第1節 再生可能エネルギーの導入拡大

1.再生可能エネルギーの導入拡大に向けたこれまでの取組

(1) エネルギー政策上の位置付け

太陽光、風力、バイオマス等、再生可能エネルギーの導入拡大は、エネルギー源の多様化によるエネルギー安全保障の強化や、低炭素社会の創出に加え、新しいエネルギー関連の産業創出・雇用拡大の観点からも重要であり、地域活性化に寄与することも期待されることから、国としてその普及を推進してきました。また、これに加え、クリーンエネルギー自動車や燃料電池等についても「革新的なエネルギー高度利用技術」として、その開発や普及を促進してきました。

更に、再生可能エネルギーは、住宅用太陽光発電に代表されるように、国民一人一人がエネルギー供給に参加するものであり、地域独自の創意工夫を活かすことができるものでもあります。他方、現時点では、出力の不安定性やコストが高い等の課題を抱えていることも事実であり、これらの課題の克服には、蓄電池の開発等、更なる技術開発の進展等が必要です。

従って、コスト低減や系統安定化、性能向上等のための技術開発等について、安全の確保や社会的課題にも留意しつつ、産学官等関係者が協力して戦略的に取り組むことにより、長期的にはエネルギー源の一翼を担うことを目指し、施策を推進してきました。

(2) これまでの取組について

1970年代の二度のオイルショックにより、我が国の経済は大きな影響を受け、石油代替エネルギーとしての再生可能エネルギーの重要性が認識されることとなりました。これを受け、法制度については1980年に、「石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律」(石油代替エネルギー法)を制定しました。

石油代替エネルギーの技術開発については、1974年に通商産業省工業技術院(当時(現独立行政法人産業技術総合研究所))において「サンシャイン計画」を開始しました。この計画は、将来的にエネルギー需要の相当部分をまかない得るエネルギーの供給を目標として、太陽、地熱、石炭、水素エネルギーの四つの石油代替エネルギー技術について重点的に研究開発を進めるものでした。

また、1980年に設立された新エネルギー総合開発機構(現・独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO))において石炭液化技術開発、大規模深部地熱開発のための探査・掘削技術開発、太陽光発電技術開発等が重点プロジェクトとして推進されました。

1993年、「サンシャイン計画」は、「ムーンライト計画」と統合され、「ニューサンシャイン計画」として再スタートすることとなりました。「ニューサンシャイン計画」は、従来独立して推進されていた新エネルギー、省エネルギー及び地球環境の三分野に関する技術開発を総合的に推進するものでありましたが、2001年の中央省庁再編に伴い、「ニューサンシャイン計画」の研究開発テーマは、以後「研究開発プログラム方式」によって実施されることとなりました。

その後の国内外のエネルギーをめぐる経済的・社会的環境の変化に伴い、石油代替エネルギー供給目標の達成のために促進を図るため、石油代替エネルギーのうち、経済性における制約から普及が十分でない、新エネルギーの普及促進を目的として、1997年に「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法」(新エネルギー法)を制定しました。新エネルギー法は、国や地方公共団体、事業者、国民等の各主体の役割を明確化する基本方針の策定や新エネルギー利用等を行う事業者に対する金融上の支援措置等を定めたものです。

また、2002年6月に、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」(RPS法)を公布し、2003年4月より完全施行しました。RPS法は、電力の小売を行う事業者(一般電気事業者、特定電気事業者、特定規模電気事業者)に対し、再生可能エネルギー電気(再生可能エネルギーを変換して得られる電気)を一定量以上利用することを義務付ける法律です。

さらに、2012年7月からは、このRPS制度に代え、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」に基づいて、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)によって発電された電気を、国が定める一定の期間にわたって、国が定める一定の価格で購入することを電気事業者に義務づける固定価格買取制度を日本でも導入し、再生可能エネルギーの大幅な導入拡大を進めています。

再生可能エネルギーの推進に向けて、固定価格買取制度の施行に加え、立地に関する規制の見直しや研究開発支援、再生可能エネルギー発電設備の設置に際しての税制優遇など、政策を総動員して取り組みました。

