第2節 都市ガス

1.被害の状況

都市ガス事業等においては、震災による津波や液状化等によりガスの製造設備や供給設備(導管等)が破損しました。供給設備の被害は過去の震災においてもありましたが、今回の東日本大震災では、津波により一部の製造設備が機能停止にまで陥りました。特に、沿岸部にあった仙台市ガス局のLNG 基地(LNG タンカーから受け入れたLNG を貯蔵・気化させて都市ガスとして供給する施設)は津波で被災し、主要な電気設備が冠水するとともに、護岸の一部が流される等の甚大な被害が生じました。今回の大震災において、我が国は大規模な需要をまかなうLNG基地の機能停止を初めて経験しました。

2.講じた措置(対応)と明らかになった課題

全国の都市ガス事業者による復旧応援、移動式ガス発生設備による臨時供給を行ったほか、復旧に1年近い期間を要することが見込まれていた仙台市ガス局のLNG基地に代わり、新潟-仙台間を結ぶ広域天然ガスパイプラインによる代替供給(第112-2-1)を行い、供給再開作業が可能となった結果、大震災から1カ月強で復旧を完了しました。
 現状の我が国の天然ガスパイプラインネットワークを見ますと、都市ガスの需要地ごとに分断されており、新潟-仙台間のような広域的な天然ガスパイプラインが存在する地域は極めてまれであると言えます。その意味において、今回の震災によって、仮に単独のLNG基地に供給を依存する地域において製造設備が被災し、機能停止に陥った場合、たとえ復旧応援があったとしても都市ガスの供給そのものが停止するため、長期間に渡りガス供給が途絶するリスクがあることが顕在化しました。

【第112-2-1】新潟- 仙台間の天然ガスパイプライン

【第112-2-1】新潟- 仙台間の天然ガスパイプライン