省エネ、再生可能エネルギー、石油・天然ガス、石炭等を始めとする両国のエネルギー協力関係を加速させるべく、毎年「日尼エネルギー政策対話」を実施してきましたが、2013年3月に、民間ベースで進められていた「日尼エネルギーラウンドテーブル」と統合し、名称も新たに「日尼エネルギーフォーラム」として、第1回会合を東京で実施し、両国の更なる協力関係を構築していくことで一致しました。

環境エネルギー協力としては、2013年8月に、岸田文雄外務大臣とハッタ経済担当調整大臣との間でJCMに係る二国間文書の署名が行われました。JCMを通じて、我が国の省エネ技術や設備の導入などインドネシアにおける温室効果ガス排出削減に資する様々なプロジェクトの実施により、環境と経済成長の双方に貢献していきます。

日ベトナム協力

ベトナムは石炭、石油・天然ガス資源を豊富に保有する資源国であり、日本にとって良質な無煙炭の重要な供給国です。現在、両国間においては、第七次電力マスタープランの実現に向けた協力、日ベトナム共同での石炭地質構造調査、石炭・鉱物資源政策対話の開催、原子力発電導入、省エネルギー促進のための長期専門家の派遣、受入研修等、多岐の分野にわたる協力関係が進展しています。特に、電力の安定供給の観点から、ベトナムは原子力発電の導入を積極的に検討しており、初号機を2015年までに着工、2020年までに運転開始を目指していました。同計画によれば、ベトナムでは、2030年までに10基の原子力発電所の建設が計画されています。

我が国とのエネルギー協力については、原子力発電導入、省エネルギー、再生可能エネルギー、石炭・鉱物資源等の分野での協力等が進みました。火力発電分野については、2013年3月にオモン3コンバインドサイクル発電所建設計画(750〜900MW)に対して約279億円の円借款を供与しました。原子力分野では、2010年10月の日越首脳会談で、ベトナム・ニントゥアン省原子力発電所第2サイト建設について、我が国が協力パートナーとなることで合意したニントゥアン省原子力発電所第2サイト建設計画については、2013年12月のズン首相との首脳会談及び2014年3月のサン国家主席との首脳会談において、安倍総理との間で引き続き実施に向けて協力していくことが確認されるなどの進展がありました。省エネルギー分野では、人材育成を通じて省エネルギーラベリング制度の推進支援等を行った結果、2013年1月から、ベトナムにおいて同制度が開始されました。また、再生可能エネルギー分野では、2013年7月、茂木経済産業大臣とクアン天然資源環境大臣との間で、現在実証中のハノイ市における廃棄物発電実証事業について、ベトナム他地域への普及展開を見据え、発電の燃料となる廃棄物の収集や初期投資への補助、電力の売買等に係る制度構築の重要性について確認しました。

石炭の分野では2013年より「日越石炭政策対話」を実施しています。また、VINACOMIN(国営石炭鉱物工業グループ)と共同で地質構造調査や我が国炭鉱技術移転のための専門家の派遣や研修生受入れ、我が国のクリーン・コール・テクノロジーの導入を促進するための派遣・招聘技術交流を実施しました。

環境エネルギー協力については、2013年7月に、茂木経済産業大臣とクアン天然資源環境大臣との間で、JCMに係る二国間文書に署名しました。2013年11月のCOP19では、各国代表者スピーチにおいてベトナムのハー天然資源環境副大臣から、JCMに対する高い期待が表明されました。JCMを通じて、我が国の省エネ技術や設備の導入などベトナムにおける温室効果ガス排出削減に資する様々なプロジェクトの実施により、環境と経済成長の双方に貢献していきます。

日モンゴル協力

モンゴルは石炭やウラン等鉱物資源の埋蔵が確認されており、今後資源の供給国として期待されています。我が国企業の資源確保や投資の促進を目的として、2007年に日本モンゴル鉱物資源開発官民合同協議会を設置し、2013年5月に第6回鉱物資源開発官民合同協議会を開催し、経済産業省、モンゴル鉱業省のほか、両国政府機関、民間企業が出席し、石炭を始めとする鉱物資源開発分野の協力について意見交換が行われました。