(3) 技術開発・実証段階・導入段階における支援

再生可能エネルギーの導入・普及に向け、産学官の適切な役割分担の下で、コスト低減や性能向上のための技術開発に取り組みました。また、一定レベルまでの確立された新技術は、性能や経済性の把握、信頼性向上のための実証試験が不可欠である一方、直接には収益を生まないため、実証試験を加速化することで社会的利益の増大が期待できるものについて、国が積極的に支援しました。

また、比較的割高である太陽光発電や風力発電、バイオマスエネルギー利用等による再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、固定価格買取制度や導入費用の一部に対する補助等による支援を行いました。

2.2012(平成24)年度において再生可能エネルギーの開発、導入及び利用に関して講じた施策

(1) 再生可能エネルギーの固定価格買取制度の施行

再生可能エネルギーには大きな可能性があるものの、現在はコストが高い等の理由により普及が十分に進んでいません。こうした再生可能エネルギーの利用推進を図るため、2012年7月1日から、固定価格買取制度が施行されました。これは、再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)によって発電された電気を、国が定める一定期間、電気事業者が固定価格で調達することを義務づけるものです。

電気事業者が調達した再生可能エネルギー電気は、電気事業者の送電網を通じて広く利用されるため、調達に要する費用は、再生可能エネルギー発電促進賦課金という項目で電気料金の一部として、全ての電気の使用者に御負担いただきます。本制度により、再生可能エネルギー発電設備を設置する者のコスト回収の見通しが立ちやすくなり、普及が進むとともに、スケールメリットによるコストダウンが期待されます。

調達価格(電気事業者が買い取る際の価格)と調達期間(調達価格での買取りが継続する期間)(以下「調達価格等」)については、国会の同意を得た上で任命される委員から構成される調達価格等算定委員会(以下「委員会」)の意見に基づき、関係大臣(農林水産大臣、国土交通大臣、環境大臣、消費者担当大臣)への協議等を経た上で、経済産業大臣が毎年度告示します。

2012年度の調達価格等については、同年4月27日にとりまとめられた委員会の意見を尊重し、意見どおり調達価格等を決定し、同年6月18日に告示しました【第331-2-1】。また、法律の規定に従い、調達価格等について、委員会の意見と併せて、同年8月7日に国会に報告がなされました。

また、2013年度に新規参入される方に適用される調達価格等の議論については、2013年1月21日から委員会において開始され、委員会は、「平成25年度調達価格及び調達期間に関する意見」を同年3月11日にとりまとめました。この意見を尊重する形で、同年3月29日に、以下の内容で2013年度の調達価格が決定されました。

太陽光発電については、システム費用(太陽光パネル、パワコン、架台、工事費を含む価格)が市場の創造等に伴い下落したことを反映し、2012年度調達価格を引き下げ。具体的には、非住宅用(10kW以上)は、平成24年度調達価格が42円/kWhのところ、4円20銭の引下げとなり、37.8円/kWhに、住宅用(10kW未満)は、2012年度調達価格が42円/kWhのところ、4円の引き下げとなり、38円/kWhに。

風力発電、中小水力発電、地熱発電、バイオマス発電については、2012年度調達価格を据え置き。

【第331-2-1】告示された調達価格等

【第331-2-1】告示された調達価格等

(2) 系統安定化対策

再生可能エネルギーが大量に電力系統へ接続されると、余剰電力の発生や周波数変動等の系統安定上の問題が生じる可能性があります。このため、太陽光発電の出力抑制のための技術開発支援や太陽光発電の出力予測技術の開発支援などを行いました。また、再生可能エネルギーの大幅な導入拡大のためには、風況の良い地域での風力発電の活用や太陽光発電の大規模な導入を柔軟に受け入れることが可能な、系統側の抜本的な対策が必要不可欠です。このため、特に適地が限られる風力発電の導入拡大のための送電網の整備・実証についての検討、再生可能エネルギーの出力変動を吸収する系統用蓄電池の開発・コスト低減化のための予算措置等を行いました。

大型蓄電システム緊急実証事業費補助金(平成24年度予備費29,589百万円)

世界で初めて、発電事業者側ではなく、電力会社の変電所に、大型の蓄電池を設置し、再生可能エネルギーの接続量を大幅に拡大する実証事業を行うための補助を行いました。

(3) 導入促進のための主な取組

住宅用太陽光発電導入支援復興対策基金造成事業費補助金(86,993百万円)、住宅用太陽光発電高度普及促進復興対策基金造成事業費補助金(32,394百万円)

住宅用太陽光発電の導入を加速させるため、住宅用太陽光発電システムを設置する者に対して1kW当たり3.5万円又は、3.0万円の補助を実施しました。

再生可能エネルギー発電システム等設備設置に対する補助金

(ア) 地方自治体等における再生可能エネルギー導入促進

ⅰ.独立型再生可能エネルギー発電システム等対策事業(976百万円の内数)

固定価格買取制度の適用対象とならない、自家消費向けの再生可能エネルギー発電システム等の導入促進を図ることを目的に、当該発電システム等導入事業を行う地方自治体等に対し、事業費の2分の1以内の補助を行いました。

ⅱ.再生可能エネルギー発電設備等導入促進支援復興対策事業(平成23年度3次補正32,599百万円)

東日本大震災後の電力供給不足への懸念に対応し、かつ、被災地の再生可能エネルギーを中核とした雇用創出と関連活性化を図ることを目的に、被災地において再生可能エネルギー発電設備等の導入を行う事業者に対し、事業費の10分の1以内の補助を行いました。

ⅲ.地域エネルギー開発利用設備資金利子補給金(2百万円)

ⅳ.再生可能エネルギー等導入推進基金事業(グリーンニューディール基金)(12,100百万円)

地域主導での再生可能エネルギー等を活用した自立・分散型エネルギーの導入による災害に強く環境負荷の小さい地域づくりを推進するため、地方公共団体が行う防災拠点等への再生可能エネルギーの導入等への支援を行いました。

ⅴ.環境を考慮した学校施設(エコスクール)の整備推進

近年の地球規模の環境問題に対し、学校施設についても環境への負荷の低減に対応した施設づくりが求められていることから、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び国土交通省が協力して、エコスクールのモデル的整備を推進しており、その整備の際に新エネルギーを導入する場合には、費用の一部を補助しました。

ⅵ.小規模地方公共団体対策技術率先導入補助事業(300百万円)

先端的な再生可能エネルギー・省エネルギー設備を率先導入し、模範的な先行事例を示す小規模な地方公共団体に対して、費用の一部を補助しました。

(イ) 事業者による再生可能エネルギー導入促進

ⅰ.独立型再生可能エネルギー発電システム等対策(976百万円の内数)

固定価格買取制度の適用対象とならない、自家消費向けの再生可能エネルギー発電システム等の導入促進を図ることを目的に、当該発電システム等の導入事業を行う事業者に対し、事業費の3分の1以内の補助を行いました。

ⅱ.環境関連投資促進税制(グリーン投資減税)

事業者が省エネや再エネの導入拡大に資する設備を取得等した場合、その取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除(中小企業者等のみ)を認める税制措置が講じられています。また、2012年7月1日から2013年3月31日までの間に一定の太陽光発電設備及び風力発電設備を取得等し、その後事業の用に供した場合には、普通償却限度額との合計で取得価額まで特別償却ができる税制措置が講じられています。

ⅲ.家庭・事業者向けエコリース促進事業(1,800百万円の内数)

家庭や事業者が、再生可能エネルギー設備等の低炭素機器をリースにより導入する際に、リース料の一部を助成しました。

ⅳ.地域の再生可能エネルギー等を活用した自立分散型地域づくりモデル事業(1,000百万円)

再生可能エネルギーや未利用エネルギーによる自立・分散型エネルギーシステム(これらに併せての蓄電池導入を含む)の集中導入を産学官で推進する事業について、補助を行いました。

ⅴ.農山漁村再生可能エネルギー供給モデル早期確立事業(532百万円)

農山漁村において、農林漁業者等の参画を得た再生可能エネルギー電気の供給モデルの構築を支援しました。

ⅵ.地域還元型再生可能エネルギーモデル早期確立事業(平成24年度補正1,000百万円)