また、環境エネルギー協力に関して、2013年11月のCOP19では、各国代表者スピーチにおいてモンゴルのトゥルガ環境副大臣から、JCMに対する高い期待が表明されました。(モンゴルとは同年1月に署名済み)。JCMを通じて、我が国の省エネ技術や設備の導入などモンゴルにおける温室効果ガス排出削減に資する様々なプロジェクトの実施により、環境と経済成長の双方に貢献していきます。

日中協力

中国は、世界最大のエネルギー消費国であり、今後、2035年までのエネルギー需要の伸びの約3割を占める見込みです。こうした状況を踏まえ、ASEAN+3やEAS、APECなどの国際場裏において、国際的なエネルギー問題の解決に向けた協力を行いました。

(3) エネルギー供給国等との関係強化

日サウジアラビア協力

サウジアラビアは、世界有数の産油国かつ日本にとって第1位の原油供給国です。また大きな余剰生産能力を持つことから、国際原油市場の安定にも大きな影響力を有しています。近年、同国は、エネルギー消費の急速な伸びが課題となっており、我が国の有する省エネルギーの経験を活かした協力が重要です。また、2007年に立ち上げた投資促進、人材育成、中小企業支援を柱とした日サ産業協力タスクフォースを通じた官民一体となってエネルギー分野にとどまらない幅広い協力・関係強化を推進していくことも重要です。

2013年5月には、安倍総理が企業を同行し、サウジアラビア(ジッダ)を訪問しました。サルマン皇太子との会談を行い、共同声明を発出しました。エネルギー分野では、双方は、石油の共同備蓄事業での進展を歓迎し、人材育成協力を進めることで一致しました。安倍総理からは、東日本大震災後の省エネ、原発の安全性を紹介しつつ、原子力協力に関する事務レベル協議を進めることで一致しました。原子力については、同首脳会合の結果を踏まえ、事務レベル協議が行われ、同年12月に原子力協定交渉の開始に合意しました。

2014年2月には、サルマン皇太子が来日、安倍総理や茂木大臣との会談を行い、両首脳立ち会いの下、関係機関の間で協力文書に署名を行いました。会談では、安倍総理から、石油の安定供給への謝意を伝え、石油市場の安定に向けた役割への期待を表明したほか、省エネ専門家派遣等のエネルギー協力進展を歓迎しました。これに対し、サルマン皇太子より、石油の安定供給を約束する旨述べられました。また、双方は、原子力の平和利用の分野で協力していくことで一致しました。

日UAE協力

アラブ首長国連邦(UAE)は、日本にとって第2位の原油調達国であり、我が国の自主開発原油の約4割が存在する資源国です。我が国との間では、要人の往来が活発に行われており、様々な分野での協力を推進してきました。

2013年5月には、安倍総理が企業と共に同国を訪問しました。ムハンマド・アブダビ皇太子、ムハンマドUAE副大統領兼首相と会談し、共同声明を発出しました。会談では、安倍総理より、エネルギーの安定供給を要請し、我が国としても、省エネ、再生可能エネルギー、原子力等の分野での貢献が可能である旨言及し、双方向のエネルギー協力を行うことで一致しました。また、両首脳の立ち会いの下、日UAE原子力協定に署名しました。同協定は、2014年4月に我が国国会で承認されました。

茂木経済産業大臣は2013年2月に続き、2014年1月に同国を訪問しました。ムハンマド・アブダビ皇太子との会談では、上部ザクム油田の15年間の権益延長に関して2国間で支持していくことに合意し、日本の自主開発油田権益の確保を図りました。また、石油上流開発を含むエネルギー分野での協力の重要性について確認するとともに、再生可能エネルギーを含む幅広い分野で協力関係を強化していくことで一致しました。また、キンディ最高石油評議会委員、スウェイディ・アブダビ国営石油会社(ADNOC)総裁と会談を行い、エネルギー分野で両国の協力関係を強化していくことを確認するとともに、教育・学術分野や医療の分野でも協力を一層進展させていくことで一致しました。ハルドゥーン・アブダビ執行関係庁長官兼原子力公社会長との会談では、エネルギー分野で両国の協力関係を強化していくことを確認するとともに、教育、投資や医療等の幅広い分野で協力関係を強化していくことで一致しました。また、UAEの原子力計画についても意見交換しました。