農山漁村の活性化を図るため、再生可能エネルギー発電事業による収入を地域の農林漁業の発展に活用するモデル的な取組の構築を支援しました。

(ウ) 非営利組織による再生可能エネルギーの導入促進

ⅰ.独立型再生可能エネルギー発電システム等対策事業(976百万円の内数)

固定価格買取制度の適用対象とならない、自家消費向けの再生可能エネルギー発電システム等の導入促進を図ることを目的に、当該発電システム等の導入事業を行う非営利団体等に対し、事業費の2分の1以内の補助を行いました。

(エ) クリーンエネルギー自動車の導入支援(後掲 第3章第5節2.(3)①(カ) 参照)
(オ) 民生用燃料電池導入支援補助金(9,000百万円)

2009年度から世界に先駆けて本格販売が開始された家庭用燃料電池システム(エネファーム)の早期の自立的な市場の確立を目指し、導入初期段階における市場を創出するため、設置者に対し、導入費用の一部を補助しました。

(カ) 民生用燃料電池導入緊急対策事業(平成24年度予備費25,055百万円)

集中的に家庭用燃料電池システムの導入支援を行い、市場の自立化を急ぐとともに景気の下支えとして個人消費(家庭用燃料電池システムの購入)の喚起を緊急に図ることを目的として、設置者に対し、導入費用の一部を補助しました。

電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)の整備及び施行

2011年度にRPS法の義務が課せられた電気事業者は、10電力会社をはじめとする計43社、その義務量の総量は110.3億kWhであり、電気事業を廃止した1社を除き全ての電気事業者が義務を履行しました。また、2012年度は、RPS法が廃止された6月末までは27.575億kWh、同年7月以降は再生可能エネルギー特別措置法附則第12条における経過措置規定により、53.188億kWhの義務量が課されました。

再生可能エネルギーに対する理解促進

新エネルギー等設備導入促進事業(566百万円)

再生可能エネルギーの普及の意義や制度内容について新聞・インターネット広告を使った制度告知をはじめ、制度解説パンフレット、再エネ発電設備の市民ファンド・共同出資事例集、住宅用太陽光発電を巡る悪質商法の注意喚起リーフレット等の制作や、再エネをテーマにしたシンポジウムの開催等を行い、幅広い層に向けて、普及・啓発事業を行いました。

(4) 技術開発・実証段階における主な取組

太陽光発電の技術開発・実証段階の取組

(ア) 革新型太陽電池研究開発事業(2,359百万円の内数)

2050年を見据えた高性能・低価格な革新的太陽電池の実現を目指し、多接合型太陽電池や、量子ナノ構造太陽電池等の基礎研究を実施しました。

(イ) 太陽光発電システム次世代高性能技術の開発(5,978百万円の内数)

高効率化及びコスト低減を追求する観点から、各種の実用太陽電池の高性能化のための次世代技術の確立、横断的な材料開発及び周辺技術の開発を行いました。

(ウ) 有機系太陽電池実用化先導技術開発(1,965百万円)

より安価な太陽電池として期待されている有機系太陽電池の分野において、要素技術の開発を行い、変換効率の向上や長寿命化等の課題に対応するとともに、将来の大量生産を見据えた連続生産プロセルの開発などを行いました。

(エ) 太陽光発電新技術等フィールドテスト事業(62百万円の内数)

新型太陽電池、新型機器、新システム及び新工法等の新技術等による太陽光発電システムの有効性の実証及び設置範囲の拡大等を図るため、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構と設置者による共同実証試験を実施しました。

(オ) 戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(4,750百万円の内数)

温室効果ガス削減に大きな可能性を有し、かつ従来技術の延長線上にない新たな科学的・技術的知見に基づく革新的技術(ゲームチェンジング・テクノロジー)となる、太陽光発電やバイオテクノロジー、蓄電デバイス等の研究開発を推進しました。

風力発電の技術開発・実証段階の取組

(ア) 洋上風力発電等技術研究開発(5,200百万円)

洋上における風況観測の手法、洋上風力発電システムの設計指針及び環境影響評価手法の確立等を目指し、着床式洋上風力発電システム及び観測タワーを実際に設置し、その実現可能性等について検討を行いました。また、7MW級の超大型洋上風車の実現に必要となる研究開発を行いました。

(イ) 次世代風力発電技術研究開発(617百万円)

風力発電に係る基礎・応用技術や自然環境対応技術について、国際動向を把握するとともに、我が国の特性を考慮した研究開発を行いました。具体的には、複雑地形の風況解析手法、小形風車信頼性評価手法、落雷保護技術等の研究開発を行いました。

(ウ) 風力発電施設における希少猛禽類に対する効果的なバードストライク防止策の検討(21百万円)

希少な海ワシ類が風車のブレードに衝突し死亡する事故(バードストライク)について、立地環境条件による衝突リスクの検証や海ワシ類の渡り状況の調査等を行い、事故防止対策についての検討を行いました。

(エ) 洋上風力発電実証事業(3,048百万円)

浮体式洋上風力発電について、漁業者と協力しつつ、パイロットスケール(100kW)の小規模試験機の設置・運転・発電を行い、実証海域における海象等環境調査を実施するとともに、商用スケール(2MW)の実証機の詳細設計・建造等を行いました。

(オ) 浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業(平成23年度3次補正12,500百万円)

福島県を「再生可能エネルギー先駆けの地」とするためのシンボルとして、世界をリードする浮体式洋上風力発電技術の実用化を目指すため、技術的な設計仕様の検討や海域調査を行うとともに、発電所付近での操業等、海域利用者との調整を行いました。

(カ) 浮体式洋上風力発電施設の安全性に関する研究開発(47百万円)

浮体式洋上風力発電施設の安全性の確保がその普及拡大に向けた重要な課題となることから、台風、地震等我が国固有の状況を踏まえた浮体式風車特有の技術的課題について検討を行いました。

バイオマスエネルギーの利用

(前掲 第2章第1節7.(6) 参照)

(ア) 地球温暖化対策技術開発等事業(競争的資金)(6,000百万円の内数)

草木質・廃棄物系バイオマスの燃料製造に関する技術開発及び実証研究等を実施しました。

(イ) 戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(4,750百万円の内数)

(再掲 第3章第1節2.(4)① 参照)

(ウ) 下水道革新的技術実証事業(2,872百万円の内数)

下水道における創エネ・省エネ対策の導入を促進するため、低コストで高効率な下水汚泥のエネルギー利用や下水熱利用技術の実証事業を実施しました。

(エ) 地域活性化のためのバイオマス利用技術の開発(940百万円)

(再掲 第2章第3節7.(6)⑥ 参照)

燃料電池/水素エネルギー利用技術開発等

(後掲 第3章第1節2.(8)① 参照)

蓄電池に関する技術開発等

蓄電池全体について、総合的、包括的な戦略をしっかり描くために、2012年7月に蓄電池戦略を策定し、コスト低減等による蓄電池の普及の加速化に向けた課題を整理すると共に、今後、実施すべき施策を取りまとめました。本戦略においては、2020年に世界全体の蓄電池市場規模(20兆円)の5割のシェアを我が国関連企業が獲得することを目標に掲げ、電力系統用の大型蓄電池、定置用蓄電池、車載用蓄電池の3分野に重点を置くこととしました。

(ア) 革新型蓄電池先端科学基礎研究事業(3,500百万円)

既存の蓄電池の性能向上及び革新型蓄電池の実現に向けた基礎技術の確立を目指し、蓄電池の充放電における材料挙動解析の研究開発等を実施しました。

(イ) リチウムイオン電池応用・実用化先端技術開発(2,000百万円)

電気自動車等の動力であるリチウムイオン電池の性能を理論限界まで追求するためのトップランナー型の技術開発や、用途拡大による量産効果を狙い国際競争力の強化につなげるため自動車以外のアプリケーションに対応するリチウムイオン電池の開発を行いました。

(ウ) 新エネルギー系統対策蓄電池システム技術開発(2,000百万円)

風力発電、太陽光発電の大量導入に向けて、系統対策用の蓄電池として、安全性や耐久性等を追求した蓄電システムの開発を行いました。

(エ) 戦略的創造研究推進事業 先端的低炭素化技術開発(4,750百万円の内数)

(再掲 第3章第1節2.(4)① 参照)