2014年2月には、ムハンマド・アブダビ皇太子が来日した際は、安倍総理及び茂木経済産業大臣が会談を行い、共同声明を発出しました。安倍総理大臣から、エネルギー安定供給に感謝するとともに、石油開発分野での協力は両国関係の基礎であり、更なる関係強化に向けた支援を求めるとともに、原油の共同備蓄の容量拡大を決定した旨、また原子力の平和的利用の分野でも協力を強化していきたい旨述べました。これに対し、ムハンマド皇太子は、UAEは日本との関係強化に強い熱意を有しており、様々な分野で二国間関係を強化していきたい旨述べました。また同席するUAE関係閣僚から、原子力分野での協力等に大きな関心が示されたほか、両国関係閣僚間で、原子力の平和的利用の分野、すなわち東京電力福島第一原子力発電所事故の教訓を踏まえ、人的能力の構築、原子力安全の強化、緊急事態対応等の分野の協力を推進するための包括的枠組みを構築することを確認する協力文書が署名されました。また、茂木大臣との間では、エネルギー分野を始めとする幅広い二国間協力について意見交換を行いました。

日カタール協力

カタールは、世界第3位の天然ガス埋蔵量を有する資源国であるとともに、日本にとって第3位の原油輸入国、第2位の天然ガス輸入国です。カタールとは、2006年11月に第1回日・カタール合同経済委員会(麻生外務大臣及び甘利経済産業大臣とアティーヤ第二副首相兼エネルギー工業大臣が出席)を開催し、その後毎年委員会を開催して二国間経済関係を更に幅広く包括的なものにしていくために協議を重ねてきました。

2013年9月、アル=サダ・エネルギー工業大臣が来日し、第2回LNG産消会議に参加するとともに、茂木経済産業大臣と会談を行い、LNGの低廉かつ安定的供給、インフラ輸出に関する協力につき協議しました。同年8月には、安倍総理が、企業を同行し、カタールを訪問しました。タミーム首長及びアブドッラー首相兼内相と会談後、「日本とカタール国との間の安定と繁栄に向けた包括的パートナーシップの強化に関する共同声明」を発出しました。エネルギー分野では、エネルギーの安定供給、石油・ガス開発の協力等を確認しました。

日クウェート協力

2013年8月には、安倍総理が、企業を同行し、クウェートを訪問しました。ナッワーフ皇太子、ジャービル首相と会談、共同声明を発出しました。声明において、両国は,国際エネルギー市場の安定の重要性を再確認し、日本に対して継続的かつ安定的に石油を供給するというクウェートのコミットメントを歓迎し、また両国は、両国のエネルギー協力、特に、第三国での製油所事業に関する共同投資を歓迎しました。

日イラク協力

イラクは世界有数の原油確認埋蔵量を持つ資源国であり、潜在的開発余地が大きく、外資にも石油開発への参入を呼びかけています。

2013年12月、シャハリスターニ・イラク副首相、並びにバービキル貿易大臣が「第3回日本・アラブ経済フォーラム」に出席し、茂木大臣と会談を行いました。日本企業が関係する資源・インフラ案件への協力等について意見交換を行いました。

また、2014年2月、同国政府との間で、「港湾整備計画(第二期)」を対象として、総額391億1,800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

日トルコ協力

2013年5月トルコ・アンカラでの首脳会談では、安倍総理及びエルドアン首相は、原子力を含む経済分野での協力などを掲げた「戦略的パートナーシップの構築に関する共同宣言」に署名し、日トルコ原子力協定とシノップ原発プロジェクトに関する政府間協定を交換しました。これらを踏まえ、エルドアン首相から、4基の原子炉建設を含むシノップ原発プロジェクトについて日本企業等に排他的交渉権を付与する旨発表がありました。同年10月に安倍総理が同国を再訪した際には、三菱重工業(株)等が参画する国際コンソーシアムとトルコ政府との間で、シノップ原発プロジェクトに関する商業契約について合意され、両首脳は、首脳会談において、商業契約の交渉が合意に至ったことを歓迎するとともに、両国間の原子力協力の具体的進捗等に言及した「原子力エネルギー及び科学技術分野における協力に関する共同宣言」に署名しました。また、2014年1月のエルドアン首相の来日の際には、両首脳は日トルコ原子力協定の早期締結について両国で取り組んでいくとの見解で一致し、その後、同原子力協定は、同年4月に我が国国会で承認されました。

日露協力

ロシアはサウジアラビアに肩を並べる世界有数の産油国であるとともに、世界第2位の産ガス国でもあります。サハリンにおける石油・天然ガス開発には我が国企業も参加しています。また、近年ハイレベルの交流も活発に行われており、2013年4月に安倍総理大臣が、同年12月には茂木経済産業大臣が企業を伴ってロシアを訪問し、石油・天然ガスや省エネルギーを含む様々な協力文書に署名しています。2014年3月には、両国企業、関係者1,000名超が参加して東京で日露投資フォーラムが行われました。これまでの各分野における主な協力は以下のとおりです。

石油・天然ガス分野においては、2013年4月の安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領との会談において、競争力ある価格でのエネルギー供給を含む互恵的な条件での石油・ガス分野のエネルギー協力の拡大の重要性を確認するとともに、同年12月の茂木経済産業大臣とロシアのノヴァクエネルギー大臣との会談では、ロシアでのLNGプロジェクトの実現に向けて、両政府で協力していくことに合意するなど、ロシアとの協力関係の発展に向けた取組を実施してきました。

省エネルギー・再生可能エネルギー分野においては、2013年4月、資源エネルギー庁とロシア・エネルギー機構との間で、エネルギー効率及び再生可能エネルギー分野における協力覚書を作成しました。また、同年9月に3年ぶりに日露共同委員会を開催し、ロシアの老朽化した発電設備更新や送配電の効率向上などの課題解決のため、コジェネ、廃棄物発電、スマートグリッドなどの日露協力事業の実現について、議論を実施しました。さらに同年12月の茂木経済産業大臣の訪露に際し、日本の技術を活かしてロシアの電力設備近代化等の実現を支援していくことを確認するとともに、本分野に関する日露企業間の覚書に署名がなされました。

日カザフスタン協力

カザフスタンは、世界第2位のウラン資源埋蔵量を有する資源国であり、カザフスタンから我が国へのウラン供給拡大の潜在性は大きなものがあります。また、同国は、ウラン鉱山開発のみならず原子力産業・技術の高度化等広範囲な分野への協力関係拡大を目指しています。このような背景から、我が国は同国との間で官民による協力・関係強化を推進しています。

2014年3月、安倍総理はナザルバエフ大統領と首脳会談を行い、今後の両国間の原子力分野の協力について話し合いました。

日ポーランド協力

ポーランドでは、電源構成の中で石炭火力が約9割を占め、かつ石炭火力発電設備のうち3割以上が30年以上経過した老朽設備という現状で、発電効率の向上、大気汚染防止及び二酸化炭素排出量削減が大きな課題となっています。

石炭分野では、ポーランド側は日本のクリーンコールテクノロジー(CCT)に対して強い関心を示し、2009年から官民ミッションの派遣や、セミナー等を開催してきており、2013年度には、企業間等の具体的なCCT協力可能性について議論を深めました。

日モザンビーク協力

モザンビークは、優良な原料炭、天然ガス、レアメタル等の天然資源が豊富に埋蔵されており、日本への新たな供給源として期待されています。

2013年5月には、日本とアフリカのwin-winな関係構築に向けた資源開発の在り方について議論するため、経済産業省は初めての試みとなる「日アフリカ資源大臣会合」を開催し、同国からは、ビアス鉱物資源大臣が来日しました。また、同年6月のTICAD Ⅴ(第5回アフリカ開発会議)にゲブーザ大統領が来日、会議に参加するとともに、茂木経済産業大臣と会談を行いました。会談では、石炭分野、石油・天然ガス分野での協力に関し、意見交換を行いました。茂木経済産業大臣からはサブサハラ初となる二国間投資協定を締結できたことを評価し、今後とも、二国間の関係強化に努めていく旨表明しました。

2014年1月には、安倍総理が日本の総理大臣として初めて同国を訪問し、ゲブーザ大統領と会談しました。首脳会談では、モザンビークの資源を活用して経済成長や生活向上につなげるため、今後5年間の取組として「日モザンビーク天然ガス・石炭発展イニシアティブ」や「ABEイニシアティブ」等を通じた支援を含む「日モザンビーク相互成長支援パッケージ」を表明しました。「日モザンビーク天然ガス・石炭発展イニシアティブ」では、LNG市場等に関する対話、金融面での理解促進や人材育成等の支援を実施することになっています。

2014年3月、イメーデ・エネルギー副大臣が来日し、磯﨑経済産業大臣政務官と会談しました。同国のガス複合式火力発電所整備事業、石炭火力発電所整備事業、メタノール生産事業等への協力につき、意見交換しました。