福島県内における研究開発拠点整備等

「東日本大震災からの復興の基本方針」(平成23年7月29日東日本大震災復興対策本部)に記載された再生可能エネルギーに係る世界最先端の研究開発拠点を福島県に形成するため、福島県郡山市において、産学官の連携により、再生可能エネルギーに関する実証的技術開発を行う産業技術総合研究所の研究開発拠点(2013年度中に完成予定)の着工を開始しました。この研究開発拠点を活用し、超高効率太陽電池に関する研究開発を実施することとしており、完成するまでの間は、各参加機関の研究施設において基礎段階からの研究開発を実施しています。

地域における先進的対策の実証の取組

(ア) チャレンジ25地域づくり事業(2,700百万円)

全国のモデルとなるような低炭素地域づくりに向けた、都市の未利用熱やバイオマスエネルギー等を活用した先進的対策について、事業性、採算性及び波及性等を検証する事業を行いました。

(イ) 災害等非常時にも効果的な港湾地域低炭素化推進事業(1,400百万円)

港湾空間の温室効果ガス削減を推進、非常時においても港湾への電力供給を可能にする仕組みについて、その企画・検討及び効果を実証する事業を行いました。

(5) 規制・制度の見直し・緩和

行政刷新会議は、2012年3月に「規制・制度改革に関する分科会報告書(エネルギー)」を、6月に「規制・制度改革委員会報告書(復旧・復興/日本再生)」を取りまとめ、そうした検討を踏まえ4月に「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」を、7月に「規制・制度改革に係る方針」を閣議決定しました。

また、11月には「日本再生加速プログラム」が閣議決定されました。

これらの閣議決定や取りまとめを受けて、各府省庁において、再生可能エネルギーの導入拡大等に関する各種規制の見直し・緩和が行われました。

<主な規制・制度の見直し・緩和の内容>

(太陽光発電)

○ 電気事業法上の保安規制の合理化

2012年6月、経済産業省は、電気事業法施行規則を改正・施行し、太陽電池発電設備に関して、工事計画届出や使用前安全管理審査の対象となる範囲を「出力500キロワット以上」から「出力2000キロワット以上」に引き上げました。

○ 工場立地法上の取扱いの見直し

2012年6月、経済産業省は、工場立地法施行令及び工場立地法施行規則を改正・施行し、太陽光発電施設が工場立地法上の届出対象施設から除外されるとともに、工場立地法上の環境施設に位置付けられることとなりました。

(風力発電)

○ 環境影響評価の手続き迅速化

2012年5月、経済産業省は、「風力発電に係る環境影響評価における低周波音の取扱いについて」を公表し、風力発電に係る環境影響評価においては、低周波音について環境基準が無くとも、遅滞なく適切に審査することが可能である旨周知しました。また、風力発電等における環境影響評価手続の迅速化を図るべく、事業者が環境影響評価手続に活用できる環境基礎情報の整備を行いました。

○ 洋上風力発電に関する制度環境の整備

2012年7月、国土交通省は、浮体式風力発電設備について建築基準法及びこれに基づく命令の規定を適用除外とする旨の告示を公布・施行し、浮体式風力発電設備については、船舶安全法に基づく安全性の審査に一本化しました。

(地熱発電)

○ ボイラー・タービン主任技術者の不選任要件の緩和

2012年4月、経済産業省は、電気事業法施行規則等を改正・施行し、一定の条件を満たす小型のバイナリー発電設備に係るボイラー・タービン主任技術者の選任等が不要となりました。

(小水力発電)

○ 河川法の許可手続の簡素化

2013年1月、国土交通省は、河川法施行令を改正し、小水力発電(最大出力が1000kw未満のもの)のための水利使用について、特定水利使用から除外するなどの水利使用区分の見直しを行い、許可手続の簡素化を行いました(2013年4月1日施行)。これにより、許可申請から許可までの期間が短縮され、申請者の負担が軽減されることとなります。

○ ダム水路主任技術者の選任不要化範囲の明確化

2012年11月、経済産業省は、「電気事業法における「ダム」の取扱いについて」を公表し、ヘッドタンクや農業用水路等内に設けられた堰が電気事業法における「ダム」に当たらないことを周知しました。

(再生可能エネルギー全般)

○ 保安林における許可要件・基準の見直し

2012年6月、農林水産省は、「保安林解除及び作業許可要件に係る留意事項について」を発出し、保安林の指定解除に関しては、用地事情の確認範囲や代替施設の設置の必要性が明確化され、保安林の作業許可に関しては、工事のために必要となる道路部分の拡幅等について合理的な理由が認められる場合に柔軟な対応が可能である旨が明確化されました。

(6) ハード、ソフト両面の環境整備及び関係行政機関による連携

新エネルギーを一層普及させるため、ハード面では、クリーンエネルギー自動車の燃料等を供給するための設備や2015年の燃料電池自動車の市場投入に向けた水素供給設備の整備のための技術実証等を行い、ソフト面では、住宅用太陽光発電システムに係る価格動向や施行品質向上に関する調査等を行いました。また、バイオマスについては、「バイオマス活用推進基本計画」を踏まえ、関係省庁と連携しながら、バイオマス資源を高効率にエネルギー転換する技術開発や実証試験等を行い、バイオマスの利活用を推進しました。また、2012年2月に関係府省合同で「バイオマス事業化戦略検討チーム」を設置し、バイオマス利用技術の評価と事業化に向けた戦略の検討を行いました。更に、風力発電の導入については、風力発電設置の際の土地の使用に関する諸手続に時間を要するという問題があるため、関係省庁において、各種規制緩和の議論を行いました。加えて、2015年の燃料電池自動車・水素供給設備の市場投入に向けて、2010年6月18日に閣議決定された「規制・制度改革に係る対処方針」に基づき、2010年12月に「規制の再点検に係る工程表」を公表しており、これに則って民間団体等が行うデータの取得や有識者による検討等を支援し、規制の再点検を進めました。これにより、水素供給設備において、より高圧(70MPa)の水素を市街地で充塡するための省令等の改正が2012年11月に行われました。

(7) 水力及び地熱の開発、導入及び利用

水力の開発、導入及び利用

再生可能な純国産エネルギーである水力発電の開発は我が国として積極的に推進する必要がありますが、水力発電は初期投資が大きく初期の発電単価が他の電源と比較し割高であること、また、今後開発地点が奥地化・小規模化していくこと等から、中小水力開発に対する支援を行ってきました。このため、事業者に対し、建設費の一部を補助すること等により、開発を促進しました。

(ア) 小水力等農村地域資源利活用促進事業(692百万円)

農業水利施設を活用した小水力等発電の整備を推進するため、調査設計等の取組を支援しました。

(イ) 小水力発電導入促進モデル事業費補助金(699百万円)

小水力発電メーカーと発電事業者等が共同で、試験設備を用いた実用化に向けた実証事業を行い発電設備の低コスト化を実現する開発を促進しました。また、更なる自治体や民間企業等の参入を促進するため、事業参入に際して必要な手続きや課題等の整理のための調査を実施しました。

(ウ) 中小水力・地熱発電開発費等補助金(中小水力発電開発事業)(2,043百万円の内数)

一般電気事業者及び卸電気事業者等の行う中小水力開発に対し、建設費の一部を補助することにより、水力の初期発電原価を引き下げ、開発を促進しました。

(エ) 中小水力開発促進指導事業基礎調査(164百万円)

中小水力開発促進の基礎資料とするための調査を行うとともに、国際エネルギー機関(IEA)の「水力技術と計画に係る実施協定」に参加し、得られた技術情報を国内外に発信しました。

(オ) 新エネルギー等導入促進基礎調査(水力開発導入基盤整備調査)(435百万円の内数)

開発可能性の有望な地点を選定し概略設計等を行うことにより、未開発となっている地点の調査を行いました。

(カ) 中小水力発電事業利子補給金助成事業費補助金(133百万円)

地方自治体(公営電気事業者)が水力発電所の建設に際して要した資金の返済利息に関して、利子補給を行いました。

地熱の開発、導入及び利用

クリーンで純国産の地熱エネルギーによる安定的な電力供給は、地球環境問題等社会的要請に応えるものとして重要ですが、事業リスクが高いこと等の課題もあり、政府として支援しました。

(ア) 中小水力・地熱発電開発費等補助金(地熱発電開発費補助金)(2,043百万円の内数)

地熱開発は、開発リスクが大きいこと等の課題を抱えているため、発電機等の設置に対して補助を行いました。

(イ) 地熱資源開発調査事業(9,050百万円)

発電時のCO2排出量がゼロで環境適合性に優れ、出力が安定した純国産のエネルギー源である地熱資源の開発を促進するため、地熱資源の調査(ポテンシャル調査等)に対する支援を行いました。

(ウ) 温泉エネルギー活用加速化事業(370百万円)

地域の特性に応じた温泉エネルギーの自立的普及に向けて、初期需要を創出することによりコストの低減を図るため、温泉熱等の利用を行う民間団体等に対して補助を行いました。

(エ) 地域主導による再生可能エネルギー事業のための緊急検討事業(410千円)

再生可能エネルギーの導入を加速化するため、地域でのコーディネーター育成や地域の関係者が参画する協議会を中心とした事業化計画の策定等に対して支援を行いました。

(8) 水素エネルギー社会の実現に向けた取組

燃料電池/水素エネルギー利用技術開発等

(ア) 固体高分子形燃料電池実用化推進技術開発事業(3,500百万円)

自動車用及び定置用として利用される固体高分子形燃料電池(PEFC)の実用化推進と更なる普及拡大に向けて、電解質膜や電極触媒を中心とした性能向上・低コスト化に資する基礎的技術開発及び実用化技術開発を行いました。

(イ) 固体酸化物形燃料電池システム要素技術開発事業(618百万円)

固体酸化物形燃料電池(SOFC)について、耐久性・信頼性向上のためのセルスタック(発電部位)の劣化機構解析を行うとともに、実用性向上のための技術開発を行いました。

(ウ) 固体酸化物形燃料電池システムを用いた産業用発電プラント研究開発事業(900百万円)

火力発電システムの大幅な効率向上を目指し、既存のガスタービン複合発電システムに固体酸化物形燃料電池(SOFC)を組み合わせたトリプルコンバインドサイクル発電システムの実用化のための要素技術の開発を行いました。

(エ) 水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発(1,500百万円)

水素供給設備に必要な機器やシステム等の技術開発を行うとともに、2015年の燃料電池自動車の市場投入に向けた規制見直しに必要なデータ取得、国際標準への提案等を行いました。

(オ) 水素先端科学基礎研究事業(800百万円)

水素供給設備の設計に必要となる高温・高圧下状態における水素の物性データを測定し、インフラ整備に用いる材料について水素脆化、水素トライボロジー等に関する研究を行うとともに、水素貯蔵材料に関する開発を行いました。

(カ) 地域水素供給インフラ技術・社会実証(3,006百万円)

2015年の燃料電池自動車市場投入に向けて水素ステーションを国内3箇所商用実証として整備するとともに、実使用条件に近い状態で燃料電池自動車への水素充填を実施し、機器やシステムの稼働に係る実証試験を行いました。

(キ) 高効率水素製造等技術開発(852百万円) 再掲 第2章第2節3.(3) 参照)
(ク) 新エネルギーベンチャー技術革新事業(1,600百万円)

太陽光発電、風力発電、バイオマス、燃料電池・蓄電池等における中小・ベンチャー企業が有する潜在的技術シーズを発掘し、その開発及び実用化を支援しました。

高圧ガス保安等の規制への対応

(再掲 第3章第1節2.(6) 参照)

(9) 熱利用の拡大

再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業(4,003百万円の内数)

地域において再生可能エネルギー熱利用設備を率先して導入する地方公共団体等に対し、事業費の2分の1以内の補助を行いました。

再生可能エネルギー熱利用加速化支援対策事業(4,003百万円の内数)

再生可能エネルギー熱利用設備の加速度的な導入促進を図ることを目的に、当該設備の導入事業を行う事業者に対し、事業費の3分の1以内の補助を行いました。

(10) バイオガスの利用拡大

エネルギー供給構造高度化法を活用したガス事業者へのバイオガス利用目標の設定

下水処理場や地方自治体等との連携しつつ、都市ガス導管注入実証事業、精製設備の高効率化技術の開発等を行いました。